30代のキャリアを意識した20代のキャリア戦略
先日、『Developers Boost 2023』に参加してきました。
ここで 30 代を目前に控えたエンジニアの方達から、さまざまなキャリア論をお伺いすることができました。
その中の一人、sakito さんが 20 代中頃にこのような発表をしたとおっしゃられていました。
これを見て自分も 20 代後半に差し掛かったこの頃に一度、
- 今の時点で気づいた真理
- これから先やっていこうを思うこと
を整理しておこうと思い筆を取り、敬意を込めて sakito さんのスライドタイトルをそのままこの記事のタイトルにいただきました。
ただし、ここで書こうとすることはエンジニアリングのみならず、これからシステムエンジニアとして生きていく上で必要そうなスキルも含まれそうです。
現状自分が得た真理
ここまで 5 年という短い期間ですがシステムエンジニアとして仕事をしてきたなかで、揺るがないだろうと思える事実についてまずは書いていこうと思います。
スキルと給与は比例しない
2022 年の夏頃から転職活動を始めたのですが、そのきっかけになった理由の一つがコレでした。
前職は、前々職(新卒で入った会社)が M&A されたことで移籍する形で入社しました。
その際、おどろくほど給与が上がり、さらに昇給や賞与も凄まじく前々職と比べて給与が 250 万円ほど上がり、年収がエンジニア 5 年目にして 800 万超に到達しました(実話)
そして、翌年の昇給でまた給与が上がる…のですが、この状況を自分は「マズい」と思っていました。
なぜなら、自分のスキルが劇的に向上しているわけではないのに、給与はべらぼうに上がっているからです。
なのに給与が上がっていくその理由とは、単に会社の業績が好調だからという理由でした。
自分は悲観的なので、あるとき仮に数年後自分が 30 代に差し掛かった頃に前職の会社が潰れるということを想像してみました。
すると、自分のスキルに対してその給与の上がり幅が続いた場合、他社で自分を雇ってくれる会社はないだろうな…というのを想像していました。
これが自分が 3,40 代の頃であれば「よしよし自分もようやく実力がついてきた頃かな」と思えるのですが、20 代のこの時期に、しかも自分では実力不足を実感しているときにこの給与の上がり幅だと、不安とプレッシャーしかありませんでした。
そのほか色々な要因が重なって現職へ転職することになるのですが、それはまた別の話で…
ここで得た真理は、給与というのはスキルではなく会社の経営状況に依存するということです。
尊敬できる人がいる環境で働く
さて、先に述べたように意図せず給与がべらぼうに上がり始めたところで転職活動を決意します。
そこでの軸は二つあって、その一つは周りに尊敬できる人がいることです。
特に、自己研鑽を常に続けている人がたくさんいる環境というのを求めていました。
自己研鑽をひとりで続けるのはモチベーション維持が大変です。
しかし、周りが自己研鑽をしている人ばかりであれば、それが当たり前のことになります。
継続する一番の近道は、それを習慣にしてしまうといいとはよく言ったもんです。
なので自分が転職活動をするときに最もポイントとして見ていたのは、「アウトプットが盛んに行われているかどうか?」でした。
そして自社の技術ブログや SNS などで技術的な内容を積極的に発信している企業は、もれなく社内での自己研鑽が盛んで、自己研鑽の時間を業務として認めている企業が多かったです。
閑話休題。
話が若干逸れてしまいましたが、周りに尊敬できる人がたくさんいるということは自分にないものを持った人がたくさんいるということだと思います。
そんな人たちに質問や意見を求められるということは、これつまり自分一人で何かを学習するより効率的に知識や経験を蓄えることができます。
なぜなら、人間が一日に使える時間は決まっているからです。24 時間というなかで勉強時間を捻出する必要があります。
その限られた時間を有効に使う最も有益な方法は、他の人の知識を分けてもらうことではという結論に至りました。
これによりある知識を獲得するために必要な時間をずいぶん短縮することができます。
自分が興味を抱ける業界・職種で働く
先ほど転職の軸は二つあると言ったのですが、もう一つは自分が興味を抱ける業界・職種で働くことでした。
自分の場合はオタクだったので、アニメ・漫画といったサブカルに関わることができる企業を転職先のターゲットとしていました。
その理由は実体験からくるものなのですが、「いくらお金を積まれても、全く興味のないものに情熱は注げない」からです。
人生の少なくとも 1/3〜1/2 は労働に費やすことになるのに、興味のないものに時間を使うなんてものすごく時間の無駄のように感じられました。
「好きこそものの上手なれ」と昔の人はよく言ったもんですが、やはり自分が好きだと思える世界に関われていると思えるとそれだけで不思議とモチベーションになるものです。
健康はとてもとても大事
これまでの短いキャリアの中でですが、「めちゃくちゃ能力高いのに、体調不良や精神的な具合の悪さで仕事を休みがち」という方を何人かお見かけしてきました。
その人が悪いわけではないのかもしれないのですが、やはり体や心の調子が不安定な人は安定してパフォーマンスを出すことができません。
計画を立てるマネージャーたちからすると、いつ壊れてしまうかわからない人を使うよりも、その人たちより多少能力は低くとも確実に仕事を成し遂げてくれる人の方がありがたいのではないかと思うのです。
そしてこれは、体や心の調子が不安定な人が悪いという話ではなく、そういった状態にならないように気をつけようという話です。
若手エンジニアの諸兄には、睡眠を削って勉強時間を捻出しようとする努力家な方も多いのではないかと思います。
自分も新卒 1,2 年目のころは平日でも睡眠を削って毎日 5 時間は勉強するような日々を送っていました。
しかしそれをしなくなったのは、結局仕事中のパフォーマンスに影響していると気づいたからです。
そして、無茶して勉強をしなくなったのは、
- システムエンジニアは 1,2 年やそこらで強くなれるものじゃない(中にはそういう人もいるかもだけど、少なくとも自分は天才じゃない)
- 自分の実力を俯瞰して、「まあこんなもんか」と思えるようになった
- 周りが強い人たちばかりの環境に飛び込んでみて、多少無茶したところで追いつけないことに気づいた
という理由です。(最後のは転職後に気づいたことですが)
結局のところ、毎日集中してコツコツを続けることが一番近道だということに気づき、そのためには体調を崩さないことが大切。
そのために良質な睡眠と運動が大切という結論に至りました。
なので、今は毎日睡眠を 8 時間、運動の時間を 1.5 時間確保して、そこから仕事をひいた時間で勉強するという方法をとるようになりました。
仕事をするために生きているわけではない
意外とこのことを忘れている人が多い気がします。
自分は人生を楽しむために生まれてきたのであって、辛いことだらけの人生を送るために生まれてきたわけではないです。
結果として人生の楽しみとして仕事があるというのは結構なことですが、少なくとも自分は仕事をしている時間よりもアニメをみている時間の方が幸せです(笑)
で、なにが言いたいのかというと多少仕事でミスしたり、仕事ができなかったりしたところで自分も他人も死ぬことはないということです。
ましてや責任や義務のない 20 代のうちは、肩の力を抜いて淡々と仕事を(しかししっかりと)こなしているくらいでちょうどいんじゃないかと思っています。
30 代に向けてやっていこうと思うこと
ここまで話してきた真理に従いつつ、これから 30 歳までの間にやっていきたいことを書いていこうと思います
勉強(基礎固め)
まずはやっぱりこれですね。何においてもやっぱりこれ。
やっぱり継続して勉強しないとダメだなと思います。
その上で 30 歳になるまでは、自分がいま業務で使っている言語(フレームワーク)をより突き詰めて学習して、特技/強みの欄があればそこに自信を持って書けるレベルに昇華していきたいです。
それから、システムが動いてる/システムを動かす環境についても知識を深めていきたいです。
副業 / OSS コントリビュート
今の自分に一番足りないものは経験値です。とにかく作る経験、それから作る上でのトラブルを解決する経験が足りない。
それを補うために一番いいのは、やっぱり副業なんじゃないかと思っています。
個人開発のアプリだとどうしても妥協が成立してしまうので、常に本番のプレッシャーのなかでないとやっぱり伸びないんじゃないかと。
ただ自分の場合、早い段階で転職ができているのはいい経験だと思っています。
少なくとも自分を求めてくれる企業がいくつかあることは知っているので、そこは自信にしつつこれからも努力を続けていきます。
ただ時間的に副業は本業との両立が難しいかも…とも思っているので、これまでもやってきた OSS コントリビュート活動のサイクルをもっと回していくでもいいのかなと思いました。
OSS コントリビュートであれば自分のペースで進めることができるので。
勉強会づくり
エンジニアコミュニティを育てたいです。
関西はそういったコミュニティ、特に若手中心のコミュニティがない。これは自分がなんとかしないといけない問題だと思っています。
例えば「吉祥寺.pm」さんをみてると、いきなり大きなコミュニティになったわけではなく、徐々に参加者が増えていっているのがわかります。
自分の仮説ですが、有名コミュニティは突如有名になるわけではなく、若手エンジニアが細々と活動を続けていて、その人たちが 30 代に差し掛かって実力が身についてきた頃に満を辞して有名になるのだと考えています。
(突発的にできる有名コミュニティは、もともとそのコミュニティの代表が持ってる知名度やブランドが大きいんだと思う)
そのためには若手エンジニアがつながる器がないとダメ…ということで、こちらのコミュニティに参加をお願いします!笑
このコミュニティの理念は「仕事もプライベートも、オタクとして生きる。そのためのアソビバを作る。」です。
先にも書いた、「仕事をするために生きているわけではない」という真理に行き着いた結果誕生したのがこの理念です。
一緒に真面目に楽しくエンジニアライフを過ごしていければイイなと思っています。
セルフマーケティング
セルフマーケティングやセルフプロデュースという言葉を聞いて吐き気を催した方、多いのではないでしょうか?
自分もそうだったのですが、この『SOFT SKILLS』という本を読んで考え方が変わりました。
セルフマーケティングとはより多くの他人に自分のこと正しく知ってもらうためのスキルということを学んでからは、先の勉強会を始め、Zenn、Twitter などを積極的に利用するようになりました。
なにより、「自分はこういうエンジニアです!」という自分の分身になるアウトプットを出すことが大事だと思っています。
ちなみに「自分の分身」という表現は先日の Developers Boost2023 のsakito さんの発表の受け売りです(笑)
レジュメづくり
30 代に向けて「Kanon とはこれまでどういうことをやってきて、またプライベートではどういう勉強や活動をしているのか?」をたくさんそして濃密に説明できるように経験を蓄えていきたいです。
現状もResumeというサービスに随時書き足していっていますが、さらに上乗せしたいです。
さいごに
いろいろ書きましたが、やっぱり芯として持っておきたいのは「20 代を楽しみ、30 代はもっと楽しむ」ことですね 🎉
そのためにできることを考えて、実践していきたいと思います。
今年もあと半分、一緒に頑張りましょう 👍
メンバー募集中!
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