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Alibaba CloudでCADT(Cloud Architect Design Tools)を使ってみる #3

2024/08/07に公開

CADTの機能紹介

今回はCADTの目立った機能をいくつか紹介する。

アーキテクチャのバージョン管理

アーキテクチャの変更履歴を図で比較したり、直前のバージョンへロールバックすることができる。

各バージョンにコメントを記録しておいたり、任意のバージョンをもとに新規作成することも可能だ。

テンプレート

あらかじめ公式からテンプレートが提供されている。

次は公式テンプレートの一例。

さらにユーザー作成のApplicationもテンプレートとして他のユーザーへ共有することが可能となっている。

既存のアーキテクチャを複製し、アイデアや変更を即座に試すことができる。

エクスポート

メニューバーのExportから図や資料を出力できる。

特に、ビジネスユーザーには役立つ機能だと思う。

  • アーキテクチャ図(JPG)

  • デプロイのレポート(PDF)

  • 価格リスト(PDF)

  • 見積もりシート(Excel)

CADTの使いどころ

複雑で把握しづらいリソースの状況を図とともにわかりやすく表現できることに関しては優れていると思う。

たとえば、チームでクラウドインフラについて話し合うとき、メンバー間の理解度の差を埋めるための可視化ツールとして有用かもしれない。画面共有で図やリソースの役割を解説しながらアイデアや課題を検討する、といった具合だ。

他、アーキテクチャの設計からコスト見積もりまでをスピーディかつ何度も繰り返せる点も良い。
個人的にはビジネス向けのレポート出力機能も推したい。

まとめと雑感

学習コストを省いてクラウドの導入をすばやく容易にするというコンセプトは大変素晴らしい。
他社にはないAlibaba Cloud発の非常に面白いプロダクトだといえる。

今回は日本語での情報があまり見当たらなかったCADT(Cloud Architect Design Tools)にスポットを当てた。

Alibaba Cloudに触れるのはこれが初めてなので、ローカライズが不十分な点や慣れない管理コンソールの挙動に戸惑うことが多かった。

また、他社プラットフォームと比較してユーザーへの情報や事前の説明が不足しているように感じたが、こう思ってしまうのは自分が日本育ちだからかもしれない。仮に、多くの日本人を「自己解決志向」をするならば、中国の人たちは、わからないことはすぐ問い合わせる「即行動志向」の文化的背景が強い気がする。あくまで想像の話だが、Alibaba Cloudはユーザー向けコンテンツの拡充よりも ”充実したサポート体制の構築” を重視しているとして合点がいく。

特に印象深かったのは次の文言だ。管理コンソールのチャットボタンにカーソルを合わせると表示される。

提案を大切にし、フィードバックを歓迎
Alibaba Cloud は完璧ではありません。あなたの提案を歓迎し、大切にします。

なんてことない惹句のように思うかもしれないが、言葉遣いも含めて素敵だなと思った。
親身になって対応してくれそうかも、と安心感を抱く。とても好印象だ。

ひとまず、公式サイトで案内のあったDiscordサーバーには参加してみたりした(英語メインのため見る専)。
日本国内でも交流会やイベントなどが開催されているようで、ユーザーコミュニティも存在するようだ。

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