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BoxのMCPサーバーをCursorで動かしてみた【2025年4月版】

に公開

はじめに

最近話題のMCP(Model Context Protocol)を使って、Boxのファイルを自然言語で操作できるというBoxのMCPサーバーが公開されています。今回はこれをCursorで実際に動かしてみたので、その結果をレポートします。

環境情報

  • OS: MacOS Sequaia 15.4
  • マシン: MacBook Air M4
  • 検証日: 2025年4月5日
  • Boxアカウント: 個人アカウント無料版
  • Cursor: 0.48.7

BoxのMCPサーバーって何?

MCPとは、LLMに対してプロンプト経由で各種APIやSDKを自然言語で操作できるようにするプロトコルです。Box MCPサーバーは、このMCPを使ってBoxのSDKを操作できるようにしたものです。

例えば、以下のような指示が可能になります:

  • 「Aフォルダにあるプロフィール.txtを参考に自己紹介を作成してBoxにアップロードして」(記事後半でデモします。)

このようにプロンプトだけで操作できるので、SDKを使ったスクリプトを書くよりも、はるかに早く柔軟に目的を達成することができます。

使ったリポジトリ

今回は以下のリポジトリを使用しました:

結論

特定のユースケースについて動作はし、エラーなく処理が完了することを確認しました
アカウント種別が個人アカウント無料版であることもあり、エンタープライズプラス版でのみ使えるBoxAI関数などは試せていません。

環境構築手順

基本的にGitHubのREADMEに従えば問題なく環境構築できました。
mcp_server_box.pyを実行し以下のような画面がでれば設定完了です。

ただし、いくつかつまづいたポイントがあったので共有します。

つまづきポイント

1. ディレクトリのフォルダパスを自身のパスに修正する

uvのディレクトリパスとMCPのconfig.jsonのパスを自分の環境に合わせて変更する必要があります。

例:

/Users/anovotny/Desktop/mcp-server-box

↓ 変更

/Users/yaiki2514/Desktop/MCP/mcp-server-box

2. 開発者コンソールでコールバックURLの設定

認証方法はOAuth2.0を使用します。Box開発者コンソールでコールバックURLを以下のように設定しました:

http://localhost:8080/callback

3. アプリケーションスコープは全部チェック

※過剰権限になっている可能性もありますので自己責任でお願いします。

Cursorの設定

Cursorでは以下の手順でMCPを追加できます。
ツールバー → Cursor → 基本設定 → Cursor Settings → MCP → Add new global MCP server

設定が完了すると以下の画像のようになります。
Enableとなっておりグリーンランプが点灯していることを確認してください。

CursorMCP設定画面

⚠️ 注意点: 何か設定が間違っていると「client closed」エラーが発生します。

デモ

従来のようにSDKを使って命令的にスクリプトを書くのと何が違うのか直感的に感じていただけることを目的としています。
デモユースケースは、「プロフィールを参考に職務経歴書を作成する」です。

  1. 以下のようなプロフィールを用意します。(Gemini 2.5 proで作成)
    プロフィール例

  2. BoxMCPサーバーが起動していることを確認して以下のようなプロンプトを投げます

box mcp serverを使ってプロフィールをA4一枚の職務経歴書に編集したものをアップロードして

すると画像のように動作します。
called MCP tool 関数名のようにMCP関数が呼ばれていることがわかります。
処理の様子

  1. Box上にファイルが作成されています

感想

すべての関数を個別に試したわけではなく、またアカウントも個人無料アカウントであるため十分な検証ができていませんが、それでも、特定のユースケースについては問題なく処理を完了させることができました。

LLMへのプロンプト経由で自然言語でBoxのSDKを操作できるという点は従来のプログラミングにはなかった柔軟でスピード感があり、個人的にはまさに求めていた体験です。このLLM+MCPでソフトウェア間がシームレスに繋がることになったことで、今後新たなソリューションがたくさん出てくるかと思います。

近年目まぐるしく状況が変わるAI周りですが、自分もできる限り当事者であり続けられるよう手も頭も動かし続けたいです。

参考リンク


この記事は2025年4月5日時点の情報に基づいています。将来的に仕様変更や機能追加がある可能性がありますのでご注意ください。

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