「AppSheet って難しいんでしょ?」という人が勘違いしていること
はじめに
こんにちは。吉積情報(株)アプリケーション開発部のイイズナです。
「ノーコードツール」、「アプリ開発」。
AppSheet についての情報を見る時によく見かける言葉。
といいますか、私たち AppSheet エンジニアが AppSheet のことを一言で紹介するときによく使う言葉なんですよね。
普段プログラミングをしない方からしたら、「難しそう」「そんな高度なものは必要ないし」なんて思いそうなものですが。
今回はそんな方が 「なるほど、ちょっと AppSheet 使ってみようかな!」 と思ってくださるような内容をお話します。
AppSheet を使っていくうえでの学習のコツやモチベーション系のお話も入ってきます。
言われてみればそりゃそうだの世界なのですが、今あなたがお使いのPCなどのデバイスも最初に触った時に設定から何から完璧に理解して使いこなしていたわけではありませんよね。
徐々に慣れていく期間があったと思います。
プログラミングなどではそういった部分で苦労しやすいですが、自分にできそうなこと・やりたいことから始めやすい点でも AppSheet ははじめの一歩が踏み出しやすいので、おすすめです!
AppSheet とその他の手段の比較
プログラミング言語
何でもそうですが、「使える」と「使いこなせる」というのは似て非なるものです。
AppSheet の場合はデータソース(元データとするスプレッドシートなど)さえあって、ある程度整表ができていれば AIのデータ判定などにより自動で最初からそれなりにアプリの形にできるのです。
あとは細かいカスタマイズやデータ連携を複雑化させたりするうちに、徐々に使い慣れてゆきます。
一方、プログラミング言語で構築するアプリケーションなどはコードをコピペして使うにしても、自分で設定などを細かく理解していなければならない部分が多く、アプリの形にするまでに学ぶ労力が必要です。
そこで挫折してしまう方も多いので、ExcelVBA や Python、Java などといったプログラミング言語よりも「簡単な知識だけでもとっかかりでアプリを作ることができ徐々にできることが広がっていく」AppSheet を IT系職種未経験の方にもおすすめしたいというわけです。
Kintone
よく比較されるサービスとしては Kintone が挙げられるので、少し触れておきます。
AppSheet と Kintone との違いは、いずれも豊富な API連携や「ノーコードでアプリがつくれる」部分には共通しますが、AppSheet は グループウェアである GoogleWorkspace や Google のその他のクラウドサービスとのコラボレーションが容易にできることが魅力的です。
Kintone でもコネクタを利用すれば Google Workspace との接続は可能ですが、AppSheet は基本的に Google Workspace の全てのアカウントプランで AppSheet Core(ベーシックなプラン)が利用できます。
そのため Google Workspace 利用者は手続きや追加費用を支払うことなく手軽に AppSheet を始めることが可能です。
※ Google Workspace の利用プランの内容により、AppSheet プランのグレートアップには追加費用が必要になる場合があります。
また、AppSheet がデータのリレーション管理(データの整合性などのデータベースにおいて重要な要素)が得意なのに対し、Kintone は画面 UI の構築が見たまま組み立てられてわかりやすい、という特徴があります。
どのようなシステムでも一長一短であるように、自社の状況に合ったツールを選択することがベストですので、その辺はメリット・デメリットを踏まえてご検討ください。
Excel VBA
Google のサービスである GAS(Google Apps Script)とよく比較される Microsoft 社の ExcelVBA との違いですが、ExcelVBA はデータ加工要素が強く、AppSheet はデータベース操作要素が強い、という印象でしょうか。
また、データベース管理を目的とした Microsoft 社のサービスである AccessVBA もありますが、VBA にせよ GAS にせよプログラミング知識が必要になるので、形にするまでにはそれなりに学習が必要でしょう。
スプレッドシート
AppSheet でのスプレッドシート(≒Excel)の扱いは、あくまでもスプレッドシートはデータソースでありデータを「見る」のはアプリ上の画面である、という部分に大きな違いとスプレッドシートにはない便利さを感じます。
※スプレッドシートをデータソースとした場合の話です。
AppSheet に慣れるまで
やはりツールを使いこなせるようになるまでは慣れが必要です。
慣れに要する時間や労力などのコストがプログラミング言語を覚えて使いこなせるようになるまでのそれと比べれば、大幅にハードルが下がるという部分に AppSheet のアドバンテージがあります。
あまり馴染みのない方向けにプログラミング以外の話に例えると、英語などの外国語を覚えるのではなくて翻訳機を使って外国人と会話していく中で、コツを掴みながら自分でも少しずつ語学力を培っていくような感覚でしょうか。
個人的にはゲーム…MMORPGで徐々にキャラクター操作ややり込み要素に慣れてできることが増え、行動範囲やレベルも上がっていくあの感覚に近しい気がします。
ゲームの話はさておき、既に誰かが作ったアプリを真似してみる、記事や動画などで紹介されている手順を見よう見真似で正確に再現してみるといったことから始めてみることが一番だと思います。
百聞は一見に如かず、AppSheet も最終的にはこれに尽きます。
AppSheet の本当に難しいところ
「本当に難しい」と感じる点は、「難しそう」な点とは異なります。
AppSheet を使ったことのない人からしたぱっと見「難しそう」なところは、「英語表記のみの対応」や「関数を使うところ」や「AppSheet 独特の操作に慣れていないから」だと思います。
※ AppSheet のヘルプページなどは徐々に日本語対応のクオリティが向上しています。
元々長く非エンジニアとして事務職などの業務にあたっていた私が思うに、エンジニア以外の人が本当に難しいと感じるのはデータベースの構築、要するにデータとデータを連携させる、リレーショナルデータベースを理解するところにあると思います。
これは最初のうちは先に述べたとおり整表されたデータさえ用意すれば、自動的に AppSheet が何とかしてくれることがほとんどです。
スプレッドシートからすぐにアプリ化!(最初の AppSheet 連携時は時間がかかることがあります)
ですが、リレーショナルデータベース理解など、AppSheet の醍醐味であるアジャイル開発(随時要望をアプリに反映すること)、もっと自分好みに作りこみたい、利便性を向上させたいと思うとゆくゆくぶち当たる壁はあります。
それでもやはり初めて AppSheet を触って、簡単なもので2、3時間程度(個人差あり)と初心者でも短時間でちゃんとしたアプリを作れるということで、AppSheet は私たちに大きな価値を提供してくれます。
なのであまり作りこまなくとも例えば、Excel で作ったちょっとした個人的な進捗管理表をアプリ化するだけでも大変便利になることには変わりないので、手始めに自分の業務から簡単なアプリを作ってみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回は AppSheet とその他のツールとを比較しながら、AppSheet を始めようか迷っている方向けのご紹介でした。
AppSheet は基本的に Google アカウントさえあれば無料で始めることができますし、シンプルなつくりに見えますが、使いこなせるようになれば発想次第で様々なことに応用することができます。
とりあえず使うことができれば、使っていくうちに慣れていき、使いこなせるようになりますので、まずは使ってみてはいかがでしょうか。
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それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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