dma_pool_allocとdma_alloc_coherentの違い
dma_pool_allocとdma_alloc_coherentは、いずれもLinuxカーネルで使用される関数で、Direct Memory Access (DMA) メモリを割り当てるために使用されます。それぞれの関数は異なる状況で使用され、それぞれには特定の特性があります。
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dma_pool_alloc:
この関数はDMAメモリプールからのメモリ割り当てのための関数です。DMAメモリプールは、効率的なハードウェア操作のためにDMA可能なメモリのプールを管理します。特に、高頻度で小さなDMAバッファが必要なデバイス向けに設計されています。これらのバッファは全て同じサイズで、事前に割り当てられたメモリプールから供給されます。 -
dma_alloc_coherent:
この関数もDMAメモリを割り当てるためのものですが、一般的には大きな連続したメモリ領域を割り当てるために使用されます。また、この関数で割り当てられたメモリはCPUとデバイスの両方から一貫性(コヒーレント)にアクセスすることができます。これは、DMAによりデバイスからデータを読み書きする際に、CPUとデバイスが見ているメモリのビューが一致することを保証します。
主な違い:
dma_pool_allocとdma_alloc_coherentの主な違いは、割り当てるメモリのサイズと使用シナリオです。dma_pool_allocは、小さなDMAバッファが頻繁に必要となるデバイス向けに設計されており、dma_alloc_coherentは大きな連続したメモリ領域を割り当てるために使用されます。また、dma_alloc_coherentは、CPUとデバイスの間で一貫性のあるビューを提供します。そのため、具体的な使用状況とメモリ割り当ての要件により、これらの関数のどちらを使用するかが決まります。