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NURO光が遅いと聞いたので確かめてみた

2022/05/25に公開

はじめに

巷では「NURO光が夜間帯遅くて話にならない」とか聞くようになりました。

加入者が増えて地域によっては回線をひっ迫しているのでしょうか。

私もリモートオフィス(実家)には2020年の夏にNURO光が導入済みで、日中は仕事で利用していますが普通にNetflixやYouTubeも快適に利用できています(おい)。

導入当時から上り・下り共に1Gbps近い速度が出ているのですが、夜間や休日の速度測定はしたこと無かったので確認してみました。

回線について

設置場所は川崎市となっており、借用ルータは「HG8045Q」です。

NURO光開通までの道のり

ファームウェアは「V3R016C00S130」となっており、管理画面の光学情報は以下の通りです。

img

速度確認方法

終日稼働しているRaspberry Pi 4(Raspbian)と、東日本に設置したAzure仮想マシン(Ubuntu 20.04 LTS)同士でiperf3を使い、cronで定期的に速度を観測することにします。

とりあえず、ローカルラズパイと、リモート仮想マシン両方にiperf3をインストールします。

sudo apt install iperf3

Azure仮想マシン側ではiperf3をサーバモードで「-D」オプションも追加してバックグラウンドで起動しておきます。

iperf3 -s -D

Azure仮想マシンのNSGにはTCP/5201を空けておく必要がありますので、そこはご注意を。

ローカルラズパイからクライアントモードだけど「-R」オプションを付与して下り速度(Azure→ローカルラズパイ)を確認します。

$ iperf3 -c xx.xx.xx.xx -R
Connecting to host xx.xx.xx.xx, port 5201
Reverse mode, remote host xx.xx.xx.xx is sending
[  5] local 192.168.1.80 port 44842 connected to xx.xx.xx.xx port 5201
[ ID] Interval           Transfer     Bitrate
[  5]   0.00-1.00   sec   110 MBytes   919 Mbits/sec
[  5]   1.00-2.00   sec   111 MBytes   928 Mbits/sec
[  5]   2.00-3.00   sec   107 MBytes   899 Mbits/sec
[  5]   3.00-4.00   sec   111 MBytes   930 Mbits/sec
[  5]   4.00-5.00   sec   110 MBytes   924 Mbits/sec
[  5]   5.00-6.00   sec   107 MBytes   901 Mbits/sec
[  5]   6.00-7.00   sec   111 MBytes   934 Mbits/sec
[  5]   7.00-8.00   sec   111 MBytes   931 Mbits/sec
[  5]   8.00-9.00   sec   110 MBytes   924 Mbits/sec
[  5]   9.00-10.00  sec   111 MBytes   928 Mbits/sec
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
[ ID] Interval           Transfer     Bitrate         Retr
[  5]   0.00-10.02  sec  1.08 GBytes   923 Mbits/sec   73             sender
[  5]   0.00-10.00  sec  1.07 GBytes   922 Mbits/sec                  receiver

平日午後で、下りが920Mbps程度ですね。なかなか良い感じ。

以下のスクリプトを用意しました(2022/5/28更新)。

sp-test.sh
#!/bin/sh

set -e
#set -x

IPERF_SERVER=xx.xx.xx.xx
LOGPATH=/home/pi/speedtest/speedtest.log

TIMESTAMP=$(date +'%Y/%m/%d %H:%M:%S')

UPLOAD_WK=$(iperf3 -c ${IPERF_SERVER} --json | jq -r '.end.sum_sent.bits_per_second')
UPLOAD=$(echo "${UPLOAD_WK} / 1024 / 1024" | bc)

DOWNLOAD_WK=$(iperf3 -c ${IPERF_SERVER} -R --json | jq -r '.end.sum_received.bits_per_second')
DOWNLOAD=$(echo "${DOWNLOAD_WK} / 1024 / 1024" | bc)

PING_WK=$(ping -c 10 ${IPERF_SERVER} | tail -1 | cut -d' ' -f 4)
PING_MIN=$(echo ${PING_WK} | cut -d'/' -f 1)
PING_AVG=$(echo ${PING_WK} | cut -d'/' -f 2)
PING_MAX=$(echo ${PING_WK} | cut -d'/' -f 3)

echo ${TIMESTAMP},${UPLOAD},${DOWNLOAD},${PING_MIN},${PING_AVG},${PING_MAX} >> ${LOGPATH}

exit 0

しょぼいスクリプトですが、そこは気にしないでくださいね。

こちらをcronに登録して、30分毎に実行します。

$ crontab -l
0,30 * * * * /home/pi/speedtest/sp-test.sh > /dev/null 2>&1

測定結果(初日)

とりあえず夕方~翌朝まで実行した結果は以下の通りです。

2022/05/24 15:01:58,858,869
2022/05/24 15:30:01,862,693
(省略)
2022/05/25 08:30:01,855,870
2022/05/25 09:00:01,862,868

カラムは「日時」「上り速度(Mbps)」「下り速度(Mbps)」「ping最小(ms)」「ping平均(ms)」「ping最大(ms)」となっています。

可視化及び評価

可視化にはPower BI Desktopを使用しました。

csvファイルをデータソースにして、簡単にグラフが画けますね。折角なので自宅のBフレッツ回線(マンションタイプ、VDSL、IPoE V6プラス)の測定結果も併せて載せてあります。

img

Y軸の左側がNURO光の速度になっています。

「Upload(NURO)」は850Mbps程度が常時出ていますが、「Download(NURO)」では21時~23時は速度が落ちています。

22時時点では90Mbpsまで落ち込んでいますね。この程度であれば動画の視聴やビデオ会議も問題はないレベルではありますが、1/10程度に落ちているのは事実です。

(その後、週末まで6日分収集しましたが90Mbps~580Mbpsまで下がっています)

Uploadの速度は変わらないことから、夜間に日本のインターネット全体が遅いという事ではなく、NURO光の設備がひっ迫しているという事だと考えます。

参考で載せた自宅のBフレッツ回線は、元々1Gbps契約なのにもかかわらず、マンションの配線の都合でVDSL(=100Mbps)に落とされているため、あまり時間帯による速度低下の傾向は見られませんでした。

翌日以降追記(週末の状況まで記載)

測定を開始して週末までの6日分の状況を確認しました。

img

やはり、平日の20時~23時あたりは「Download(NURO)」が落ちていますね。

なんとなくですが、金曜日は週末とあって23時付近が一番遅かったです。

逆に土日は夜間帯で分散されるのかダウンロード速度の低下具合はそれほど悪くなった感じです。

(総じて皆日が変わるころには寝るのですかね~)

2022/5/27の昼ごろから、ping結果(ms)も収集するようにしました。

一般的に15ms以内であれば高速だと言われていますが、22時付近でも4ms~5msと、ここは評価できる数値でした。

Azureでiperf3を実行するときの注意点

今回は48回/日の頻度で、cronを実行しています。

Azureは上り(Azureに入ってくる)トラヒックは無料ですが、下り(Azureから出ていく)トラヒックは課金要素となります。

帯域幅 の価格

iperf3を「-R」オプションを指定して下り速度を測っていますが、1実行あたり1GBytesの転送がされます。

48GBytes/日 × 31日 = 1,488GBytes

最初の100GBytesは無料ですが、その後は ¥15.3991/GBytesが課金されるので、おおよそ21,000円/月、程度かかります。

なので、あまり長期間動かすとお財布に優しくないので、そこは注意してください。

無論、他にAzure仮想マシン代(今回は安価なStandard_b1sで数千円程度)もかかります。

おわりに

短期間の測定でしたが、私の環境でも噂通り夜間は下り(ダウンロード)速度は遅くなることが判りました。

ただし、一般的にいう「インターネットが遅い原因」は多岐に渡っており、Wi-Fiが電波干渉していたり、そもそも端末の性能が悪い場合でも「NURO光おっせえ」という発言になってしまう場合もあるのかと考えます[1]

今回の測定では、全て有線接続でクライアント(ラズパイ)・サーバ(Azure)共にNIC性能としては1Gbpsが確保されている状況での確認なので、測定方法としてそれほど的外れではなかったと考えます。

特に私はNURO光推しという立場ではないのですが(どちらかというとAzure推しです)、気になったので今回確認しました。

とりあえず記事投稿開始から、週末までの状況を追記していきましたが、一旦こちらで本記事は更新終了とします。

以上、参考になれば幸いです。

脚注
  1. 特定のWebサイトだけが遅いのに「インターネット遅い」の一言で片づけてプロバイダに文句を言う人もいそうですよね(情報ソースなし)。 ↩︎

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