Webエンジニア1年目がネットワークスペシャリストに一発合格した体験記
はじめに
2023年4月に受けたネットワークスペシャリストに一発で合格しました。
業務ではインフラを触ることは多くない私でも、約4ヶ月の勉強でネスペに一発合格できたので、その体験記を書いていこうと思います。
私について
2022年からWebアプリケーション開発を行っており、受験当時のエンジニア歴は約1年です。
主に、Ruby on Railsを用いて開発しており、インフラはAWSをほんの一部を触ったことがある程度です。
受験のきっかけ
Webエンジニアとして、ネットワークの知識を網羅的に入れておきたかったのが理由です。
また、半年前に応用情報技術者試験に合格しており、午前Ⅰ免除が使えるうちに高度資格も取得したいと思い、受験を決意しました。
あとは「名前がかっこいいから」です。
Webエンジニアがネスペを取得することで感じたメリット
クラウドサービスのキャッチアップが早くなり、理解が深まった
AWSやGCPなどのクラウドサービスのキャッチアップが段違いで早くなり、理解も深くなりました。
取得前は、AWSに触れたときに「セキュリティグループってなんぞや?とりあえず記事通りに設定しておくか」ぐらいの理解度でした。
しかし、ネスペ取得後は「セキュリティグループは要するにFWなのか。じゃあ最小限のみを許可する設定をしよう」という判断や理解ができるようになりました。
Webエンジニアとしてクラウドサービスに触れる機会が多く、それらの基盤となっている技術をネットワークスペシャリストで学ぶことができたのは大きなメリットでした。
ネットワーク関連のエラーが怖くなくなった
開発をしていて、ssl certificate_verify_failed
のようなエラーが発生しました。
このエラーを見たとき、ネスペ勉強前では目をそむけていたかもしれません。しかし、ネスペの勉強をしていたことで、「SSLで証明書の検証に失敗したのか。クライアント証明書は使ってないから向こうのサーバー証明書かこっちのルート証明書がダメになっているのかな」という推測がパッとできるようになりました。
こういった日常の開発で出会うネットワーク関連のエラーに立ち向かえるようになりました。
辛かったこと
モチベーションの維持
これ明らかに業務で使わないだろう...というような内容が多く、モチベーションが下がることがよくありました。
BGPやIGP、STPなどは勉強していて、いつ役立つんや...という気持ちになっていました。しかし、こういう知識は意外と、遠い未来で役に立つこともあったりすることもあるので、気合で学習しました。
知らないことが多すぎてイメージが湧きづらい
普段の開発業務では、低レイヤのことを意識することはほとんどないので、知らないことばかりで苦戦しました。
一方で、ネットワークは日常的に使っているものなので、どうやってネットワークが繋がっているのかや、家から会社のネットワークにどうやってVPN接続されているかなどを知れたことは楽しかったです。
勉強法
私は資格を取得する際は、決まった勉強法を採用しています。
それは、基礎学習 → 過去問 という勉強法です。
自分にはこの勉強方法が合っているので、今回もそれに沿って勉強を進めました。以下が勉強時期と内容になります。
① 基礎学習(1月~2月)
まずは、マスタリングTCP/IPを読み、全体像を入れました。
非常に分厚く大きいサイズですが、文字も大きいので1週間もかからずに読破できました。
めちゃくちゃわかりやすいので、1冊目に最適です。
次に、復習も兼ねてより細かい知識の習得のために、ネスペ参考書を2冊読みました。
こちらは読みやすく、この内容は最低限入れておきたいところです。
こちらはかなり細かいところまで書いてあります。
上記参考書で理解できなかった、あるいは、記載されていなかった部分の知識の補填として辞書的に使いました。
② 午前Ⅱで合格点が取れるようになるまで過去問を回す(2月~3月)
ある程度インプットが完了したら、過去問道場で午前Ⅱを解いてアウトプットしていきます。
8割くらい取れるようになるまで、繰り返し解いていきます。
それと平行して、自分用ノートを作成し、間違えたポイントの解説を自分の言葉で残していきました。
③ 左門式の参考書で午後Ⅰと午後Ⅱの過去問を解き始める(3月~4月)
午後Ⅰと午後Ⅱは文章の長さが違うだけで、勉強内容は同じなので、分けて対策する必要はないと思っています。
つまり、午後Ⅰ対策は午後Ⅱ対策になり、午後Ⅱ対策は午後Ⅰ対策になるということです。
私はいきなり過去問にチャレンジしました。しかし、ここで挫折をしました。「なにもわからん...」
そして、参考書の解説を読んでも、「いまいちわからない..」という状態でした。
午後問題では、知っているだけではダメで、使えるレベルである必要があるということに気づきました。
つまり、午前対策と午後対策は全くの別物ということです。
そこで、午後対策の入り口として以下の参考書に取り組みました。
この「ネスペの基礎力」が私を救いました。
この書籍では、ネットワーク構成図に自分でIPアドレスを割り振るなどのアウトプットが用意されています。こちらが自身の実力を大幅に向上させました。
わかっているつもりでわかっていなかった技術を自分の言葉で説明することで、より自分のものにすることができました。
「ネスペの基礎力」を2週ほどしてから、左門式を4年分購入し、過去問を解いていきました。左門式の参考書では、参考配点や合格者の解答・点数などが見れるので、自己採点がおおよそできます。
すると、6割程度は安定して取れるようになってきました。
取り組んだ参考書は以下。
試験当日
いよいよ試験当日です。
前日はぐっすり眠れました。
午前Ⅱ
午前Ⅱは平均9割は取れていたので、6割を切ることはないだろうと思っていました。
ここは、きちんと過去問を勉強している人は落ちないと思います。
結果的には、難なく終了しました。
午後Ⅰ
本番はここからです。
午後Ⅰは短い時間で3問の中から2問解く必要があるので、かなり集中力が必要です。
いざ、試験が始まり、私はその途端に絶望しました。
「3問とも苦手分野...!」
問1はHTTP2、問2はマルチキャスト、問3は無線LANでした。
過去問も少なく、参考書ではメインで扱われない内容3選でした。
多くの受験生が絶望したのではないでしょうか。
私は頭が真っ白になりましたが、これまでの知識を組み合わせ、なんとかすべて埋めきりました。
意外と、記述部分は基礎をしっかりと押さえていれば解ける問題でもありました。
午後Ⅰ終了後、あまりの絶望に帰ろうか迷いました。
終了直後に東京ではスコールが降り、Twitterでは「ネスペ受験生の涙」などとツイートされていました。
午後Ⅱ
午後Ⅰの絶望がありつつも、せっかくだし受けて帰ろうと思い、ちゃんと受験しました。
午後Ⅱは過去問と大きな変化はなく、基礎を押さえていれば取れる問題だったので、手応えはありました。
合格発表
合格しました。めちゃくちゃ嬉しかったです。
そして、以下が得点です。
午後Ⅰが想定より高かったのと、午後Ⅱが想定より低かったことに驚きました。
Twitterでも午後Ⅰは受かっているものの、午後Ⅱで落ちている方が多かったです。
ここは結構得点調整があったのかな〜と推測しています。
個人の感覚ですが、午後Ⅰは若干採点が甘く、午後Ⅱが厳しいイメージがありました。
感想
きちんと勉強した人は受かっている印象でした。
表面的な知識だけ詰めるのではなく、「なぜ」の部分をしっかり理解することが重要だと思いました。
得点するべき箇所をきちんと取れていれば、受かるような資格だと思います。
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