2023年に読んでよかった技術書
おそらく 2023 年に Zenn で出す最後の記事になるかと思います。
タイトルの通り、2023 年に読んだ本の中で、特に素晴らしかったものをご紹介します。
とはいえあまり今年は技術書を読んだ印象がなく…
というのも、特定の xx(例えば Next.js、Ktor)といった部類に関しては公式のドキュメントを読むことがほとんどになり、書籍に求めるのは公式ドキュメントに書かれていない何かや誰かの経験・ノウハウになったからだと思います。
この記事を書くにあたって今年読んだ本を振り返ってみても、やはり十数冊程度(それでも月に 1 冊は読んでた)のでインプット:アウトプットの割合的には良いバランスではないかと思っています。
ただ、先に述べた通り公式ドキュメントに書かれていないなにかを売っている本というのはどれも本当の意味で価値があるものであり、皆さんにも本当に意味のある情報にお金を使っていただけるようこの記事で情報発信したいと思います。
エンジニアリングマネージャーのしごと
現職に転職する際の最終面接のタイミングで CTO に勧められた書籍です。
自分はマネージャーというわけではありませんが、マネージャーの考えを知るために読んでおこうと思って読みました。
将来自分がその立場になった時に参考になりそうだなと思ったし、この本に書いてあるようにマネジメントされたら嬉しいなと思えました。
こうしたマネジメント系の書籍が一定のサイクルごとに良書と呼ばれるものが登場するのは、まさに公式ドキュメントが存在しないからだと思っています。
体系的に学ぶ 安全な Web アプリケーションの作り方 第 2 版[固定版] 脆弱性が生まれる原理と対策の実践
通称徳丸本ですね。
今年は自分の中で「セキュリティに関する知識をつけていく」というのがテーマにあったので、その中でもこの徳丸本はセキュリティに関する知識が体系的にまとめられていてよかったです。
特に脆弱性を再現した内容も詳しく書かれているため、非常に理解が捗りました。
セキュリティを学ぶにあたっての入門書としては、これ以上のものはないのではと思われます。
そして今後も何度もこの本に戻って来ることになりそうです。Web エンジニアは必携。
フロントエンド開発のためのセキュリティ入門 知らなかったでは済まされない脆弱性対策の必須知識
同じくセキュリティ本。
情報としては先の徳丸本と重複している箇所が多いため、徳丸本を読んだ後にこの本を読みました。
「重複している箇所が多いのに何の意味が?」という感じですが、この本から得たかったのはCSPの知識でした。
XSS 対策としてあまりポピュラーにはなっていないものの Google も推奨するStrict CSPについて詳しく触れられており、その意味で非常に有益でした。
こちらも Web エンジニアであれば必携でしょう。
ふつうの Linux プログラミング 第 2 版
gcc プログラミングには興味がなかったのですが、この本を読むことで「Linux 世界が何によってできているのか」がわかり、これまでイマイチ宙ぶらりんだった、
「スレッド」「プロセス」「ソケット」「ストリーム」という概念について理解できました。
なにより、「なぜネットワーク越しにデータを送り合えるのか?」の解像度が非常にクリアになりました。
詳細な読書メモを残すほど、この書籍には感銘を受けました。確実に今年のベスト書籍です。
こちらも Web エンジニアであれば必携。
SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル 第 2 版
ここからは少し領域が異なります。誰かの経験に基づく書籍シリーズです。
この本はばんくしさんが薦められていたことで知りました。
結婚というイベントを迎えて、自分のこれまでの価値観が変わっていくのを感じているのですが、その最たるものがお金に関する考え方です。
これまでは「スキルを上げるのが優先!お金は結果としてついてくればいい」という考え方でしたが、転職によって自分のスキルをある程度実感できたこと。
それからパートナーができたことで「お金を得るために自分のスキルをどう活かすか?」という発想に変わりました。
これは完全に主観ですが、この順番を間違えたことによって「スキルがないのにお金を得てしまった結果、収入源を失った時に堕ちるところまで堕ちていく」人をよく見かける気がします。
話が若干それましたが、この本は「お金を得るために自分のスキルをどう活かすか?」という問いの道標となるような本でした。
本の内容については、こちらの過去記事に詳しく書いてありますのでよければご覧ください。
世界一流エンジニアの思考法
現役米マイクロソフト社員の牛尾剛さんが書かれた本です。
この本では実際にマイクロソフトで働く中で、優秀な同僚たちの習慣や行動を観察し、自分に取り入れられた牛尾さんの実体験をもとに書かれています。
個人的に刺さった内容としては、
- 理解に時間をかける
- 優先順位をつけ、最優先のものだけに集中する
- 楽しくなくて苦しい時は無理があるサイン
- 「読んだ人がどう感じるか?」を意識しながらコードを書く
- 批判するのではなく、何を貢献できるかを考える
- 自分の人生や幸せに責任を持って、自分でコントロールする
このあたりのエピソードですね。
自分の生産性を上げたいと思っている人には何かしら得られるものがある内容になっているハズです。
来年読もうと思っている本
年末年始の休みあたりから読み始めようと思っている本たちです。
Hello Nostr とプログラマー脳は購入済みです。
Hello Nostr! Yo Bluesky! 分散 SNS の最前線
いい機会なので分散 SNS について概要だけでも学んでおこうと思っています。
プログラマー脳 ~優れたプログラマーになるための認知科学に基づくアプローチ
優れたプログラマーになりたいので、ノウハウを知りたいです。
達人が教える Web パフォーマンスチューニング 〜ISUCON から学ぶ高速化の実践
一番読みたい本はこれです。
パフォーマンスチューニングを知るにはランタイムを知る必要もあると思っているので、これを機にその辺りの知識をつけていきたいです。
教養としてのコンピューターサイエンス講義 第 2 版 今こそ知っておくべき「デジタル世界」の基礎知識
基本情報や応用情報で勉強する内容な気がしなくもないので、これは書店で試しに読んでみてから購入を検討しようと思います。
プロとしての Oracle アーキテクチャ入門
ちょこちょこ Oracle に出会う機会があるので。
ただ Oracle に特化したいというわけではなくて、何かしらの DB 製品の知識をつけておけば基本概念は同じはずなので応用していけるんじゃないかという考えです。
フロントエンド開発のためのテスト入門
フロントエンドのテスト戦略本です。実際に業務で書いてはいるもののフレームワーク選定の戦略や環境構築まではやったことがないので、この本から学びたいです。
単体テストの考え方/使い方
質の高いテストをするには?について書かれている本らしいです。
先に挙げたフロントのエンド開発の xxx よりももう少し低いレイヤーからの基礎になりそうですが、そのあたりをしっかり本で読んだことがないのでこれを機に読んでみようかなと。
おわりに
📢 Kobe.tsというTypeScriptコミュニティを主催しています
フロント・バックエンドに限らず、周辺知識も含めてTypeScriptの勉強会を主催しています。
毎朝オフラインでもくもくしたり、神戸を中心に関西でLTもしています。
盛り上がってる感を出していきたいので、良ければメンバーにだけでもなってください😣
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