Webサイト立ち上げ時のオススメ!GTMを軸とした効率的なタグ管理【GA4・GTM・Google Search Console】
はじめに
Webサイトを立ち上げたら、これらのツールを最初に導入しておくことで、サイトの成長と改善を効率的に進められます。
本記事では、Google Tag Manager (GTM)を軸とした効率的なWebサイト管理手法を解説します。GTMを中心に据えることで、以下の3つのツールを効率的に管理できるようになります:
- Google Tag Manager (GTM) - タグ管理の中核
- Google Analytics 4 (GA4) - アクセス解析
- Google Search Console - SEO対策
Google Tag Manager (GTM) とは?
GTMは、Googleが提供する無料のタグ管理システムです。Webサイトに様々なトラッキングコード(タグ)を設置・管理するためのツールで、コードを直接編集することなく、Web上の管理画面からタグの追加・変更・削除が可能になります。
主な機能:
- タグ管理: GA4、広告タグ、解析ツールなどを一元管理
- 条件設定: 特定のページやイベントでのみタグを発火
- バージョン管理: 設定変更の履歴保存とロールバック
- プレビュー機能: 本番公開前の動作テスト
なぜGTMを軸にするのか? GTMを最初に導入しておけば、GA4やその他のタグをすべてGTM経由で管理できるため、作業の分離と効率化が実現できます。
作業分離の具体例
従来の方法(GTMなし):
- マーケターが新しい広告タグ設置を依頼
- エンジニアがコードを修正・テスト・デプロイ
- 問題があれば再度修正作業
GTM導入後:
- マーケターがGTM画面で直接タグ設定
- プレビューモードで動作確認
- 問題なければ即座に本番公開
結果: エンジニアの工数削減、マーケターの自立性向上、リリース速度の大幅改善
推奨する導入順序
- GA4プロパティ作成 → 測定ID取得(設置はしない)
- GTM導入 → サイトに設置
- GTM経由でGA4タグ設置 → 測定開始
- Google Search Console設定 → SEO監視開始
1. 事前準備:GA4プロパティの作成
なぜ最初にGA4を作成するのか
GA4のプロパティを最初に作成する理由は、測定ID(G-XXXXXXXXXX)を取得するためです。実際のタグ設置はGTMで行うため、この段階ではサイトにコードを埋め込む必要はありません。
手順
-
Googleアナリティクスにアクセス
- Google AnalyticsにGoogleアカウントでログイン
-
プロパティの作成
- 「管理」→「プロパティを作成」
- サイト名、URL、業種、タイムゾーンを設定
-
測定IDの取得
- 「データストリーム」→「ウェブ」を選択
- 測定ID(G-XXXXXXXXXX)をコピーして保存
- ⚠️ この段階では「グローバルサイトタグ」のコードは使用しません
2. Google Tag Manager (GTM) - 中核ツール
なぜGTMを軸にするのか
GTMは、Webサイトのタグ管理において最も重要なツールです。GTMを軸にすべき理由:
🔧 作業の分離とチーム効率化
- マーケター: GTM画面でタグの追加・変更が可能(コード不要)
- エンジニア: 初回設定のみ、以降はGTMコードのメンテナンス不要
- デザイナー: ページ制作時にタグを意識する必要なし
🚀 技術的メリット
- 一元管理: すべてのタグをGTM経由で管理
- パフォーマンス最適化: タグの非同期読み込み、条件付き発火
- バージョン管理: タグ設定の履歴管理とロールバック機能
- テスト環境: プレビューモードでの動作確認
📈 将来の拡張性
- 広告タグ: Facebook Pixel、Google Ads、各種DSPタグ
- 解析ツール: Hotjar、Clarity、Adobe Analyticsなど
- マーケティングツール: HubSpot、Salesforce、MAツール連携
導入手順
-
Google Tag Managerにアクセス
- Google Tag Managerにログイン
-
コンテナの作成
- 「アカウントを作成」→「コンテナを作成」
- サイト名とコンテナタイプ(ウェブ)を選択
-
GTMコードの設置
<!-- Google Tag Manager --> <script>(function(w,d,s,l,i){w[l]=w[l]||[];w[l].push({'gtm.start': new Date().getTime(),event:'gtm.js'});var f=d.getElementsByTagName(s)[0], j=d.createElement(s),dl=l!='dataLayer'?'&l='+l:'';j.async=true;j.src= 'https://www.googletagmanager.com/gtm.js?id='+i+dl;f.parentNode.insertBefore(j,f); })(window,document,'script','dataLayer','GTM-XXXXXXX');</script> <!-- End Google Tag Manager -->
<!-- Google Tag Manager (noscript) --> <noscript><iframe src="https://www.googletagmanager.com/ns.html?id=GTM-XXXXXXX" height="0" width="0" style="display:none;visibility:hidden"></iframe></noscript> <!-- End Google Tag Manager (noscript) -->
-
GA4タグの設定(GTM内で実施)
- 「タグ」→「新規」→「Googleアナリティクス:GA4設定」
- 先ほど取得した測定ID(G-XXXXXXXXXX)を設定
- トリガー:「All Pages」を選択
- 「公開」をクリックして本番反映
GTM活用の実践例
基本的なイベント計測
// ボタンクリック計測の例
dataLayer.push({
'event': 'button_click',
'element_text': 'お問い合わせ',
'element_location': 'header'
});
eコマースイベント
// 購入完了の例
dataLayer.push({
'event': 'purchase',
'transaction_id': '12345',
'value': 15.99,
'currency': 'JPY'
});
3. Google Search Console
導入手順
-
Google Search Consoleにアクセス
-
プロパティの追加
- 「プロパティを追加」→「URLプレフィックス」を選択
- サイトのURLを入力
-
所有権の確認(GTM活用)
- 推奨: 「Google Tag Manager」を選択
- GTMコンテナIDを入力して確認
- 既にGTMが設置済みのため、即座に確認完了
-
サイトマップの送信
- 「サイトマップ」→「新しいサイトマップの追加」
- サイトマップのURL(通常は
sitemap.xml
)を入力
重要な監視項目
- 検索パフォーマンス: クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位
- カバレッジ: インデックス状況とエラーページの確認
- ウェブに関する主な指標: Core Web Vitalsのモニタリング
GTM中心の運用メリット
🎯 効率的なチーム運営
役割 | 従来の方法 | GTM活用時 |
---|---|---|
マーケター | エンジニア依頼→開発→リリース | GTMで即座に設定・公開 |
エンジニア | タグ設置の度に対応 | 初回GTM設置のみ |
データアナリスト | 計測仕様書作成→開発依頼 | GTMで直接実装・テスト |
🔄 継続的な改善サイクル
- 仮説立案: データを見て改善点を発見
- 計測設計: GTMで新しいイベント設定
- テスト実行: プレビューモードで動作確認
- 本番公開: GTMで即座にリリース
- 効果測定: データを蓄積して分析
💡 将来の拡張例
GTMを導入しておけば、以下のツールも簡単に追加できます:
- ヒートマップツール: Hotjar、Microsoft Clarity
- ABテストツール: Google Optimize、VWO
- チャットボット: Intercom、Zendesk Chat
- 広告計測: Facebook Pixel、Twitter Ads、LINE Ads
- メール配信: Mailchimp、SendGrid
まとめ
Webサイト立ち上げ時の最適な設定順序:
順序 | ツール | 目的 | 重要度 |
---|---|---|---|
1 | GA4プロパティ作成 | 測定ID取得 | ★★★★☆ |
2 | GTM導入 | タグ管理基盤構築 | ★★★★★ |
3 | GTM経由GA4設置 | アクセス解析開始 | ★★★★★ |
4 | Search Console | SEO監視開始 | ★★★★★ |
GTM軸のメリット再確認
- 作業分離: マーケターとエンジニアの作業を分離
- 効率化: タグ管理の一元化で運用コスト削減
- 拡張性: 将来的なツール追加が容易
- 品質向上: テスト機能でタグの動作確認が可能
GTMを軸にした設計により、Webサイトの成長に合わせて柔軟にツールを追加・管理できる基盤が完成します。サイト立ち上げ時から正しい設計で始めることで、長期的な運用効率が大幅に向上します。
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