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「マネジャーの最も大切な仕事」を読んで「生産性」をハックする

2023/06/28に公開
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https://eijipress.co.jp/products/2240

まず、この書籍について

タイトルこそ マネジャーの最も大切な仕事 95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 となっているが、対象読者は現役マネジャーやマネジャー候補者に絞られない。むしろリモートワークが増えた現代においては、セルフマネジメントが重要になっているので、メンバークラスでも読んでおいた方が心の平静を保つ一助になるかもしれない。
具体、何が書かれているかを最初に書いておくと、「生産性の上げ方」だった。人の生産性は何を原因として上がったり、下がったりするのかが、膨大な研究データから一部を抜粋して紹介されている。
この書籍の読みにくいところはそこで、至る所でブルースとかハリーとかジャックとかマーシャとか、あちらの方のカタカナ名とともに日々の仕事の日誌の内容が紹介される。35年かけて集めた1万2千もの日誌を解析していて、その中には中小企業だった会社があれよあれよというまに大企業になる過程に勤めていた人の日々の奮闘やら、地元では就職したら安泰と言われていた手堅い企業が買収によって経営が悪化して解散するまでの苦悩が綴られた日誌もある。
この日誌の抜粋を紹介するおかげで、データから分析した法則に信ぴょう性が担保されているのは確かだが、その頻度が高い。そこが読み進めていくのに少し苦労するところだった。

「生産性の上げ方」

別にこの書籍の書評を書きたいわけではない。この書籍を読んだのは、セルフマネジメントの身につけ方、のような記事で紹介されていたからだった。「生産性の上げ方」がわかったので、マネジャーはメンバーにこのように接するとよい、という内容なので、それをセルフでやってしまおう、ということだ。
では、その「生産性の上げ方」とはなにかというと、「インナーワークライフ(個人的職業体験)を生み出すこと」と記述されていた。

「インナーワークライフ」

=「個人的職業体験」。職業体験、と訳されているのでキッザニア的なことを思い浮かべたが違った。これは文字通り、「日々、仕事で身に起きていること」という意味の体験だった。「インナーワークライフ」は、 感情認識モチベーションの3つの要素の相互作用のことを指すと書かれている。わかりやすい例が書かれていたので引用する

機械やロボットであれば、電源が続く限り、ひたすら安定した業務遂行が可能だ。
しかし、我々はそうはいかない。やる気満々で仕事に取り掛かることもあれば、
急に集中力や責任感が低下することもある。
好きな人に応援されると頑張れたり、大切にされるとやる気が湧いたり、
クレームを受けたり無視されると落ち込むなど、意欲は状況に応じて多様に変化する。

「インナーワークライフ」が向上すると「生産性が上がる」以外にも上がるものがある。それは「創造性」「コミットメント」「同僚性」らしい。「インナーワークライフ」が向上すれば、創造的な進捗を生産性高く創出し、良き同僚として振る舞うことができる。

構成要素

「インナーワークライフ」を構成する3つの要素感情認識モチベーションをそれぞれ分解した解説が載っていた。

感情:職場での出来事に対する反応。ポジティブな感情、ネガティブな感情、全体的な気分
認識:職場での出来事に対する状況認識。組織の変化、マネジャーの振る舞い、仕事の内容、達成感
モチベーション:仕事への熱意。何をするか、やるかどうか、どうやるか、いつやるか

まとめると、
感情は、はっきりとした意味のわかる反応であり、いい気分とか嫌な気分といった漠然とした気持ちのことでもある。喜び、苛立ち、落胆、誇り、感謝、怒り。または何だか今日はいい気分だな、天気もいいし風が気持ちいい。

認識は、出来事に対する瞬間的な印象や、思考した上での見解など。上司がケーキをオフィスに差し入れしてくれた。忙しくない時期であれば上司に対して親切な人という印象を持つし、炎上中のプロジェクトであれば「いいから手を動かしてくれ」「この上司は周りが見えていないのか」と考える。

モチベーションは、タスクを消化しようとする意欲のこと。外発的動機付け、内発的動機付け、利他的動機付けによって構成される。先頭から、給料や評価、仕事への情熱、仲間意識や一体感。

セルフマネジメントでハックできるのはどこか

人は職場での出来事を「インナーワークライフ」を通して見ている。
感情は、コントロールしづらい。無謀な納期を言い渡してくる上司には瞬間的に悪感情を抱いてしまう。
認識は、訓練することでいくらかマシにできそう。瞬間的な印象を持つのは良いが、必ず背景を考えるようにする、などの訓練で改善できるかもしれない。
モチベーションは、内発的動機付けをハックできそうだ。書籍中にもある実験が書かれていた。内発的動機付けを想起させるような質問文を読んだ後で、創造的なタスクに取り掛かると、そうでない場合と比べて創造性が高い結果になる、と。

まとめ

つまり、モチベーションを内発的動機付けによって上げるために、毎日、内発的動機付けを想起させる質問文を見るような仕組みを作ると良さそうです。ちなみにその質問文というのは、こういったものです。

あなたは自分の創造性についてどのように思いますか?
あなたは自分の創造性をどのように高めたいと思いますか?
あなたは自分の創造性をどのように発揮したいと思いますか?
あなたは自分の創造性をどのように評価したいと思いますか?
あなたは自分の創造性をどのように活用したいと思いますか?

ChatGPTなどの生成AIに頼れば、この類の質問文を無限に生成してくれそうです。その際は、この記事で紹介した書籍のモチベーションの章の実験データ元である学術記事「Handbook of Creativity」の「Motivation and Creativity」の章を食わせるといいかもしれない。

蛇足

私は2023年現在、STORESという会社でキャッシュレス決済のAndroidアプリ開発をしています。STORESには他にもAndroidアプリを展開しているプロダクトがあります。Androidエンジニアも募集中ですので、ご興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にカジュアル面談してください。

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