[Windows]OS比較 5選(ChromeOS Flex/Ubuntu/Linux Mint/Zorin/MX Linux)
はじめに
Windows 10 は 2025年10月14日にサポート終了を迎えます。Windows 11 への更新を検討しても、要件を満たさないPCをお持ちの方は少なくありません。こうした端末を安全に使い続ける方法として、OSへの乗り換えは現実的な選択肢です。
本書は、古いPCを延命して使いたい人に向けたOS比較をした調査結果です。
対象者
- Windows 10 のサポート終了を機に無料OSへの乗り換えを検討している人
- Linux の特徴を把握したい人
- 様々なOSの種類を知りたい人
候補と結論
候補
今回は以下の5種類のOSを対象として調査しました。
- ChromeOS Flex
- Linux Mint Cinnamon (version 22.1)
- Ubuntu (version 24.04)
- Zorin OS (version 17.3)
- MX Linux (version 23.6)
結論
以下は5候補の調査結果です。
候補 | 向き | 特徴 | 最小構成の目安 |
---|---|---|---|
ChromeOS Flex | ブラウザ中心、管理・制御しやすい端末 | 管理とセキュリティに強い設計。 | RAM 4GB以上 / 空き領域 16GB以上 |
Ubuntu | 開発や学習、将来性 | 開発開発に向いている。ドライバ対応が広い。 | RAM 4GB以上 / 空き領域 25GB以上 |
Linux Mint | 初心者の常用、安定重視 | 日本語情報が豊富。設定がわかりやすい。 | RAM 2GB以上 / 空き領域 20GB以上 |
Zorin OS | 省リソース端末 | Windows的なUIで学習コストが低い。 | RAM 1GB以上 / 空き領域 10GB以上 |
MX Linux | 旧型PC、軽量志向 | 軽量かつ実用的。Liveツールが強力。 | RAM 1GB以上 / 空き領域 8.5GB以上 |
所感
長年Windowsユーザーである私の個人的な印象としては、
Linux Mint/Ubuntu/Zorin OS は、Windowsと近しい部分も多く、UI/UXに優れています。迷ったら、日本語情報が多いUbuntu系で試用し、その後、MintやZorinに切り替えてみるのが良いかもしれません。ブラウジングが多い方はChromeOS Flexもおすすめです。また、以下のデスクトップ画面のスクリーンショットを紹介しているので、最小構成の目安をクリアしたうえでなら、パッと見の直感で選ぶのも良いと思います。
デスクトップ画面 比較ギャラリー
各OSにてデスクトップ画面の実機スクリーンショットをご紹介いたします。
※少々操作感を確認した後の画像になります。タスクバーの位置が変わったり、初期アプリ以外もアプリがインストールされていたりします。
ChromeOS Flex
Linux Mint
MX Linux
Ubuntu
Zorin
各OSの特性
-
ChromeOS Flex
- 軽量でブラウジング専用端末(Google アカウント前提の運用)にするなら向いている。管理性とセキュリティ性も高い。
- AndroidアプリやLinux開発環境が使えない。ローカルアプリの自由度が低い。
-
Linux Mint
- 初心者の常用に最適。日本語情報が多く設定が分かりやすい。
- Cinnamon、MATE、Xfceと用途に応じて選べる。Cinnamon は比較的重い。
-
Ubuntu
- 基本的な操作から開発環境としての強さを持つのが魅力。ドライバ対応とパッケージが充実。
- 日本語コミュニティと情報量は豊富ではあるものの、Windows や mac に比べるとやはり少ない。
-
Zorin OS
- Windowsに近い操作感で省リソースでも快適。
- 日本語情報はMintやUbuntuより少ない。
-
MX Linux
- 旧型PCの延命に強い。軽量かつ高速で安定した動作が魅力。
- 日本語の事例は少なく、英語フォーラムやDebian系の情報に当たることになりがち
OSを変える前に先に知っておきたいこと
Windows とは大きく使い勝手が異なる機能もあります。以下の点はご注意ください。
-
データの取り扱い
- OSのインストール方法や選択肢によっては内蔵ディスク上のデータが消去されます。特に「ディスクを削除してインストール」や「すべてのパーティションを消去」などを選ぶと完全に消えます。デュアルブートや既存パーティションを残す構成でも操作ミスや予期せぬエラーで消える可能性があるため、必ず外付けドライブやクラウドにバックアップを取るようにしましょう。
-
セキュリティ性
- 今回紹介するOSは、Windowsに比べてウイルス感染のリスクが低いと言えますが、適切なセキュリティ対策は必須です。
- 最新セキュリティパッチを定期的に適用することは忘れずに実施すること。
-
無線投影や画面共有
- MiracastはWi‑Fi Directとドライバ対応が前提で、機器相性により対応していないことも多い。
- 代替としてChromecastや有線HDMIを試してみる。
-
Office
- LibreOfficeやOnlyOfficeで代替可能です。
-
日本語入力
- Mozc (日本語入力システム)などの設定をしないと日本語入力ができないことがある。
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ネットワーク・周辺機器
-
Wi‑FiやBluetoothなどはチップとドライバの相性の影響を受けるため、ドライバによっては動作しない場合がありますが、USB無線LANやBluetoothドングルを代替策として用意すれば解決する場合もあります。Wi-Fi ドライバの相性が悪いと有線LANでの初期セットアップが必要になることもある。
-
Windows専用ドライバのプリンタ、スキャナ、ラベルプリンタ、ICカードリーダー、指紋センサーなどは動作しない場合があります。型番を調べ、各OSでの対応可否を確認する必要があります。
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ネクストアクション
興味があるOSが見つかればぜひこちらの記事を参考に新しいOSをぜひインストールしてみてください。
[Windows]Surface Go(第1世代)に MX Linux を入れるまでの記録
おわりに
私自身、今回初めて古いノートPCのOS移行をしてみましたが、想像以上に使いやすく親しみやすいUIであるOSが多いことに驚きました。Windows や iOS 以外の選択肢を知れてよかったです。本記事が皆さんのOS移行の参考になれば幸いです。
株式会社ONE WEDGE
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