🔍

Google AIモードはChatGPT検索の代わりになるか?技術調査で徹底比較してみた

に公開

はじめに

2025/09/09にGoogle AIモード日本語版がリリースされた。
普段、技術調査でChatGPT検索を使っていることから、Google AIモードはChatGPT検索とどのような違いがあるか知りたいと思い、比較レポートを作成することにした。

前提条件

今回のChatGPT検索の場合、メモリ機能により「相談者はエンジニアである」ことが分かっているため、それがこの調査結果に影響が出た可能性はある。予め了承いただきたい。

実験クエリ

Google Business ProfileのAPIについて。

以下、2つのユースケースにおいて、API料金がどの程度かかるのか調査し、レポートしてください。

やること: place_id を入力し、そのplaceのレビューを取得する。
気になること: Essential / Pro / EnterpriseのどのAPIになるか。また、費用感。

ユースケース1: 該当のplace_idの権限を持っていない。
ユースケース2: 該当のplace_idの管理権限を持っている。

比較結果と考察

Google AIモード

原文はこちら

  • Google Business Profile API: 特定のビジネスのオーナーや管理者として、自身のビジネスプロフィールのレビューを管理(取得、返信など)するためのAPI。
  • Google Maps Platform Places API: 権限のない任意の場所の公開されているレビュー情報を取得するためのAPI。

👍️ 質問に対し、別のAPIであることを調査できている。

Places APIの料金プランに、「Essential」「Pro」「Enterprise」といった区分はありません。

👎 取得する属性によって料金が変わるが、異なる回答をしてしまっている。

総括
最も知りたいことは回答できているが、明確に誤りを含んだレポートになっていた。

ChatGPT検索

原文はこちら

結論(先に)

  • ユースケース1(管理権限なし)
    取得手段は Google Maps Platform – Places API (New) の Place Details。レビュー (reviews フィールド) は Enterprise + Atmosphere の課金枠に属します。無料枠は 1,000 リクエスト/月、以降は $25/1,000 リクエスト(ボリュームによって逓減)。さらに 最大5件までしか返りません。Google for Developers+2Google for Developers+2

  • ユースケース2(管理権限あり)
    取得手段は Google Business Profile APIs(旧GMB API)accounts.locations.reviews.list料金は無料(課金なし、クォータ制)。対象ロケーションは**「確認済み(verified)」**である必要があります。

👍 詳しいAPI名を正確に出せている。
👍 Place API (New)について、どの課金枠に属しているのか出せている。

機能上の制約: 1リクエストで返るレビューは最大5件(ページング不可)。網羅取得用途には不向き。
補足: 写真は別SKU(Place Details Photos, $7/1,000)。不要ならフィールドマスクから外してコストを抑制。

👍 実装の落とし穴が明確に出せている。これのお陰でハマらずに済んだ。素晴らしい。

place_id からのひも付け
Business Information API のロケーションには place_id が入るため、自社管理ロケーション一覧→place_id で突合→location リソース名を得てレビュー取得、という流れにできます。

👍 place_idではなく、location リソース名を使うことを解説している。実装の想像をしやすく助かる。また、この前提であっているのか自分で確認もしやすい。

補足Tips

  • レビューが目的なら:
    - 権限なし → Places API (Enterprise + Atmosphere) で「最大5件の要約」を取る用途に割り切る。Google for Developers
    - 権限ありBusiness Profile APIs無料かつ全件取得。Google for Developers+1
  • フィールドマスク最適化(Places API):reviews 以外の高単価フィールド(Atmosphere系やPhotos等)を不要に含めない。価格表と Place Data Fields の対応を見て調整。

👍 ここでも、最大5件しかとれないことを強調している。画像が別料金であり、基本は含めないことを推奨している。見落とししないように気配りされていると感じる。

総括
ChatGPTレポートでは、実装前の注意点、実装時の注意点など網羅的に含まれており、技術調査レポートとしてほぼ完璧なものになっていた。

【結論】技術調査ではどちらを使うべきか

技術調査タスクにおいて、ChatGPT検索が圧倒的に優位である。
その理由は以下の通り。

  • Google AIモードはレスポンスが3-5秒と早く、最低限質問に必要な回答をしてくれる。
    • つまり?) 素早く全体感を知りたいときに効果的。対話ベースで必要な項目を引き出す必要がある。
  • ChatGPT検索はレスポンスが1-5分程度と長いが、ユーザーが必要とする情報を網羅的にまとめてくれる。
    • つまり?) 調査タスク全般に非常に有効。ありがちな落とし穴まで調査してくれるため、技術調査タスクは基本はこちらが良い。

技術調査文脈でいえば、ChatGPT検索推し。ありがちな落とし穴を先回りして調査してくれる。ハマりリスクが低いため。

参考までに、Geminiで比較レポートを作成した。興味がある人は見てほしい。

終わりに

Google AIモードは技術調査タスクでは、そこまで活躍できない事がわかった。
しかし、レスポンスはChatGPT検索と比較して圧倒的に速い。快感がある。
ぜひ、みんなもGoogle AIモードを使って感想を教えてほしい。

Discussion