0916 道具選びも創作の一部。
道具を磨き、作品を削ぐ ― 表現を洗練させる二つの視点
創作には「届ける工夫」と「削ぎ落とす勇気」という二つの軸があります。まず、どんなに中身が良くても、道具を使いこなせなければ届きません。
読みやすい行間、クリアな音質、洗練されたUI。表現を支える環境やツールは、想いを遠くまで運ぶための半分の力です。道具と仲良くなることで、自分らしい表現が自由になります。
一方で、すべてを出す必要もありません。「これは違う」と感じた作品を捨てることも、前進の一部です。もったいなさに囚われると質が下がり、停滞します。
勇気を出して手放すことで、より納得できる表現へ進める。削ることは敗北ではなく、未来への投資です。
つまり、創作とは「道具を磨く工夫」と「捨てる判断」の両輪で進む営みです。磨き、整え、選び抜く。その積み重ねが、作品の質と自分の表現力を一段高めていきます。
①道具を使いこなすのも、立派な創作です【本質は、伝え方の工夫】
今日は、「道具を使いこなすのも、創作のうちだよね」という話をします。「中身がすべて」だと思ってた。昔の僕は、「作品の中身さえよければOK」と思ってました。
・文章で勝負したいなら、見た目は気にしない
・音声コンテンツなら、内容が大事で機材は二の次
・ゲームなら、アイデア重視で見た目は後回し
でも、あるとき気づいたんです。「伝わらないものには、意味がない」って。どんなに中身が良くても、伝える手段が整っていなければ、誰にも届かない。
逆にいうと、「伝え方=道具」を磨くことは、めちゃくちゃ重要なんですよね。道具を使うのは、表現の半分。たとえば、ブログを書いたときの話。記事の質は悪くないのに、なんか読まれない。離脱率も高い。原因は、「読みづらさ」でした。
・行間が詰まりすぎてる
・装飾がなく、見出しも貧弱
・リンクも目立たず、CTAもない
内容以前の問題だったんです。つまり、「届ける力」が足りなかった。そして、それを補うのが、道具の使い方だった。道具にこだわるのは、逃げじゃないたまにこう言う人がいます。
「表現に集中したいから、道具は適当でいい」でも、それは逆です。本当に伝えたいなら、道具と仲良くなる必要がある。
デザイナーがペンを選ぶように。YouTuberがマイクや編集ソフトを吟味するように。シェフが包丁を手に馴染ませるように。表現者は、道具との関係性が作品の質を決める。
「センスがない」ではなく、「慣れてない」だけ創作において「自分にはセンスがない」と思いがちですが、実はそれ、「道具に慣れていない」だけかもしれません。
・動画編集が苦手 → ツールの使い方を知らない
・絵が描けない → ペンタブの設定が合ってない
・音声配信がうまくいかない → ノイズ処理をしてない
道具が自分の感覚に合っていないと、表現も伸びない。だから、「自分に合う道具」を見つけて、使い倒すことが大切なんです。
僕が変わったのは「環境を整えたとき」僕が本気で「道具も創作だな」と思ったのは、環境を変えたとき。
・ブログのテーマを変えたら、読まれ方が変わった
・音声配信でマイクを変えたら、聴取率が伸びた
・スタンディングデスクを導入したら、集中力が2倍になった
どれも「中身は変えてない」のに、外側=道具を整えたことで、成果が伸びた。この体験が、「道具を使いこなす力」の大切さを教えてくれました。
創作とは、「想い × 道具」のかけ算たとえば、伝えたい想いが100点でも、それを表現する道具が20点なら、伝わるのは20点分。でも、道具の使い方が80点になれば、80点分の熱量が届くようになる。
想い × 道具 = 作品の届き方
この視点を持つだけで、創作の質がガラッと変わります。道具を使いこなす時代に入った今は、AIをはじめとした「表現の道具」が爆増しています。
・ChatGPTで文章の下書き
・Canvaでデザイン補助
・Notionで思考整理
・Sunoで音楽制作
・UEFNでゲーム開発
・stand.fmで配信
こうした道具は、「選ぶ力」よりも「使い倒す力」が重要。道具を避けるのではなく、使いこなせる人が強い時代です。
行動のススメ:「道具を磨く日」をつくる
おすすめなのは、あえて道具を磨く日を作ること。
・1時間だけ、エディタのショートカット練習
・新しいマイクの比較録音
・Notionのテンプレートを整理
・デザインソフトのレイアウト研究
これも立派な創作活動です。
アウトプットはなくても、次の作品の質を爆上げしてくれます。道具と仲良くなるほど、表現は自由になる。創作がうまくいかないとき、「アイデアが足りない」と思うかもしれません。
でも、本当は「道具との距離」が遠いだけかもしれない。道具が体に馴染んだとき、表現はもっと自由になります。自分らしさも、もっと自然に出せます。だから、道具を磨くことを、ためらわなくていい。道具を使いこなすのは、創作の実力です。
・中身だけじゃなく、届け方も作品の一部。
・「センスがない」は、道具とまだ仲良くなれていないだけ
・道具を磨く時間は、表現の幅を広げる時間
・表現者ほど、道具を愛し、活かすことで、差がつく
あなたの伝えたい想いを、もっと遠くまで届けるために。今日から道具と仲良くなるところから、始めてみましょう。作ったものを「捨てる勇気」も必要です
②【未完成でも、前に進む】
テーマは、「作ったものを捨てる勇気」です。「もったいない」と思ってるうちは、前に進めないせっかく作ったのに。時間をかけたのに。集中して書いたのに。
そう思う気持ち、めちゃくちゃ分かります。僕も何度もそう思ってきました。でもね、「これは納得できない」って思いながら出すほうが、もっともったいないです。
一番ダメージが大きいのは、「本当は違うと分かっているのに、出してしまうこと」なんです。「出したくない感覚」は、信じていい僕は、過去に何百本とブログを書いてきました。その中には、書きかけて途中でやめた記事もたくさんあります。
理由はシンプルです。途中で「これ、違うな」と思ったから。それって、自分の感覚がブレてるんじゃなくて、むしろ、「自分の軸がハッキリしてきた証拠」なんですよね。その感覚を無視して出すと、薄いリアクションしか返ってこない。
「手応えがない」って、自分でも分かるんですよ。捨てるのが怖いのは、当たり前ここで誤解しないでほしいのは、「捨てる=失敗」じゃないってこと。むしろ、捨てるってめちゃくちゃ勇気がいります。
でも、勇気を出して捨てた人だけが、「次の一歩」を踏み出せる。逆に、捨てることを怖がってると、完成しないまま抱え込む作品ばかり増えていくんですよね。
結果、「作品は作ってるけど、出せてない」状態が続いて、自信をなくしてしまう。僕が捨てたものたち。たとえば、過去に2時間かけて書いた記事を、公開寸前に「全部やめた」ことがあります。
WordPressの投稿画面で、手が止まりました。
「これ、誰の役に立つんだろう?」
「自分も読んでて気持ちが乗らないな…」
結局、全消ししました。代わりに、その日の午後に、「本当に届けたいことだけ」に絞って書いた記事は、読者の反応も大きくて、シェアもされました。つまり、捨てたことで、次が生まれたんです。
捨てることは、「削ぎ落とすこと」僕はよく「木彫りの彫刻」に例えます。最初は大きな木の塊。そこから余計な部分を削って、形が見えてくる。創作も同じです。「これは違うな」と思ったら、それは削ぎ落とすサイン。捨てることで、本当に大切な部分が浮き彫りになってきます。「全部出そう」とすると、身動きが取れなくなる。
これ、よくある罠なんですが、「せっかく作ったから全部出したい」と思うと、どんどん表現の質が下がっていきます。なぜなら、「出す基準」が自分の納得感ではなく、「もったいない精神」になってしまうから。
それって、過去の努力に引っ張られてるだけなんですよね。でも、創作って今の自分が納得できるかどうかが重要です。「出せない」は停滞、「捨てる」は前進「これは出せないな」と思って、放置したままにするのは、停滞です。
でも、「よし、捨てよう」と決めたら、すぐに次のステップに進めます。この差は、大きい。出せないまま抱え込む人は、いつまでも作品とにらめっこして、気持ちも落ちていきます。
でも、捨てた人は、次のネタ、次の表現、次のテーマに出会えます。行動のススメ:「捨てる基準」を持とう。おすすめなのは、捨てる基準をあらかじめ持っておくことです。僕の場合は、こんな感じです。
- 3回読み返しても気持ちが乗らない
- 途中で違和感をメモしてしまった
- 「とりあえず出すか」と思っている
- 自分で「いいな」と思えない
この4つのうち、2つ以上あてはまったら、潔く「捨てる」ようにしています。そして、「なぜ違和感があるか」を軽くメモだけして、次にいきます。
最後に、捨てる勇気が、創作の流れをつくる。僕は今、どんどん作って、どんどん捨ててます。それが、結果的に「出せる作品」を増やしてくれてます。「これは出せない」じゃなくて、「これは出すものじゃなかった」そう思えると、気持ちも前向きになります。
捨てるって、潔さじゃなくて、次に進むための判断力です。捨てた分だけ、作品は洗練される。捨てることは、軌道修正であり、未来への投資。出せないなら、引き出しにしまうか、削ぎ落とす。「納得感」がない作品は、無理に出さなくていい。勇気を出して捨てた人だけが、次に進める。
出すことだけが創作じゃない。
「選ぶこと」も創作の一部。
「作ったものを捨てる勇気も必要です」
作ったものを全部出す必要はありません。
あなたが「本当に届けたいもの」に集中することで、作品の価値はどんどん高まっていきます。捨てる勇気。それも、あなたの創造力の一部です。
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