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2040年のAIと竹宮ゆゆこ作品

2022/12/07に公開

PySpaアドベントカレンダーの12/7のエントリーです。昨日はchezouさんでした。

最近はどこもかしこもAIです。今年になって、呪文を元に絵を書き出したり、チューリングテストは余裕で突破できそうな流暢さでチャットしたり、お金もかかってるし進歩も急速ですね。とはいえ、大量のデータを食べて、パターンマッチでそれっぽいものを出す、パターンマッチお化けだなぁ、と思っています。

AIで何を行うか、どう行うか、でいうと、僕が実現されたらいいな、と思うのは人間の意識や思考を完全にモデル化することです。会話をするにも、人間の思考をアシストするにも、人間の中の動きをエミュレートして、その一歩先を照らすアドバイスとかしてくれたらなぁ、と。パターンマッチでそれっぽい回答を作り出すというのではなく。

という記事を12年前に書いていました。

http://blog.shibu.jp/article/34792516.html

その後の進捗?ですが、当時ミルトン・エリクソンについて一緒に勉強会をしていた人たちからおすすめされたのが「とらドラ!」でした。当時は「とらドラ!は数学」という評価が一般にされることもありました。人間の治療を会話のみで行う、しかも原理については残っておらずブラックボックスモデルとして研究結果が残るエリクソンについて勉強会をしている人たちをして「人間の心の動き(キレた時とか心境変化後の言動の変化とか)がリアルだ」と言わしめる作品です。当時は「おそらく、筆者の周りの友人、知人の中にモデルになるような人がいてその人たちを徹底的に観察してキャラクターを作り上げ、それをパズルのように組み上げて作品を作ったのではないか?」という話をしていたのを覚えています。DVDボックスもBDボックスも買いました。当然ですよね?

最近は竹宮ゆゆこ作品をひたすら買っては読んでいます。ゴールデンタイム以降は追いかけてなかったのですが、PySpaメンバーのshiumachiから「応えろ生きてる星」をおすすめされて(買ったのは4年前でKindle積読でしたが)、最近週1ぐらいで出勤するようになったのをきっかけに読んでみたら、やっぱり良いなと思って追いかけ始めました。ここ1ヶ月ぐらいで読んだのは以下の本です。

竹宮ゆゆこ作品に出てくるヒロインって、生まれや境遇が特殊すぎるがその中で必死に生きているような感じの一癖も二癖もあるような感じが多いのですが、やはりパターンマッチなAIとは違うオーラが出ていて魅力があります。ヒロイン以外のキャラクタを見ても、都合の良い結果を導くための単なる舞台装置ではなく、きちんと意思を持ったキャラクターとして描かれている気がします。アニメになったり、話題となったとらドラ!以降の作品でも魅力的なキャラクターが登場するところを見ると、周りの知人がバラエティに富んでいて、さらにそれを徹底的に観察するスキルの組み合わせで作り上げているのか、それともミルトン・エリクソンばりに人間というブラックボックスを完璧に解読して任意の人格を自由に作り出せる幽波紋に目覚めた人なのか、そういう悪魔の実を食べたのか、その真実は分かりませんが、2040年のAIは今のパターンマッチの世界の先ではなくて、とらドラ!の先にあって欲しいな、という気持ちは今も変わりません。

Transformersは、少ないインプットで期待される結果を出すということで、だいぶ理想に近くなった世界を感じます。学習効率や学習データの準備効率など、活用していきたいな、という気持ちはかなりありますが、僕が10年前に夢見ていた世界なのかな、というのは気になっています。

というわけで、僕が竹宮ゆゆこ作品を読むのは2040年の未来のAIを夢見てのことなのです。IT関連の業務に関係ない書籍ではないのです。経費申請するのは当然のことなのです、板橋区の税務署様。今年も確定申告しますので、どうぞお手柔らかにお願いします。

明日はkumagiさんです。

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