🌀

PdM入社後"最初の90日"を振り返る

2024/12/15に公開

せっかくアドカレの時期ですしなんか書こうと思い作成。

プロダクトマネージャー(PdM)として8月に転職して3ヵ月強が経ちました。
「最初の90日間」が大事といいますし[1]、記憶のあるうちにやったこと・できなかったこととかを書いてみようと思います。

「〇〇1人目」はたいていキツい

まず前提として入社した会社(以下、自社)ではリリース4年ほど経つSaaSプロダクトを提供しています。今までいわゆるPdM業務は事業責任者[2]がメインで、一部はマーケティング責任者[3]が見ており、私が専任PdM1号です。また開発業務はプロダクト初期開発当初から外部に委託しており、私は内部エンジニア1号も兼ねて入社しました。

これは何を意味するでしょう。

そう、「なにもない」「あるけどメチャクチャ」 しか存在しないのです[4]
事業は伸び盛りで数年後には今の何倍かの人員になってるかもしれない。いま整備してかないと1年後にはもっと手がつけられなくなる。やるっきゃネェ。

そのあたり含めPdMといいつつ開発リーダー役、エンジニアリングマネージャー、セキュリティ責任者、障害対応陣頭指揮、営業側要望の実装方針検討役、カスタマーサクセスエンジニア(という名のマクロぺちぺちマン)などなど開幕即フルスロットルな感じの3ヵ月でした。コンナハズデハ・・・

やったこと・やってること(開発寄りっぽいこと)

とりあえずエンジニアがいたら瞬殺なのにという部分からやれてないことが山程あったので順次斬り倒しています。
やったことない領域も強制的に対応しているので本当にo1に命を救われています。

GitHub Copilotの導入(11月頭)

  • ひとり19ドル/月。しょーもないミスで2時間溶かすのを散々経験した身からすれば入れない理由がない
  • 入ってなかったのは旗振る役がいなかったのと、開発委託先的には「入れたからには◯%生産性効率化してくださいますね?(メガネクイッ)」されるのではと警戒されてたっぽい
  • 最終的に私から「月に1個Typoが見つかれば十分ペイするんで」と言って、事業責任者も「開発チームが楽しく開発できるように入れるんで」と敵じゃないよアピールを丁寧にやって導入しました
    • 開発現場が要求して管理層が拒否する構図はよく見覚えありますが、逆パターンは初めてだったのでおもしろかったです

QA組織の構築(12月〜)

  • 定期リリース前に自社側の受け入れテスト的なものを行う建付けとなっているのですが、正直まったく回ってなかった
  • 開発側も手一杯なのでLaravelバージョンアップとかあるときもいわゆる漢気リリース
  • 流石にいつか大事故になる確信があるので外注のテストエンジニア(QA)を新規に入れてこれから体制構築
  • まずは前職でも導入したリリース前のフローテストをやっていく
  • そのうちBDDなるものをやってみたい

ISMS認証取得にむけたあれこれ

  • 自社が7月に親会社から分社独立した関係で現時点で認証が存在しない
  • 次の7月(第2期開始)までに認証取得するよう社長指令、と入社1週間後ぐらいに言われる
  • あのぼくセキュリティ詳しくないんですけど
    • 大昔にSC試験受かったのを履歴書に書いていたせいで高度セキュリティ人材と期待されてしまう><
  • 認証取得の流れを調べたりISMSコンサルや審査期間の選定・折衝・契約手続きまで一通りやる

各種外部イベント参加

  • 前職まではほぼ行ったことなかったが、勉強兼関係性構築のため行くことにした
  • 月2回ぐらい、オンライン・オフライン半々ぐらい
  • 大きいやつ
    • 9月 DevRelJP
    • 11月 FlutterKaigi
    • 12月 PHP Conference(これから)
  • 小さいやつ
    • 大手ITベンチャーがやってるPdM勉強会(ラクスやKubell(旧チャットワーク)やLayerXやfindyなどなど)をちょこちょこ

あとなんか色々

AppStoreConnectの管理者権限をもらったりAWSの管理者権限をもらったり。
入社1ヶ月半ぐらいのときにちょっと大きい障害が出てしまったのですが、ほとんど触ったことないAWSのメトリクスを手探りで追いながらSlackで諸方面とやり取りするのは激アツでした。

要件定義・設計業務もやってます。
ほぼ新規で作る公開APIの整備なども。

やったこと・やってること(開発寄り以外のこと)

展示会参加

  • 入社2ヶ月後、全員参加で大阪の展示会へ
  • 3日間立ちっぱなし&しゃべりっぱなしの肉体仕事
  • 空き時間に偵察行ったり協業候補さがしたり

営業要望の整理

よくあるやつです。バックログに800件ぐらい未対応が溜まってます。
バックログに載ってない要望もたくさんありそうですが、いわゆるVoCをどう管理するか(営業メンバーの業務に組み込める楽な仕組みがないか)考え中です。

あとは根強く海外対応求められるのですが、外国語対応(多言語対応)ならいいけど「世界中どこでも使えるようにして」は無理っすとお答えしたり。
(開発より販路構築と法務対応のほうが絶対きつい)

Android?外注1名追加するコストに合うならやります

マクロぺちぺち&Pythonぺちぺち

カスタマーサクセスチームが請け負っている顧客立ち上げ支援で、CSVインポート様式に合うようにもらったエクセルデータを加工するおしごと。
ふつうにスクリプト書けば30分で終わることに数時間かけたりしてそうだったので、引き取って社内に恩を売るなどしています。
(お礼はo1やPandasに言ったほうがいい)

ちな最近学んだ技ですが、サクラエディタで
Ctrl + A(全選択)
Alt + A(ソート)
Alt + M(上と同じのを削除)
ってやると簡単にUniqできます。
(いままでExcelにRelaxTools入れたりしていた)

できてないなぁということ

目についた課題に片っ端から噛みついていく野良犬スタイルで生きてきたので、仕組み化のスキルが全然足りていません。
(最終面接でも「開発現場の自転車操業に自信があります」って言った)

特にどの会社でも悩んでると思いますが、タスク管理と要望の優先順位付け。
今のところ私の職人芸で回していますが、定期的に事業責任者からやんわり釘を刺されているような気がします。

また、プロダクトマネージャーの本来のコア職務があまりやれてないです。
顧客訪問してディスカバリーしたり(12月にようやく1日顧客訪問デーが作れた)、MVVを踏まえたロードマップ整備したりそれに基づいて意思決定したり、、、

現状はまだまだプロダクト全体の方針決定は事業責任者やマーケティング責任者(いわゆるPMMみたいな役割)などが中核なので、うまいことを信頼を勝ち得て仕事を奪っていきたいところです。

あえてやってないこと

「プロダクトコードを書く」だけは意図してやっていません。
これは前職の反省で、前職では約3年のうちに開発メンバー→開発リーダー→PdMと役割が変わっていく中で開発業務を手放さないままPdMの役割を担ってしまっていました。当時は「これが一番早い」と思っていましたが、最近はもっとプロダクトを育てる役割に専念するべきだったと考えが変わってきてます。
現職でもBIツール使うときにテーブルの実装見たり面白いエラー踏んだらコード追ったりはしているのですが、書く方は完全にノータッチとしています。
(やる余力があるわけでもない)

3ヶ月の所感

常に「あの人が居たらなー」

前職は優秀な人材がたくさんいたなーと日々思います。
(現職はレベル低いとかじゃなく、ただ居ない)

セキュリティ担当のあの人、アーキに強いあの人、フロントエンドの最適化できそうなあの人、パートナーシップ取り付けて共催セミナーやるのが得意なあの人、なんかとんでもない運動量で事業の弱いとこ埋めてくれるあの人、、

前職でお世話になったBoss🦀も退職後に似たようなことを言っていて、今なら気持ちがよくわかります。

辛かったところ

事務!契約!法務!
新しいことやるのは全然ウェルカムですが、契約書巻いたり入金依頼出したりはマジで適性ないので誰か代わって・・
ISMSの書類作成も・・・・

あと開発メンバーがいないから、なれない営業ノリの飲み会とか。。

不満点と満足点

事業責任者などリーダー層が(僕以上に)忙しすぎて、正直あまりコミュニケーションが取れていません。
まだ私に対する期待値がどこにあるのか把握できてないし、ビジョンや想いをメンバーに伝える場をもっと設けてほしい気持ちはあります。

一方でわりかし放し飼いで好き勝手やらせてくれているのは大変ありがたいです。
また先にちょっと書いた顧客訪問は、事業責任者が「行けばいいじゃん!」と背中を押してくれたお陰でやれて、良い勉強になりました。
(仕事は減りませんでしたが)

今後の展望

一旦は何もかもがないので、技術系の仕事はすべて私が仮担当としてやっています。
そのあたりをいずれ押し付けられる引き継げる適切な人材が入ってくれることをとても期待しています。
→ 高度セキュリティ人材とテックリードと品質責任者と・・

で、私の手があいたらまた別の穴を埋めに行きたいところです。
鶏が先かという感じですが例えばエンジニア採用の強化なんかをやっていきたいですね。
(おもしろグッズ作ってイベントスポンサーやりたい)

あとはUI/UXとかアクセシビリティとかはノータッチなので、そのへんもやっていきたいです。
UDフォントに変えたりしたいけど現状游ゴシックなのはパフォーマンス的にはアリな気もするんだよなーということでA/Bテストとかもやっていきたいです。

まとめ

せっかくなので気が向いたら定期的に振り返りしたいなーと思いますがやらないような気もします。
とりあえず最初の90日間はそれなりに上手く言ったかなと思います。え、これからが本番・・・?

ちなみにこの記事はo1にインタビュー形式で回答してまとめさせる算段でしたが、全く文体が私の好みにならなかったので結局全部手書きしました。

脚注
  1. プロダクトマネジメントの教科書 3章 ↩︎

  2. 非常に多忙 ↩︎

  3. 非常に多忙 ↩︎

  4. そういう退屈しない環境を求めていたので想定内だし辛かったとかではない ↩︎

Discussion