💻

Teams タウンホールの出席者登録にグループを使用する際の注意点

2024/12/02に公開

この記事は、Microsoft 365 Advent Calendar 2024 2 日目の記事です。

Considerations when using groups for attendee registration for Teams town hall

Teams での大規模ライブイベント(ビデオ会議)を行う方法として、Teams タウンホール がありますが、エンタープライズ企業などの組織の中で利用する際には参加者を制限したい場合があります。
例えば、自社の従業員のみに参加を制限し、例え URL が従業員以外の社内メンバー (例えば準委任契約のパートナーなど) に流出したとしても、そもそもイベントに参加できないようにしたい、といった例が挙げられるかと思います。

https://support.microsoft.com/ja-jp/office/microsoft-teams-のタウン-ホールの概要-33baf0c6-0283-4c15-9617-3013e8d4804f

Teams タウンホールには、出席者設定という登録されているユーザーしかイベントに参加できないようにする機能は用意されているものの、2024/12/02 現在、この出席者登録については、下記の通り、いくつかの難点があることが分かったので、今回はそれを紹介したいと思います。

  • 出席者の登録は、Teams アプリまたは Web の GUI 上でしか実行できない (Graph API などの API 対応がない)
  • Outlook 予定表での参加者登録とタウンホールの出席者登録は同期していない
  • 出席者登録でグループを利用した場合、設定後にグループメンバーを更新しても内容が反映されない
  • グループで出席者登録を送付されたユーザーが出席承諾を行っても、管理側がその後にイベント情報を更新すると承諾情報が初期化される

自社で Teams タウンホールを利用したオンラインイベント開催を行った際、上記の課題が新しく見つかったため、この機会を借りて紹介しつつ、Teams タウンホールでグループを使用して出席者を管理したい場合のベストプラクティスを考えてみました。

Microsoft 365 グループへのメンバー追加時の通知メールを無効化する

Teams タウンホールの出席者登録時にグループを使用する場合は、以下の種別のグループの利用が可能です。

  • Microsoft 365 グループ
  • 配布リスト
  • メールが有効なセキュリティグループ

どのグループを使用しても問題ないと思うのですが、企業においては、配布リストやメールが有効なセキュリティグループはテナント管理者権限でのみ作成を可能としている企業も多いと思います。そのため、企業における一般ユーザーが Teams タウンホールにて出席者登録を行う際に使用する可能性として、Microsoft 365 グループが選択される可能性は多いかと思います。
ただし、この Microsoft 365 グループは通常、グループへのメンバー追加を行った際、追加されたユーザー宛に自動でグループに招待された旨の通知メールが送信されるようになっています。そのため、Teams タウンホールで使用したいのに、その情報を解禁する前にグループで変な通知メールがユーザーに送られてしまう、という事象が起こってしまうため、これを回避したい場合があるかもしれません。

そんな時は、Exchange Online PowerShell を使用して、指定の Microsoft 365 グループにおける招待時の通知メール機能をオフにするとよいです。

Connect-ExchangeOnline
# 指定の Microsoft 365 グループの WelcomeMessageEnabled 設定を確認する
Get-UnifiedGroup -Identity "対象の Microsoft 365 グループのメールアドレス" | Select WelcomeMessageEnabled
# WelcomeMessageEnabled 設定を無効化する
Set-UnifiedGroup -Identity "対象の Microsoft 365 グループのメールアドレス" -UnifiedGroupWelcomeMessageEnabled:$false

## テナント内のグループすべての取得し、CSV で出力することも可能
# Get-UnifiedGroup | Select DisplayName,PrimarySmtpAddress,WelcomeMessageEnabled | Export-Csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation -Path <"任意の出力先のパス">

これで、Teams タウンホールの出席者登録を行う際に Microsoft 365 グループが利用しやすくなります。
※別に Teams タウンホールに限らず有用な設定変更だと思うので、この内容は広まってほしいです。

出席者登録にグループを使用する際のつらい仕様 (2024/12 時点)

現状、Teams タウンホールの出席者登録にグループを利用する場合は、以下の仕様を許容する必要があります。

  • 出席者登録にグループを設定した後、グループメンバーが更新されても追加/削除されたメンバーへのイベント参加情報は反映されない
  • 出席者にグループを設定した後、イベント情報を更新すると、グループメンバーの会議承諾状況がリセットされる (更新のたびにリセット&招待通知再送)

これは既存の仕様バグとしか言いようがないので、現時点で Teams タウンホールの出席者登録にグループを使用する際は、最後の設定タイミングで使用するのが better のように思います。
特に、会議の承認状況を更新のたびにリセットするのは、会議開催者としてはつらすぎます。(グループを使用してしまうと、後続で追加のユーザー設定などをする度に無駄な承諾メールが出席者に飛ぶ)
これは一刻も早く改善を希望するため、Microsoft Feedback Portal に対象の投稿を行いました。ぜひ、この機会に皆さんも投稿をお願いしたいです。

https://feedbackportal.microsoft.com/feedback/idea/e2129bd0-629d-ef11-95f5-6045bdbc7c39

大企業で Teams タウンホールでのイベント開催を検討する際、普通に 100+ の参加者登録をすることはあると思いますが、そんな中でグループ利用が機能的にイケてないと、手で必死にポチポチ 1 ユーザーずつを出席者に追加する羽目になります。私の例だと、600+ のユーザーを手で 1 人ずつ設定することになりかけたので、グループ周りの機能はしっかり改善を希望したいところです。

Outlook イベントの出席情報でグループメンバーは任意扱いになる

これも少し疑問なのですが、Teams タウンホールで出席者登録を行った際、ユーザーをそのまま追加した場合は必須参加者になるのですが、グループで追加したメンバーは任意参加者扱いになります。(これもよくわからない...)
Teams タウンホールの出席者登録欄は 1 つしかないのに、Outlook で送られるイベント招待メールの必須/任意欄には、グループを利用する/しないで差分が生まれるようです。この仕様のせいで、なんで出席登録したのに任意なんだ、と問い合わせに発展する例もありました。
だったら、Teams タウンホールイベント設定側の出席者欄も必須と任意で分けてほしいところですが、今の仕様だと仕方ないので、グループを出席者登録に使用しようとしているユーザーは要注意です。

結論、Teams タウンホールの出席者登録にグループを利用することはアリなのか?

結論、以下の条件をすべて満たす場合の開催においては、Teams タウンホールでのグループ利用を検討しても良いと思います。

  • 出席者を制限し、出席者登録数が (だいたい) 30 人以上になる見込みがあること
  • 出席者情報にグループを設定した後、イベント情報 (出席者の追加含む) の更新が一切ないこと
  • Outlook 予定表イベントでの任意参加設定を出席者が気にしないこと

逆に、上記を満たせない場合は、Teams タウンホールの利用を再考するか、出席者の制限をあきらめるか、手で頑張って出席者登録をするしかないと思いました。

なぜこの記事を書くことになったか、それば私が過去、社内でイベント情報を公開し Microsoft Forms で集客をかけた際、初動で 300+ の参加登録があったことがきっかけにあります。
(最終的に参加希望者は 600+ になりましたが) この数を見た際、300 名の出席者登録をぽちぽち 1 人ずつ実施することはあまりにも非現実的だったので、グループを使用せざるを得ない状況になったのです。その結果、いろいろ知らない Teams タウンホールの仕様に直面し、Teams ライブイベントと異なり、まだまだ課題が山積みな Teams タウンホールだな、と思ったので、同じ轍を踏んで困らないユーザーが増えないよう、この記事を書きました。

ですが、私個人としては、Teams ウェビナー機能をはじめ、タウンホールも今後、より一層企業内で活用を広めていきたいですし、もちろん Teams という製品も好きですので、グループ利用まわりの機能については、引き続き Microsoft に改善を求めていきたい所存です。

Discussion