Vibe Codingで学んだIssue設計の重要性 - 「イシューからはじめよ」に学ぶAI開発の本質
Vibe Codingで学んだIssue設計の重要性 - 「イシューからはじめよ」に学ぶAI開発の本質
はじめに
AI コーディング(Vibe Coding)が普及し、開発のスタイルが大きく変わってきました。Claude や ChatGPT などの AI を活用した開発を続ける中で、技術的な実装力よりも「問いを立てる力」や「Issue 設計」の重要性を強く感じるようになりました。
本記事では、Vibe Coding における Issue 設計の重要性と、名著「イシューからはじめよ」から学べる AI 開発の本質について考察します。
Vibe Coding の現実と課題
指示の塩梅が難しい
Vibe Coding を実践していて痛感するのは、指示の出し方の難しさです。
- 指示を出しすぎると、AI が創造性を発揮できない
- ふわっとしすぎると、期待と異なるコードが生成される
この絶妙なバランスを取るために重要なのが、適切な粒度での Issue 設計です。
小さな単位での Issue 切り
実践を通じて分かったベストプラクティスは以下の通りです:
- 小さな単位で Issue を切る
- 目的を明確に伝える
- 期待する成果物を具体的に示す
大きすぎる Issue では AI が迷走し、小さすぎると全体像を見失います。適切な粒度で問題を分解し、それぞれに明確な目的を持たせることが重要です。
こだわりと事前準備のバランス
AI にコーディングを任せる際、こだわりを捨てることも大切です。しかし、完全に任せると「なんかいけてないコード」が生成されることも事実です。
この問題を解決するためには:
- CLAUDE.md などのドキュメントを事前に準備
- コーディング規約やアーキテクチャ方針を明文化
- AI が参照できる形で知識を整理
事前準備には Claude 自体を活用することをお勧めします。
「イシューからはじめよ」とVibe Codingの共通点
書籍の概要
「イシューからはじめよ」は、知的生産の本質を「イシュー度」と「解の質」の2軸で整理した名著です。
- イシュー度:その問題に答えを出す意味があるか
- 解の質:そのイシューに対してどれだけ明確に答えられているか
書籍では、多くの人が「解の質」にばかり注目し、「イシュー度」を軽視していることを指摘しています。
Vibe Codingとの関連性
この概念は、プログラミングとは直接関係がないように見えますが、Vibe Coding の大切なことが詰まっていると感じます。
従来の開発では:
- 実装力(解の質)が重視される
- 技術的な課題解決に注力
Vibe Codingでは:
- 何を作るべきか(イシュー度)がより重要
- 問いを立てる力が開発効率を左右
AI が実装を担当する時代において、人間の役割は「正しい問いを立てること」にシフトしています。
実践のポイント
1. 問いを立てる力を鍛える
- なぜこの機能が必要なのか?
- この実装によって何が解決されるのか?
- 本当に価値のある問題に取り組んでいるか?
2. Issue 設計の工夫
## Issue例
### 目的
ユーザーがスムーズにログインできるよう、認証フローを改善したい
### 現状の問題
- ログイン失敗時のフィードバックが不明確
- パスワードリセットの導線が分かりにくい
### 期待する成果
- エラーメッセージの改善
- パスワードリセット機能の UI 改善
- ユーザビリティテストで満足度向上を確認
3. 人間と AI の役割分担
実践を通じて分かったのは、細かいことは人間の方が楽だということです。
AI が得意:
- 大量のコード生成
- パターンに従った実装
- ドキュメント作成
人間が得意:
- 要件の詳細調整
- エッジケースの考慮
- ユーザー体験の設計
まとめ
Vibe Coding の時代において、技術的な実装力よりも「問いを立てる力」が重要になっています。「イシューからはじめよ」の考え方は、AI 開発における Issue 設計や要件定義にも大いに応用できます。
適切な粒度で Issue を切り、明確な目的を持って AI に指示を出すことで、より効果的な開発が可能になります。そして、人間は AI が苦手とする細かい調整や判断に集中することで、全体の開発効率を向上させることができるでしょう。
参考書籍
本記事で言及した書籍は、Vibe Coding を実践する上で非常に参考になります。問いを立てる力を鍛えたい方にお勧めです。
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