【初心者基礎】データサイエンスで必要な微分
はじめに:微分ってなに?
微分とは、ある瞬間の「変化の割合」を表すものです。
例えば、車が時速60kmで走っている時、その瞬間の速度は60km/hですね。この「時速60km」という数値が、その瞬間の車の速さの「変化の割合」を表しています。
より具体的には、微分はグラフの接線の傾きを求めることと深く関係しています。グラフの特定の点における接線の傾きは、その点での変化の激しさを表しているのです。
極限の概念
極限とは、ある値が限りなくある値に近づいていく様子を表すものです。
例えば、数列{1/n}は、nが大きくなるにつれて0に近づいていきます。このとき、「nが無限大に近づくと、1/nは0に収束する」と言います。
微分では、この極限の概念が非常に重要です。ある点における瞬間の変化率を求めるためには、その点の周りで非常に小さな範囲を考え、その範囲での平均の変化率を計算します。そして、その範囲を限りなく小さくしていくことで、瞬間の変化率を求めるのです。
平均変化率と瞬間変化率
平均変化率: 2点間の変化の割合。グラフ上で2点を結ぶ直線の傾き。
瞬間変化率: ある一点での変化の割合。グラフ上のその点における接線の傾き。
瞬間変化率は、平均変化率の範囲を限りなく小さくしていくことで求めることができます。
微分の定義
微分係数: ある点x=aにおける微分をf'(a)と表し、以下の式で定義されます。
f'(a) = lim(h→0) (f(a+h) - f(a)) / h
導関数: 微分係数をxの関数として表したものを導関数といいます。
微分公式
定数の微分:
xのn乗の微分:
aのx乗の微分:
eのx乗の微分:
sin xの微分:
cos xの微分:
和の微分:
積の微分:
商の微分:
練習問題1
-
を微分せよ。y = x^2 + 3x - 2 -
を微分せよ。y = sin x * cos x - 曲線
上の点(2, 4)における接線の傾きを求めよ。y = x^2
合成関数の微分
ここで、
練習問題2
-
を微分せよ。y = (x^2 + 3x - 2)^4 -
を微分せよ。y = sin(2x + 1) -
を微分せよ。y = e^{x^3 - 2x}
まとめ
微分は、一見難しそうですが、基本的な公式を覚え、練習問題を解くことで、誰でもマスターできます。今回の記事が、微分の理解の一助になれば幸いです。
さらに詳しく学びたい方へ
参考書: 微分の入門書には、数多くの種類があります。書店で自分に合った一冊を見つけてみましょう。
オンライン学習: YouTubeやProgateなどのオンライン学習サービスでは、無料で微分の基礎を学ぶことができます。
プログラミング: Pythonなどのプログラミング言語を使って、微分を実際に計算してみましょう。
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