WSL2: 開発環境構築&ツール開発ガイド
Windowsの大型アップデートの20H1でWSL2がとうとう利用できるようになりました。その後、19H1や19H2にもバックポートされることになりました。 今まで、長らくウェブサービスの開発やプログラミングの勉強では「macが良い」と言われることも数多くありました。Windowsでは環境構築が多少面倒だったり、Windowsを対象としてみていないツールもあったりして、多少ビハインドもありましたが、Microsoftは近年さまざまな改良をやVisual Studio Code、Windows Terminalなどの新しいツールなどを継続的にリリースし、Windowsでの開発体験はかなり良くなってきました。その最後のトドメがWSL2です。 ちょうどIntelのCPUが元気がなかったりmacのキーボードが不評だったり、その一方で絶好調のAMDのRyzen機が次々とリリースされていることもあり、僕の周りでもWindows機を導入する人が増えていますが、開発環境として見ると、WSL2ではいろいろ気をつけないといけない点もあります。 本書では、WSL2利用の落とし穴を紹介するとともに、今後の開発支援のLinux/WindowsアプリケーションがWSL2環境で正しく動作するために実装すべき各種殺伐ロジックを紹介します。もはや「パスの結合は文字列演算ではなくきちんとライブラリを使いましょう」だけでは行儀の良いマルチプラットフォームアプリケーションとは言えない暗黒の時代がやってきてしまったのです。 WSL2でどうやって環境を作るかで手戻りして時間を溶かすのがもったいない、という方や、WSL2の能力を200%引き出すような開発支援ツールを実装したいと思っている方をターゲットとしています。