kintone認定試験(カスタマイズスペシャリスト)受験記
今回の内容
先日、6月の終わりにkintone認定 カスタマイズスペシャリスト試験を受験し、無事合格できました。
せっかくなので、記憶が新しいうちに振り返りをまとめてみました。
kintone認定試験って?
サイボウズ社が実施している公式の kintone認定資格制度です。
公式サイトには下のように記載されています。
kintoneに関する基礎知識と各分野の専門技術をもとに、
kintoneを活用した業務の効率化や改善、チームワーク向上のスキルを証明します。
試験区分
これも公式に記載されていますが、分野、スキルレベルによって4段階6種類に分かれています。
※最上位のビジネスソリューションアーキテクトは現在準備中のため、実際に受験可能なのは3段階5種類
受験時の注意事項として、kintone認定試験では上位の試験を受けるにはその一つ下位の試験に合格している必要があります。
(例 カスタマイズスペシャリストの受験資格:kintone認定 アソシエイトに合格している必要があります)
kintone認定 カスタマイズスペシャリスト試験
カスタマイズスペシャリスト試験は主にkintoneカスタマイズに関する試験で、アソシエイト試験合格後に受験が可能です。
こちらも前述のページに出題ポイントが記載されています。
カスタマイズを行う時に必要なkintone API など各APIの仕様や設定方法が出題されます。
kintoneの特性を理解し、安全で適切なカスタマイズ開発を行う知識とスキルがあるか問われます。
カスタマイズ開発を実施する方や発注を検討する方におすすめです。
また、セキュアコーディング ガイドラインについても学ぶため、連携サービスを開発する方にもおすすめです。
出題形式は多肢選択式(択一、または複数選択) です。
受験までにしたこと
今回、自分が取り組んだ勉強法をまとめてみます。
1️⃣公式ページのラーニングコンテンツをチェック
どの試験でもまずはここからということで、公式サイトに載っているラーニングコンテンツの内容をチェックしました。
このコンテンツでは、試験対策を行う際に役に立つ公式が提供しているサービスやコンテンツの紹介をしています。
カスタマイズスペシャリスト試験では、
学習サイトとして
- カスタマイズスペシャリスト学習ガイド
お役立ちコンテンツとして、
- cybozu developer network
- kintone ヘルプ
を紹介しています。
今回は、主にカスタマイズスペシャリスト学習ガイドを使って学習しています。
なお、学習環境の構築については、kintone開発者ライセンスを使用しています。
2️⃣受験体験記(ブログ等)チェック
こちらもほかの試験と同様、カスタマイズスペシャリスト試験を受験した方の受験体験記や勉強方法を書いてくれているブログなどをチェックして参考にできそうな点を調べました。
今回は、主に最近投稿された記事を中心にチェックしています。
3️⃣カスタマイズスペシャリスト学習ガイドをひたすら進める
コンテンツ内容や先人の方のブログを参考にし、やはりカスタマイズスペシャリスト学習ガイドを地道に進めていくことが一番の近道と判断し、学習ガイドを上から順に読み進めていきました。
ガイドの中には、実際にカスタマイズを体験するチャプタもあります。
そういった場合には、できるだけ手を動かして実際に試す部分はできるだけ実際に試すように心がけました。
……最初はコードの中身も理解しようと頑張りましたが、途中で挫折
4️⃣サンプル問題に挑戦
学習ガイドを読み進めたタイミングでサンプル問題に挑戦しました。
公式が提供しているサンプル問題は大きく2つあります。
一つはカスタマイズスペシャリストの概要ページの中から挑戦できます。
こちらは、全5問で登録不要で問題が見られます。
もう一つは、kintoneカスタマイズ勉強会-devCamp内に「カスタマイズスペシャリスト試験サンプル問題集」という動画が提供されています。
こちらは、全22問あります。
無料で閲覧できますが、登録は必要です。
5️⃣生成AIの活用
また、今回は学習の一環で生成AIも活用しました。
前回のkintoneアソシエイト試験/アプリデザインスペシャリスト試験の際も試しましたが、当時は
- 正解が怪しい回答をする
- 参考リンクが正しくない
ことが多かったため、利用をあきらめていました。
あれから月日が経ち、モデルの進化(ChatGPTであればo3の登場)により、上記課題がだいぶ改善されてきたので、今回改めて試してみました。
今回使用したツールとその使い方をそれぞれ記載します。
ChatGPTを使った予想問題作成
- プラン:ChatGPT Plus
- 使用モデル:o3
今回は主にo3モデルを使用し、試験と同じ形式(多肢選択式)で問題を出題するような指示をしています。
毎回、予想問題出題のためのプロンプトを作るのが面倒な場合は、プロジェクト機能やカスタムGPT(GPTs)機能を使うと手間が省けると思います。
なお、このタイミングで知りましたが、以前はカスタムGPT(GPTs)で使用するモデルは選べませんでしたが、最近モデルを選べるようにアップデートされたようです(詳細は以下記事を参照)
実際に、ChatGPTが出題してきた問題例を以下に折りたたみで載せておきます。
問題
kintone.app.record.setFieldShown()
に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選んでください。(複数選択)
選択肢 | 記述 |
---|---|
A | テーブルのフィールドコードを指定すると、そのテーブル内のすべてのフィールドをまとめて非表示にできる。 |
B | PC 版の レコード一覧画面(index.show)でも利用できる。 |
C | 存在しないフィールドコードを指定しても、エラーは発生せず何も起こらない。 |
D | モバイルでは、レコード詳細・追加・編集画面の3 画面で利用できる。 |
📝 回答入力欄
- 複数選択の場合は カンマ区切りで記入してください(順不同)。
- 例)
A
/B,C
/A,C,D
など
ご回答をどうぞ!
解説
🎉 正解です! — ご回答 A/C/D はすべて正しい選択でした。
選択肢 | 判定 | ポイントとなる公式記述 |
---|---|---|
A | ✅ | 「テーブル内のすべてのフィールドを非表示にしたい場合は、テーブルのフィールドコードを指定してください。」(cybozu.dev) |
B | ❌ |
setFieldShown() が使えるのは レコード詳細/追加/編集(PC・モバイル)と PC の印刷画面のみ。レコード一覧(index.show)では利用不可です。(cybozu.dev) |
C | ✅ | 「存在しないフィールドコードを指定した場合は、エラーにならず何も起こりません。」(cybozu.dev) |
D | ✅ | モバイル版でも 詳細・追加・編集の 3 画面で利用可 と明示されています。(cybozu.dev) |
試験対策ワンポイント
-
setFieldShown()
は 一覧画面で使えない 点を取り違えやすいので要注意。 - テーブル単位で非表示にするニーズはケーススタディでも頻出します。
- コンソールエラーが出ない=コードミスに気づきにくいので、デバッグ時は
console.log()
などで動作を確認する習慣をつけましょう。
次の問題も解いてみますか?
「はい」「次へ」など、お好きなタイミングでお知らせください 😉
ChatGPTを使って感じた点
- メリット
- 指示方法に幅を持たせられる
- 「次はREST APIに関する問題」といったような指定が可能
- 回答方法を
a,b,c
、a/b/c
、abc
というように表記揺れしても対応可能
- 解説内で参考のリンクを掲載してくれる
- 指示方法に幅を持たせられる
- デメリット
- 以前に比べて改善はしたが、リンク切れが発生することがある
- o3モデルの場合、出題や解説するまでに少し時間(数十秒程度)がかかる
今回はこれを使って、主にスマホで
問題の出題⇒解答⇒解説確認⇒参考リンクを確認
の流れでスキマ時間を活用して学習を進めました。
Googleドキュメントを使った暗記ノート作成
次に、先ほど使ったChatGPTとGoogleドキュメントを使って、各分野についてのノート形式でまとめてみました。
なお、Googleアカウントは無料アカウントを使っています。
まず、ChatGPTで特定の分野(kintone REST API、プラグインなど)について試験対策用にマークダウン形式で概要をまとめてもらいます。
すると、ChatGPT内でCanvasが立ち上がり、その中に概要が記述されます(これも最近アップデートされた?)。
右上にあるアイコンから、コピーのアイコンを選んでコピーします。
なお、ダウンロードのアイコンを選択すると、pdf形式やMarkdown形式でファイルをダウンロードすることも可能です。
今回は、コピーした内容をGoogleドキュメントに貼り付けてます。なお、貼り付け先はNotionなど別のサービスでもいけました(今回Googleドキュメントを選んだ理由は後述)。
貼り付けの際、右クリックで「マークダウンから貼り付け」を選択すると、マークダウンの形で読み込んでくれます。
貼り付け後は、ドキュメントの整形(表の横幅など)や追記(今回は目次を追加)すればいったん完成です。
今回は1つのドキュメント内に各分野をタブで追加する形にしています。
取り組んだタイミングがギリギリとういうこともあり、こちらは正直あまり活用できませんでした。
受験直前に気になった分野だけサラっと読んで活用した程度です。
時間があればやりたかったこと
- 生成された概要と参考リンクをチェックし、間違っている箇所やリンク切れを修正
- 不足していると感じた部分を自分の言葉で追記・修正
といった感じで進めて、学習ノートを完成する過程で理解を深めていければよかったかなと感じています。
NotebookLMで音声概要生成
最後にちょっと前に流行った、NotebookLMを使った音声概要(今日見たら音声解説になってる?)生成を試してみました。
NotebookLMのソースとして、Googleドキュメントを選択できることもあり、先ほどのノート作成時にGoogleドキュメントを選んだという経緯です。
手順としては、NotebookLMにアクセスして、+新規作成
を選択します。
次に、ソース
-追加
から、左下にあるGoogleドキュメント
を選択して先ほどのGoogleドキュメントを追加します。
ここまできたら、画面右側のカスタマイズ
を選択し、焦点を当てるべきポイントを指定して生成を実行します。
※直接生成ボタンを選択すると、全体のまとめになるので、今回は焦点を当てたいポイントを指定する形にしています
しばらくすると、音声概要が生成されます。
このまま、NotebookLM上で音声を聞く形でもOKですが、私の場合は音声データをダウンロードして、スマホに取り込んでいます。
車での移動中などに音声を聞いたりしました。
なお、こちらも直前で作ったため、活用したのは2日程度です。
注意点
- 無料枠の場合、1日にNotebookLMの音声概要生成できる回数は少なめのため、何種類も一日に作れない
- そのため、ジャンルごとに音声概要を生成したい場合、何日かに分けて作成していくとよい
6️⃣試験本番&結果
試験はテストセンターで受けました。
試験時間60分、出題数40問なので、1問1分程度で解いていけば大丈夫です。
チェックをつけた問題を見直す時間はあったので、体感的にはそこまで時間には追われませんでした。
サンプル問題にもありますが、プログラム内容をチェックする問題は比較的時間がかかる印象です。
各選択肢のプログラムコードが縦に並んでいるため、まずどこが違うかの間違い探しをするのが結構時間がかかります。
実際の受験時、何回読んでも差分がわからない選択肢があり、5分くらいかけて、結局諦めたので、時には見切りをつけるのも必要かと思います。
各セクションの結果はこんな感じです。
元々kintone REST API
は使っていたので、ここで点数を取るつもりでしたが、結果的には一番正答率が悪く、ほかでカバーする感じになりました。
おわりに
今回の記事では、kintone認定 カスタマイズスペシャリスト試験の受験体験をまとめてみました。
無料バウチャーキャンペーンの活用
なお、今回の受験では、サイボウズが提供していた(現在は終了しています)kintone認定 カスタマイズスペシャリスト試験の無料バウチャーキャンペーンを活用させてもらいました。
kintone認定 アソシエイト試験とアプリデザインスペシャリスト試験合格後、カスタマイズスペシャリスト試験の受験も考えましたが、kintoneカスタマイズの経験が少ないため、ある程度知識を得てから受験しようと延び延びになっていました。
カスタマイズスペシャリストはある意味で学習範囲が非常に広い(コンテンツも多い)ので、中々受験に踏み切れない人も多いと思います。
そうした中で、今回のようなバウチャーキャンペーンは非常に助かりました。
期限も決まっているので、学ぶプレッシャーにもなります😁
キャンペーンを実施してくれたサイボウズさんに感謝です。
最後になりますが、この記事がこれから試験に挑戦する方の参考になれば幸いです!
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