開発テーマのネタ出し奮闘ログ リーンキャンバス実例と開発スコープ決め
僕の所属するmofmofでは個人開発をめっちゃ推奨してて、業務時間内に技術研鑽がてら個人開発をしてもいい時間が設けられています。
最近、チームで個人開発をやる(?)的な期間があり、開発対象を決めるネタ出しを結構頑張ったのでその話をしようと思います。
具体的にはリーンキャンバスの話と、スコープ決めのために取り組んだことの話をします。
リーンキャンバス
なんとなくやりたいことや方向性はあったので、それがビジネス足り得るか・どんなプロダクトにするのが良いかを考えるためにリーンキャンバスを活用しました。
参考: リーンキャンバスについての記事
見せちゃいけないものではないけどめっちゃみてほしいものでもないのでこんなサイズで失礼します。Miro上でワイワイ言いながらみんなで考えました。
特に集中的に議論したのは顧客と課題という、リーンキャンバス上でも最初に取り組むセクションでした。ここをおざなりにするとロクな結果にならないので(n敗)
エンジニアあるあるだと思うんですが基本自分に近い属性の人が対象になりますよね(笑)
ご多分に漏れず、最初は
- 個人開発者
- PdM
- 起業家
- 受託開発者
と書いていました。
課題セクションは、スタート地点が「競合分析」というテーマだったので
- 競合アプリのターゲット顧客を知りたい
- 競合アプリのアクティブユーザー数を知りたい
- 競合アプリの独自の価値が知りたい
- 自分が考えた特徴・機能が競合にすでに存在するものか確認したい
など、今見ると「課題」というよりは「要望」っぽいものが並んでいますね。もはやほぼソリューションです。
一歩立ち止まり、なぜ競合のターゲットが知りたいのか、なぜ競合のユーザー数が知りたいのかと、出ている要望を掘っていきました。
同時に、こう考える主体…すなわち顧客はどんな人なのかを深掘りする必要もありました。
結果として、アーリーアダプターは「個人アプリ開発者」で、
- 個人開発を金銭的に成功させたいと考えている
- 分析や営業、マーケなどはあまり頑張りたくない
- 特定の領域や課題解決に思い入れがあるわけではない
- 完成度次第で成功するかもしれない、という希望を持ちたい
という顧客像&ちょっとした課題が見えてきました。頑張ったらリターンがあるという未来が見えないと動けないわけですね。
さて、そうすると本当の課題が見えてきます。
- 市場がわからないから、稼げるか不安
- 作るものの価値が設定できないから、開発への一歩が踏み出せない
- 作ったとして、競合に勝てるか不安
あとはもうホイホイいきましょう。どうせゆくゆく正解が変わっていくので深く考えても無駄です。
そうしてソリューションを考えたところ、あんまりテンションが上がらなかったのとあんまり作れる気がしなかったのでボツになりました。
スコープ決め
なのでそういうものはすっ飛ばして、チーム個々人が持っている課題ややりたいことを集めて話して「これ!」と決めました。
そして爆誕したのが co-demon
でした。テーマは「GitHubのリポジトリのコードを食わせて質問できるボットを生成できるOSS」です。
余談ですが命名は僕で、
- コード解析なので
code
- 一緒にやってくれる
co-
- なんでもなんとかしてくれそうな
えもん
「助けてー!co-demon!」
気に入ってます。命名のご依頼があればDMください。一緒に悩ませてください。
ええと、テーマは決まりましたが、開発期間が限られているので小さめのスコープを定義する必要がありました。なので、このプロダクトによってどんな課題を解決したいかを考えました。
このプロダクトが最も救えそうなユーザーを、「歴史のあるプロジェクトに入り、いち早くキャッチアップして戦力になりたい開発者」と設定しました。
この人がプロジェクトに参加してから一人前になるまでのマップがこちらです。
先ほどの図と同じで、ややぼかしめです。
スタート地点は「プロジェクトへの参加」で、ここから一人前になるまでの道筋を考えます。道中で関連リポジトリの存在に悩まされたり、先輩に聞くか聞くまいか悩んだり、車輪の再発明をしたりしてました。とてもリアルな、いつかの、そしてこれからの私たちですね。
最終的に「このタイミングでこういう使い方をしたらこの課題が解決できる」という着地点を見つけ、開発物を「プライベートリポジトリの情報を食わせたペアプロナビゲーターチャットボット」と決めました。
あとは作るだけです。というわけで、長きにわたるネタ出しが完了しました。
まとめ
リーンキャンバスを書いたけどボツになり、えいやで決めたテーマから課題を掘り起こして設定し、プロダクトを決めました。公開はまだですが、すごいものができあがりました。正直現状のCopilotを超えかねないものになりました。
ネタ出しやプロダクトの定義について、ちょっとでも参考になれば幸いです。
企画上置かないといけないテンプレ↓
株式会社mofmofは受託開発会社ですが、メンバー自らがオーナーとなってプロダクト開発にチャレンジしています。
この記事は、NestJS, 生成AIにチャレンジする「金曜日のチーム開発」の成果です。
https://indie-dev.mof-mof.co.jp/
Discussion