FEエンジニアはCRM/SFAを一度は経験しておけ
巷では「最低限こういうプロジェクトを経験しておけ」という声があります。技術力を上げるなら高トラフィックなサービス、多様な経験をするために受託開発、UXを向上させるにはtoC、いやtoBこそ良い、etc...
約6年程の経験で今思うことは、どの案件も学ぶことがあります。しかし参画前に予想するイメージ(この技術/業界/環境だからこうだ!)は往々にして外れることも多いです。重要なポイントだと想像していたら案外インパクトが無かったり、その逆もあったりします。
ここであまり語られない意見として、
思いのほか「CRM/SFAは良いぞ」という紹介をしたいと思います。
案件概要
CRMと、CRMから切り出して独立したSFA(営業支援システム)を開発する案件に1年ほど参画していました。
CRMとSFAは全く違うものとも考えられそうですが、実際は2つを混ぜた感じでやっていたこと・CRMの中にSFAが内包される説も出てくることも含めて、あまり綺麗ではないですがここでは両方併記します。
SaaSではなく、とある大企業のメーカーから受託されて作ったシステムになります。
(注:特定避けのためフェイクやぼかしを所々入れています)
従業員体験
恐らく受託でもどこかのSaaSでもユーザー体験をとても重視します。それは営業担当者をはじめとするメンバーにモチベーションを持って使ってもらうことで業績向上・データ分析が見込めるからです。
合計約10名弱の大きくないチームだったからかもしれませんが、常に上記のような業務フローの使いやすさをエンジニアも意識して開発していました。(大規模案件だと、エンジニアにとっては流れ作業的になる場合も多々あるかと思います)
多様なUI
CRM/SFAには多様なUIが登場します。無味乾燥なCRUDだけではなく、スケジュール管理をするためのカレンダーUIやタスクUI・データ分析を色々な切り口で見せるためのグラフが占める割合も大きいです。
また場合によっては従業員のモチベーションを高めるために、一般消費者向けのエンタメアプリのような演出も求められます。
上記のような分かりやすいUIの種類だけではなく、次のような細かいUX向上も必要になってきます。
- 画面遷移を減らし、ネイティブアプリのように素早くデータ分析させることを可能にする
- データモデルの定義から外れて、入力項目の構成を工夫したり適度に分割したりして、業務フローに適合したフォームを実装する。
データの種類も沢山あってドメインロジックも複雑ですが、それ自体は独特ではありません。多くのデータをどのようなUIに結びつけるか、というスキルが磨かれることにCRM/SFA開発の醍醐味があります。
補足
先ほどの項目2つは正直特筆することでもないし、どのアプリ開発でも大切にすべきものです。
ただ、それらをエンジニアがどれだけ意識するのかは場所により多少の濃淡があると感じており、その中で記憶に残ったのが当案件というエピソードになります。
おわりに
もちろんこれは「私の経歴で」・「FEエンジニアとして」考えた切り口になります。同じようなドラマはそれぞれ星の数ほどあるでしょうし、皆さんが大切と思える体験を見つけることが恐らく重要です。
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