データの削除ってなに? - 非エンジニアが知るべき話 - データは本当に消えてる?
はじめに
日常生活でデータを削除すると、それが完全に消えると思うかもしれません。しかし、エンジニアの世界では、データを削除する方法には主に2つあります。今回はその2つの方法と、あなたが受け入れなければならないことについて紹介します。
データの削除方法
エンジニアがデータを削除する際には、主に2つの方法があります。それが「物理削除」と「論理削除」です。
物理削除とは?
物理削除は、データを完全に削除する方法です。
具体例
書類をシュレッダーにかけて完全に破棄するようなもので、一度削除したデータは元に戻せません。
メリット
- スペースの節約: データベースの容量を減らすことができます。
- セキュリティの向上: 機密情報を完全に削除することで、情報漏洩のリスクを減らします。
論理削除とは?
一方で論理削除とは、データを実際には削除せず、「削除された」とマークを付けるだけの方法です。
具体例
家の中で不要になった書類を、ゴミ箱に捨てずに「不要」と書かれた箱に入れておくようなものです。書類自体はまだ家の中にありますが、普段は見えなくなっています。
メリット
- データの復元が可能: 誤って削除してしまった場合でも、簡単に元に戻すことができます。
- 履歴の管理がしやすい: いつ、誰が削除したかを記録に残すことができるため、トラブル時の確認が容易です。
なぜ論理削除が多いのか?
一般的にどちらが多いのかというと、実は論理削除が多いのです。多くのエンジニアが論理削除を選ぶのには理由があります。
データの保護
誤って重要なデータを削除してしまった場合でも、簡単に元に戻せるという安全策です。
監査やトラッキング
削除の履歴を管理し、誰がいつ何を削除したかを追跡できるため、ビジネスの透明性が向上します。
論理削除の怖さ
論理削除には利点が多い反面、知っておくべき注意点もあります。
あなたのデータは消えていない!!
表面上は削除されたように見えますが、データベースにはまだデータが残っています。これは、知られていないし、恐ろしいことですが、事実です。
論理削除されたデータは、ただ「削除済み」とマークが付けられているだけで、実際にはデータベース内にそのまま残っています。つまり、適切な権限を持つ人がアクセスすれば、いつでもそのデータを復元できます。これにはいくつかの重要な注意点があります。
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個人情報の保護: 個人情報や機密情報が含まれるデータが論理削除された場合、実際にはその情報が消えていないため、悪意あるアクセスによって復元されるリスクがあります。データの取り扱いにおいては、このリスクを十分に理解し、必要に応じて物理削除を選択することが重要です。
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データのアクセス管理: データベース管理者やエンジニアは、論理削除されたデータに対するアクセス権限を厳密に管理する必要があります。適切なアクセス制御が行われていないと、意図しないデータ漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。
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規制遵守: 一部の法律や規制では、特定のデータを完全に削除することが求められる場合があります。論理削除だけではこれらの規制を満たさないため、適切な削除方法を選択する必要があります。
まとめ
論理削除と物理削除は、それぞれ異なる目的とメリットがあります。多くの場合、データの安全性や管理のために論理削除が選ばれますが、その仕組みを理解することが重要です。非エンジニアの方も、この違いを知っておくことで、データの扱いについてより深く理解できるでしょう。
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