【初心者向け】Python Numpy 二次元配列の指定(スライシング)
Pythonの数値計算ライブラリNumpyは、多次元配列を効率的に扱うための強力なツールです。特に、二次元配列(行列)の操作は、データ分析や機械学習において頻繁に行われます。
本記事では、Numpyの二次元配列における要素の指定(スライシング)に焦点を当て、様々なテクニックを具体的なコード例を交えながら解説します。
基本的なスライシング
まずは、基本的なスライシングの方法から見ていきましょう。
# 2次元配列の指定
import numpy as np
a_list = np.arange(0, 12).reshape(3,4)
a_list
array([[ 0, 1, 2, 3],
[ 4, 5, 6, 7],
[ 8, 9, 10, 11]])
# 6を選ぶ
a_list[1, 2] # 1行目の2列目(0からはじまる)
6
# 0と11を選ぶ
a_list[[0,2],[0,3]] # 0行目と2行目の0列目と3列目
array([ 0, 11])
# 0 1 2と8 9 10を選ぶ
a_list[[0,2],0:3] # 0行目と2行目の0~2列目
array([[ 0, 1, 2],
[ 8, 9, 10]])
条件を指定したスライシング
条件を満たす要素だけを抽出することも可能です。
まずはBool値で抽出
# 値が5より大きいもののBool値
a_list > 5
array([[False, False, False, False],
[False, False, True, True],
[ True, True, True, True]])
# 上記のBool値をインデックスとして指定した値
a_list[a_list > 5]
array([ 6, 7, 8, 9, 10, 11])
# 2で割りきれる かつ 2を足すと6になる もののBool値
(a_list % 2 == 0) & (a_list + 2 == 6)
array([[False, False, False, False],
[ True, False, False, False],
[False, False, False, False]])
# 上記のBool値をインデックスとして指定した値
a_list[(a_list % 2 == 0) & (a_list + 2 == 6)]
array([4])
奇数行、偶数列の要素を取得
b_list = np.arange(0, 100).reshape(10,10)
b_list
array([[ 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9],
[10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19],
[20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29],
[30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39],
[40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49],
[50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59],
[60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69],
[70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79],
[80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89],
[90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99]])
# 偶数行のみ
idx_row = np.arange(0, 10, 2)
b_list[idx_row,:]
array([[ 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9],
[20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29],
[40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49],
[60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69],
[80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89]])
# 奇数列のみ
idx_col = np.arange(1, 10, 2)
b_list[:,idx_col]
array([[ 1, 3, 5, 7, 9],
[11, 13, 15, 17, 19],
[21, 23, 25, 27, 29],
[31, 33, 35, 37, 39],
[41, 43, 45, 47, 49],
[51, 53, 55, 57, 59],
[61, 63, 65, 67, 69],
[71, 73, 75, 77, 79],
[81, 83, 85, 87, 89],
[91, 93, 95, 97, 99]])
# 偶数行の奇数列目
b_list[idx_row, idx_col] # あれ?思ってたのと違う
array([ 1, 23, 45, 67, 89])
# 偶数行の奇数列目
b_list[[idx_row, idx_col]] # これもちがう
array([[[ 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9],
[20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29],
[40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49],
[60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69],
[80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89]],
[[10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19],
[30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39],
[50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59],
[70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79],
[90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99]]])
# 偶数行の奇数列目
b_list[np.ix_(idx_row, idx_col)] #これでした
array([[ 1, 3, 5, 7, 9],
[21, 23, 25, 27, 29],
[41, 43, 45, 47, 49],
[61, 63, 65, 67, 69],
[81, 83, 85, 87, 89]])
numpy.ix_の説明はこちら
ix_ 関数は、複数の1次元配列から、直積(デカルト積)に対応する多次元インデックス配列を生成するものです。
具体例として、a[np.ix_([1,3],[2,5])] というコードを考えてみましょう。
np.ix_([1,3],[2,5]) の部分:
これは、2つのリスト [1, 3] と [2, 5] を引数として ix_ 関数を呼び出しています。
ix_ 関数は、これらのリストの要素の組み合わせすべてに対応するインデックス配列を生成します。
具体的には、以下のような2つの配列が返されます(イメージ):
1つ目の配列は、1次元目のインデックス(行番号)を表し、[[1], [3]] のようになります。
2つ目の配列は、2次元目のインデックス(列番号)を表し、[[2, 5]] のようになります。
a[np.ix_([1,3],[2,5])] の部分:
生成されたインデックス配列を使って、配列 a から要素を抽出します。
これは、以下の要素を順番に抽出するのと等価です。
a[1, 2]
a[1, 5]
a[3, 2]
a[3, 5]
そして、これらの要素をまとめて、[[a[1,2] a[1,5]], [a[3,2] a[3,5]]] という形状の2次元配列として返します。
つまり、np.ix_ を使うことで、複数のインデックスの組み合わせを一度に指定し、配列から対応する要素を効率的に取り出すことができるのです。 これは、多次元配列の特定の部分を抽出したり、操作したりする際に非常に便利です。
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