Expo MCPサーバーで始めるAIネイティブ開発
Expo開発者の皆さん、朗報です。
Expo公式が Expo MCP Server(Model Context Protocol対応のリモートサーバー)を提供し、AIがExpoプロジェクトと正しく・安全に・文脈を踏まえてやり取り出来るようになりました。これにより、ドキュメント探索、依存関係の導入、シミュレータを使ったUIの目視検証まで、AI駆動開発が一段と深くなります。
YouTube解説動画もあるので、ぜひご覧ください。
Expo MCPサーバーとは何か?
Expo MCP Server は、ExpoがホストするリモートMCPサーバー(https://mcp.expo.dev/mcp)で、Claude Code、Cursor、VS Code などのMCP対応ツールから接続できます。AIアシスタントはこれを介して、あなたのExpo環境を理解し、適切な支援を行えるようになります。利用には EASの有料プラン が必要です。
公式いわく:「AI支援ツールがExpo SDKを学び、シミュレータやReact Native DevToolsとも連携しながら、より正確な支援を提供できるようになる」とのこと。Using Model Context Protocol (MCP) with Expo(最終更新:2025-10-21)
何が出来る??
- 学習/リサーチ:最新のExpo公式ドキュメントを都度取得して回答に反映(例:「Expo Routerの使い方」「Deep Linkの実装を検索」)。
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依存関係の管理:
npx expo installを用い、互換性のある推奨パッケージを追加(例:「SQLiteを追加してCRUDの雛形」)。 - 視覚的な検証・自動化(ローカル機能):iOSシミュレータのスクリーンショット取得、画面タップ、testIDによる要素特定などで、UIの表示やインタラクションを自動チェック。
サーバー機能とローカル機能
Expo MCP Serverは 二層構成 です。
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サーバー機能(リモートのみで有効)
例:search_documentation(ドキュメント検索)、add_library(推奨パッケージ導入)、generate_agents_md(設定ファイル生成 など)。 -
ローカル機能(開発サーバーをMCP対応で起動時)
expo-mcpを導入し、MCPモードでexpo startすると解放。automation_take_screenshot、automation_tap(_by_testid)、open_devtools、expo_router_sitemapなどが使えます。
ローカル機能は SDK 54以降 が対象。iOSは現在 シミュレータ限定(物理デバイス未対応・macOSホスト必要)などの制限も明記されています。Using Model Context Protocol (MCP) with Expo(最終更新:2025-10-21)
セットアップ
- MCPサーバーの追加(リモート)
- 種別:Streamable HTTP
- URL:
https://mcp.expo.dev/mcp - 認証:OAuth(Expoのアクセストークン推奨)
- Expo認証
- EASダッシュボードから Personal access token を発行して利用、またはExpoアカウントでログイン。
- ローカル機能(推奨)
# プロジェクトに導入
npx expo install expo-mcp --dev
# Expo CLIで同一アカウントにログイン
npx expo whoami || npx expo login
# MCP対応で起動(SDK 54+)
EXPO_UNSTABLE_MCP_SERVER=1 npx expo start
起動・停止の度に、AI側のMCP接続をリフレッシュする必要があります。
従来のExpo開発と比べた革新点
- 正確な一次情報への直接アクセス:回答の根拠に常に最新の公式ドキュメントを引けるため、古い記事に引っ張られにくい。
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依存関係の安全な導入:
expo installで互換バージョンをAIが提案・適用。バージョン不整合による手戻りを抑制。 - UI検証の自動化:スクショや擬似タップで“見た目”と“動作”を即座に確かめ、修正ループを短縮。
- エディタ内完結のワークフロー:MCP対応ツールから一連の操作が出来るため、コンテキストスイッチが減る
具体的ユースケース
- 「
expo-notificationsを追加してプッシュ通知を使いたい」 - 「青い円のビューを追加して、正しく描画されるかスクショで検証して」
- 「ボタンを追加して、タップでカウントが増えることを確認して」
いずれも コード生成→実機(シミュレータ)確認→微修正 までをAIが支援するイメージです。
既知の制限(2025-10-21時点)
- 同時に扱える開発サーバー接続は 1つ。
- iOSローカル機能はシミュレータのみ(物理端末は未対応)、macOSホスト前提。
- 機能一覧は
expo-mcp/サーバー更新により変動しうる(最新は公式表を参照)。
今すぐ出来ること(安全運転の導入方針)
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リモート接続から始める:まずはMCPサーバーをツールに追加し、
search_documentationやadd_libraryで“確実に便利なところ”から。 -
ローカル機能を段階投入:検証用プロジェクトで
EXPO_UNSTABLE_MCP_SERVER=1を使い、スクショ・タップなどの自動化を試す。 - 本番導入の前に運用ルール:どこまでAIに任せるか(生成コードのレビュー基準・CIでの可視化等)をチームで決める。※公式も“高度機能の再接続やプラットフォーム要件”を明示しているので、運用フローに織り込むと安定します。
まとめ
Expo MCPサーバーは、AI×Expo を“雰囲気”ではなく 公式の仕組み として結び付ける中核です。
正確なドキュメント参照/安全な依存導入/UIの視覚検証の自動化が 一本線 でつながり、エディタから離れずに素早く反復できます。まずはリモート機能で確実に効果を取り、ローカル自動化を段階的に足していきましょう。
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