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🌊 水や空気の中での動きを、データで再現してみよ(加速度の式の理解メモ

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ニュートンの運動方程式(F = m * a)を「流体中を落ちる物体」に適用した形

記事内容

content = """# 🌊 流体中の加速度式(a = (m*g − ρgV − 0.5ρCdA v|v|))をやさしく理解するメモ


💬 この式はなにを表している?

この式は、水や空気などの流体の中で、物体が落下(沈降)するときの加速度を表します。
重力で下へ引かれる力、浮力で押し上げられる力、そして抵抗によって減速される力——
この3つの力のバランスを1つの数式にしたものです。


🧩 式のかたち

\[
a = \frac{m g - \rho g V - 0.5\rho C_d A v |v|}{m}
\]

これは、「力の合計を質量で割ったものが加速度になる」という
ニュートンの運動方程式(F = m * a)を流体中に応用した形です。


🧮 各記号の意味

記号 意味 イメージ
a 加速度 速さがどれくらい変化するか
m 質量 物体の重さ(kg)
g 重力加速度 地球の引っ張る力(約9.8 m/s²)
ρ(ロー) 流体の密度 空気や水の“濃さ”
V 体積 物体の大きさ
C<sub>d</sub> 抗力係数 形による抵抗のしやすさ
A 断面積 進行方向に垂直な面積
v 速度 現在のスピード(m/s)

⚖️ 3つの力のバランスで成り立つ

物体が沈む(または落ちる)とき、3つの力が同時に働きます。

  1. 重力(下向き) … 地球が引っ張る力
  2. 浮力(上向き) … 流体が押し返す力
  3. 抵抗力(上向き) … 流体の粘性によるブレーキ

この3つの合計が「正味の力(合力)」であり、
それを質量で割ると加速度が求まります。


🧠 イメージで捉えると

  • 重力(m*g) → 下に引っ張る
  • 浮力(ρgV) → 上に押す
  • 抵抗(0.5ρCdAv|v|) → 動きにくくする

速度が上がるほど抵抗が増えるため、やがて力が釣り合い、
**加速度が0になり、一定の速度(終端速度)**に達します。


🧩 計算の基本式(学習用)

double calcAcceleration({
  required double m,   // 質量 [kg]
  required double g,   // 重力加速度 [m/s^2]
  required double rho, // 流体の密度 [kg/m^3]
  required double V,   // 体積 [m^3]
  required double Cd,  // 抗力係数
  required double A,   // 断面積 [m^2]
  required double v,   // 速度 [m/s]
}) {
  final Fg = m * g; // 重力
  final Fb = rho * g * V; // 浮力
  final Fd = 0.5 * rho * Cd * A * v * v.abs(); // 抵抗力
  return (Fg - Fb - Fd) / m; // 加速度
}

※これはあくまで「学習メモ」としての式です。
 実際の物理シミュレーションでは、時間変化(Δt)を考慮して数値積分します。

📘 学びのポイント

「重力 − 浮力 − 抵抗力」で加速度が決まる

抵抗力は速度の2乗に比例する

終端速度では、合力が0になる(=加速度がなくなる)

🏷️ 分野によって呼び方が違う

同じ式でも、分野によって名称が少しずつ異なります。
目的や使い方が違うためです。

分野	呼び方	主な目的
物理学	運動方程式(Newton’s equation of motion)
鉛直方向の運動方程式	力の原理や因果関係を理解する
工学・航空宇宙	抗力付き運動方程式(Drag equation)
流体抵抗モデル(Drag model)	精密な数値解析や設計
流体力学・海洋工学	浮力・抗力付き運動方程式
沈降モデル(Settling model)	浮沈や終端速度の解析
ゲーム・CG開発	加速度モデル
物理ベースの挙動式	見た目のリアリティ・動きの自然さ
💡 まとめると

どの分野でも基本は「F = m * a(ニュートンの運動方程式)」

ただし 何を重視するか(原理・数値・動き) で名前が変わる

本質は「力のバランスで加速度が決まる」という一点

🧭 さいごに

この式は、「沈む・浮く・止まる」という現象を
数値的に理解するための、物理の基本式のひとつです。

実装よりもまず「どんな力が物体に働いているのか」を考えることで、
現実の運動をより正確にイメージできるようになります。

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