Babylon.jsでキューブを表示してみた
はじめに
2022年5月6日にbabylon.jsのバージョン5.0.0が公式にリリースされましたね。
5.0が発表するまでのstable版は4.2.0で2020年11月13日のリリースだったので、待ちに待った待望のリリースだったようです(他人事)
やまみさんの記事参考。
時代はメタバース()ということで、せっかくの機会なので触ってみました。
四角いキューブを表示してグリグリ動かすまでを目指します。
初心者視点で動かした所感の記事になります。
キューブをグリグリ動かす図↓
そもそもBabylon.jsとは?
Babylon.jsはWebGLのライブラリで、Microsoftが提供しています。
WebGLのライブラリとしてはthree.jsが有名です。three.jsと比べるとBabylon.jsはあまり使われていないようです。
しかし、three.jsに比べてBabylon.jsには、以下のようなメリットがあります。
- TypeScriptのサポートがある
- PlayGroundでコードや挙動を簡単に試せる
- 公式ドキュメントが丁寧かつ豊富
特にPlayGroundが使えるのはかなり強力です。PlayGroundを使えば、記述したコードが表示される3Dモデルにどのように影響を与えるかを目視できます。
WebGLではシェーダーやライトの設定などの組み合わせで表示が変わるため、PlayGroundで動きを確認できることはメリットとして大きいですね。
またTypeScriptのサポートが手厚いので、TypeScriptを使用したプロジェクトへの導入がしやすいことや、型推論で使用できる関数の補完ができるのでかなり直感的に使用できます。
使ってみる
環境
環境は以下です。
create-next-appで作成したプロジェクトの1画面でBabylon.jsのキューブを表示させます。
項目 | バージョン詳細 |
---|---|
node | 16.14.2 |
next | 12.1.4 |
react | 18.0.0 |
インストール
早速インストールします。
yarn add @babylonjs/core
Babylon.jsのインストールには @babylonjs/core
と babylonjs
があります。
この2つの違いはTree-Shakingが利用できるかの違いで、@babylonjs/coreでインストールすればTree-Shakingが利用できます。
基本的に @babylonjs/core
でインストールでいいです。
Webpackを使用するプロジェクトが多いですし、Tree-Shakingが利用できるのであれば使いたいですしね。
コード記述
初めにコード全文を記載します。
各コードの説明は後述します。
Nextを使用しているので、pages配下にindex.tsxファイルを作成して以下のコードを記述します。
import { NextPage } from "next";
import * as BABYLON from "@babylonjs/core";
import { useRef } from "react";
const Babylonjs: NextPage = () => {
const ref = useRef(null);
(async () => {
// engineを作るためにはcanvasが必要
const renderCanvas = document.getElementById(
"renderCanvas"
) as HTMLCanvasElement | null;
// sceneを使用するためにはenginが必要
// 第二引数でアンチエイリアス(モデルのエッジのギザギザを目立たなくするか)
const engine = new BABYLON.Engine(renderCanvas, true);
const scene = new BABYLON.Scene(engine);
// カメラとライトの設定
scene.createDefaultCameraOrLight(true, true, true);
// 環境?の設定
scene.createDefaultEnvironment();
// モデル(今回はキューブの設定)
const boxSize = 0.3;
const box = BABYLON.MeshBuilder.CreateBox("box", { size: boxSize });
box.position.addInPlaceFromFloats(0, boxSize / 2.0, 0);
engine.runRenderLoop(() => {
scene.render();
});
})();
return (
<canvas
id="renderCanvas"
style={{ width: 1440, height: 800 }}
ref={ref}
></canvas>
);
};
export default Babylonjs;
これだけで画面にはキューブが表示されているので確認しましょう。
表示確認
はいできた🧊
拡大や縮小もできるしヌメヌメ動きます。
下から覗き込んだ際はキューブに光の反射?光沢のようなものが見えて良いです。
WebGL系のライブラリでは、本来はシェーダーの設定やライトの設定などが必要で、その分コード数も多くなります。
しかし今回は少ない行数でキューブの表示ができました。その理由をコード解説で解説します。
コード解説
コードを簡単に解説していきます。
基礎設定
// sceneを使用するためにはenginが必要
// 第二引数でアンチエイリアス(モデルのエッジのギザギザを目立たなくする)の設定
const engine = new BABYLON.Engine(renderCanvas, true);
const scene = new BABYLON.Scene(engine);
ここではengineとsceneの設定をしています。
engineは3Dを表示するための基礎の部分ですね。engineの上に新しくsceneを作成しています。
ここからは作成したsceneの上にカメラや照明やモデルなどを配置していくことになります。
カメラ、照明、環境の設定
// カメラとライトの設定
scene.createDefaultCameraOrLight(true, true, true);
// 環境?の設定
scene.createDefaultEnvironment();
createDefaultCameraOrLight
でカメラと照明の設定を行なっています。
特に細かく数値を設定する必要はなく、よしなにカメラとライトを設定してくれます。
createDefaultEnvironment
でどこまでの設定を行なっているかわからないのですが、背景の色など環境部分の設定を行なっていそうです。(詳しくわかれば追記します🙇♂️)
本来であればここでシェーダー、カメラ、照明、etc...の記述が必要で、初めからそれらを記述するのは骨が折れます。
なので今回はデフォルトで用意されている関数を利用しました。
ここで使用した2つの関数を利用することで簡単に3Dオブジェクトを表示する環境を構築できます。
公式ドキュメントでも、「このやり方が一番早いと思います(意訳)」って言ってます。
3Dモデルの設定
// モデル(今回はキューブの設定)
const boxSize = 0.3;
const box = BABYLON.MeshBuilder.CreateBox("box", { size: boxSize });
box.position.addInPlaceFromFloats(0, boxSize / 2.0, 0);
BABYLON.MeshBuilder.CreateBox
でキューブを作成しています。
MeshBuilderにはCreateBox以外にもさまざまな形状のモデルを生成する関数が用意されています。
関数の型情報を見にいけば、引数に何の値を入れれば良いかがわかるので、TypeScript対応の恩恵を感じました。
最後にaddInPlaceFromFloatsでキューブの表示位置を指定します。
おわりに
Babylon.jsで簡単にキューブを表示できました。
three.jsからBabylon.jsnに乗り換えたという記事も目にしたので、これからWebGLのライブラリを使うならBabylon.jsも候補に入れていい気がします。
最近メタバースだとかxRという単語をよく耳にします。
その流れでWebGLの需要が高まってWebで面白い表現ができるようになると楽しそうですね。
参考記事
Discussion
自分の実装が間違っている可能性もありますが、
もしかしたらuseEffectを使わないとうまく動かないかもです...(^^;;