[Windows]RufusでLive USBを作る手順と diskpartで通常USBに戻す方法
はじめに
Windows 10のサポート終了が近づくなか、USBメモリでLive USBを作成しておきたい人も多いはずです。また、WindowsでLinuxなどのISOイメージから起動用USBを作成したあと、そのUSBメモリを通常のストレージ用途へ戻したい場面は少なくありません。さらに、USBメモリは「フォーマット」だけでは元に戻らないことがあります。本記事では、Rufusを使ったLive USBの作成手順と、diskpartで通常のUSBに戻す手順をまとめます。
対象者
- Windows 10 または 11 で起動用USBを作成したい人
- 作成済みのLive USBを通常のUSBストレージに戻したい人
- 古いUSBメモリが突然認識されないなどリセットしたい人
前提
用語
-
Live USB
- OSをUSBから直接起動してインストールに用いる仕組み
-
ISOイメージ
- インストールメディアを1ファイルにしたディスクイメージ
-
UEFIとBIOS互換
- 近年のPCはUEFIでの起動が主流。一部の古いPCではBIOS互換モードが必要
-
MBRとGPT
- USBのパーティション方式。古い機器ではMBRが無難。UEFI専用ならGPTで問題ないことが多い
事前準備
- 管理者権限のWindows 10 あるいは 11
- 作成したいOSのISOファイル(公式サイトからダウンロード)
- 8GB以上のUSBメモリ(推奨)※USB3.0が望ましい。USB2.0だと認識されない場合がある
- Rufus 最新版の実行ファイル
チェックリスト
- 外付けHDDやSDカードなど、不要なリムーバブルメディアは一時的に取り外す
- ノートPCはAC電源に接続し、スリープを一時的に無効化する
- 管理者権限のコマンドプロンプトで作業する
- diskpartではlist diskの直後にdetail diskを実行し、型番や容量で対象USBであることを確認してからcleanを実行する
- 重要なデータは事前に必ず退避する。作業後はエクスプローラーとディスクの管理で容量とファイルシステムを確認する
- UEFI設定を変更した場合は、作業後に元の設定へ戻す。特にSecure Bootを無効化した場合は再有効化を確認する
- 作業完了後はハードウェアの安全な取り外しを行う
注意事項
- ここで扱う操作はUSBメモリ上のデータを消去します。重要なデータは必ず退避してください
- diskpartの操作は選択したディスクを消去します。実行前に対象ディスク番号を必ず確認してください
- 企業端末などセキュリティポリシーのある環境では事前に管理者に確認してください
手順
手順1 Live USB 作り方 Rufusで作成する
迷ったら次の既定値で作成すれば動くことが多い
- パーティション構成 MBR
- ターゲットシステム BIOSまたはUEFI
- ファイルシステム 既定値のまま
必要に応じて後述のUEFI専用構成やFAT32制限を参照する
-
USBメモリをPCに挿入する
-
Rufusを起動し、デバイス欄で対象USBを選ぶ
-
ブートの種類でISOファイルを選択し、目的のISOを指定する
-
パーティション構成の初期値を確認し、必要に応じて切り替える
- UEFI専用機ならGPT
- レガシーBIOS互換が必要ならMBR
-
ファイルシステムは既定のままでよい
- UEFI起動の多くはFAT32が選ばれる
-
開始を押し、警告を確認したら続行する
-
完了表示を待つ
手順2 diskpart 初期化 手順 通常USBに戻す
Windowsのエクスプローラーからの「フォーマット」で容量が正しく戻らないときは、diskpartでパーティション構成を作り直します
- 管理者としてコマンドプロンプトを開く
- 以下を順に実行する
> diskpart
DISKPART> list disk
DISKPART> select disk X \ ここでXはUSBのディスク番号
DISKPART> detail disk \ ベンダ名やサイズでUSBであることを再確認
DISKPART> clean \ 既存のパーティション情報を完全消去
DISKPART> convert mbr \ 迷ったらMBRにしておくと互換性が高い
DISKPART> create partition primary
DISKPART> format fs=fat32 quick \ 大容量ファイルを扱うならexfatでも良い
DISKPART> assign
DISKPART> exit
これでエクスプローラーから通常のUSBメモリとして扱えるようになります。
上記で復旧しない場合は、以下の補足やUSBポート変更、別PCでの実行も試してみてください。
作業後の確認
- エクスプローラーで容量とファイルシステムを確認
- ディスクの管理で未割り当て領域が残っていないか確認
- 安全な取り外しを実施し、別PCでも認識を確認
対処法
-
USBが認識されない
- 物理的な接触不良を疑い、別ポートや別PCで試す
- 古いUSB 2.0メモリは相性問題が出ることがある。USB 3.0メモリを推奨。別PCやメディアで原因を切り分ける
-
容量が小さく表示される
- パーティションが複数に分かれている可能性がある。diskpartのlist partitionで確認し、cleanを実行し直す
-
フォーマットに失敗する
- 別のファイルシステムを試す。FAT32でだめならexfatで高速フォーマットを行い、必要ならその後FAT32に変更する
-
UEFIで起動しない
- セキュアブートを一時的に無効化して切り分ける。設定は起動メニューから変更し、作業後は元に戻す
-
Windows 10のPCでUbuntuのLive USBを作りたい
- Rufusのパーティション構成をGPT、ターゲットシステムをUEFIにする
- 作成後、起動順をUSB優先に設定しブートする
-
Live USBを通常USBへ戻したが4GB以上のファイルが入らない
- FAT32は1ファイル4GB制限がある。大きなファイルを扱うならexfatでフォーマットし直す
おわりに
私自身、古いUSBメモリが突然認識されなくなったり、容量が極端に小さく見える状態に悩まされましたが、今回のRufusでの作成とdiskpartでの手順で復旧できるようになりました。原因はLive USB特有のパーティション構成でした。この記事が同じ悩みを抱える方の安心につながればうれしいです。
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