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1人チームを「小さなGoogle」に変える、AIネイティブな組織論『デュアルトラック・アジャイル』

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これから求められる6つの能力

ハイコンセプト

  • 「発想の能力」:誰も思いつかなかった新しい価値を創造する力
    1. 個別よりも「全体の調和

      • 異なるアイデアを組み合わせて新しいものを創造し、全体を調和させる能力
      • (一見無関係に見える複雑な物事をつなぎ合わせ、新しい関係性やパターンを見つけ出すパターン認識能力が基礎)
    2. 機能だけでなく「デザイン

      • 感情に訴えかけ、人々を魅了する美意識
      • ただし、「デザインとは機能である」というスティーブ・ジョブズの名言があります。"ユーザーに1つの行動を促す"というUI/UXのユーザビリティの視点やそのためのシンプルさも必要。
      • (この思想は、ヤコブ・ニールセンが提唱した「ユーザビリティ10原則」[1]にも通じています)
    3. 議論より「物語(ストーリー)

      • 文脈や感情を伴った物語によって人の心を動かし、納得させまとめる能力
      • (この"物語"の力が、いかにして人類を支配してきたかは、ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」[2][3]に詳しい。)

ハイタッチ

  • 「心の能力」:感性的な価値を人々の心に届け、共感を広げる力

    1. 論理ではなく「共感

      • 相手の立場に立って、相手の感情に共感する能力
      • 人の感情の機微を読み取る能力(マーケターの資質の1つ)
    2. マジメだけでなく「遊び心

      • ユーモアや楽しむ姿勢は、健康や仕事の生産性を高め、新しいアイデアやイノベーションを生み出す源泉
      • (マット・リドレーは、その著書「人類とイノベーション」[4]の中で、イノベーションがいかに"遊び"の中から生まれてきたかを論じています。)
    3. モノよりも「生きがい

      • 人々が生きがいを見つける手助けができる能力。人を元気づけ、モチベーションを高める能力
      • (これは、スコット・ベドベリらがナイキで実践した、製品の機能ではなくメンターとして「本物の感情的なつながり」をもってそばで応援する『ザ・ブランド・マーケティング』[5]の思想と一致します。)
  • (「6つの能力」の全体像は、ダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」[6]でより深く学ぶことができます。)

背景 / これが生まれた文脈

組織体制

  • 「従来型の組織」から、全く新しいスタイルの「AIネイティブな組織」へのトランスフォーメンションが必要

  • 超高速機動が前提

    • 早すぎる世界の流れについていける組織体制にしないといけない
    • (戦略とは「戦い(軍事)」の「はかりごと(略)」です。戦いには不変の原理・原則があり、その中でも「機動の原則」は常に勝敗を分ける重要な要素です[7]。)
  • 第6世代戦闘機のパイロットのような、複数のAIドローンを操作する個人でチームを組む必要

    • ファネル搭載機ガンダムのパイロットのような存在
  • トリプルトラック・アジャイル」へとチームを拡張する事が可能

    • コンバインド・アームズ(それぞれの専門職が集まったチーム)を前提にした「シックスマンセル」を基本単位
    • アルミハニカム構造の六角形から着想(ロケットや航空機で使用される)
      • メリット : 軽量、高い強度、剛性、衝撃吸収性、優れた加工性(高機動で柔軟、しかもマッシブな組織)
      • デメリット: 製造コストが高い、損傷しやすい、修理が難しい(組織文化を構築し、維持するのが難しい)
    • さらに拡大させる際は、6人1チームを基本単位としてハチの巣のように疎結合・拡大させてユニットチームにしていく
    • 将来的なマイクロサービス化を視野に入れた「疎結合なチーム」を初期段階から意識
    • (このような疎結合で自律的なチームこそが、Nicole Forsgrenらが名著『LeanとDevOpsの科学』[8]の中でデータによって証明した、最もパフォーマンスの高い組織形態です。)

設計思想・理論(私のチームを構成する「7つの柱」)

  • 1. デュアルトラックアジャイル

    • リーダー
      • プロダクトマネージャー & グロースマーケター
    • ディスカバリー・トラック(未来)
      • リサーチャー & UI/UXデザイナー
      • 「次に、何を創るべきか?」
    • デリバリー・トラック(現在)
      • プログラマー
      • 「どうやって、今すぐ創るか?」
    • (このグロースマーケター主導の思想は、ショーン・エリスらが提唱した「グロースハック」[9]の考え方を開発プロセスに適用したものです。)
  • 2. FDD(フィーチャー駆動開発)

    • マーケターがユーザーが何を求めているかについてリサーチを行い、「機能リスト」へと落とし込む
    • 「Epic」から「Task」へとチケットを細分化(燃え尽き症候群の予防)
  • 3. リーンスタートアップ

    • 高速MVP検証
    • 95%~99%は失敗する。失敗を前提にスタートする
  • 4. カンバンボード

    • 直感的に把握できるよう、思考の流れを「見える化」
    • WIP制限によるフローの最適化ボトルネックの特定
  • 5. トヨタリーンマネジメントとCI/CD(TDD)

    • 人間(正社員)の仕事: 新しいワークフローを設計・改善する
    • AI(派遣社員)の仕事: 設計されたワークフローに従い、テスト、ビルド、デプロイを正確に実行・改善を繰り返す
    • 同じドメイン・仕事を担当し、過去業務の思い出しのコスト削減暗黙知の蓄積を進める
    • その後、あらゆる繰り返し作業や手作業などの無駄を排除し、自動化を進める
  • 6. 【1週目】改善セレモニー:レトロスペクティブ

    • 技術的負債の計画的な返済(リファクタリング)と軌道修正
    • シックスハット法」で「見える化」
      • 「批判的な意見が多い」など自分を客観視できる仕組み(性格によるものなので、自分を客観視できる仕組みにする)
      • (現在は1人であるため、「批判的な意見も含めてあなたの考えをお聞きしたいです」というプロンプトをよく使用しています)
    • 「KPT (Keep, Problem, Try) 」フレームワーク
      • Keep : 今回のスプリントで、上手くいったこと、続けるべきことは何か?
      • Problem: 問題だったこと、上手くいかなかったことは何か?
      • Try : 次のスプリントで、新しく挑戦してみたい改善案は何か?
      • 次のスプリントで実行する「Try(改善アクション)」を、1つか2つ選び、新しいタスクとしてバックログに追加する
    • 非同期でも良いかもしれない
  • 【2週目】創造的な交流セレモニー:クロスファンクショナル・セッション

    • 創造的な化学反応を起こし、クリエイティブでイノベーティブなIdeaを生み出す事が目的
    • ポジションが違うため、様々な角度・情報・技術を知る事ができる
    • 新しい技術トレンドのキャッチアップ(OSS活動や勉強会参加)
    • 趣味・取り組んでいることの共有会(雑談などによる心理的安全性の確保
    • 創造的な交流による刺激を起こす事が目的。集まる必要性あり
  • 7. OKR

    • 高い目標を掲げるが、70%の達成でクリアとする
    • (このような野心的な目標設定(OKR)が機能するためには、失敗を恐れずに挑戦できる「心理的安全性」[10]が不可欠です。)
  • 軍事学による裏付け

    • ナポレオンは運動エネルギーの公式を重視していた事は有名(当時では画期的)
      • K = 1/2 * mv²を重視(兵力ではなく速度の方が効果が高い)
    • 計算量理論「ビッグオー記法」の観点からは、「無駄を削減」するより「速度の改善」をすると「非線形なブレークスルー」が起こる
      • データ量n(人数)を1/2の作業者でできるようにするより、アルゴリズム(速度)を改善し、O(1)O(log n)を目指す事によるパフォーマンス向上の方が劇的

実践

具体的なワークフロー・ツールセット

  • 命名規則

    • 「動詞ファースト」形式
    • [Epic] [動詞] [目標/アウトカム] for [戦略目標]
    • [Story] [動詞] [目標/機能] for [ユーザータイプ] to [ユーザー価値]
    • [Task] [動詞] [目標] to [Epic/Story]
  • プロダクトバックログ

    • 機能リスト
    • 「Idea」など、まだ形になっていないタスク
      Product Backlog
      Product Backlog_matrix
  • イシューの親子関係

    • Epic > User Story > Taskという親子関係
      Issue - Hierarchy
      Issue - Hierarchy_matrix
  • MoSCoWフレームワーク

    • 「重要度」のフレームワーク
    • 「価値」で優先順位
      MoSCoW - Issue
      MoSCoW - Issue_matrix
  • 現在のスプリント(スプリントバックログ)

    • 今週取り組む具体的なタスク(機能リストの中から)
    • チームのリズムを作る
      Current Sprint
      Current Sprint_matrix
  • Priority

    • 「緊急度」のフレームワーク(今後使用する予定)
    • 「バグ」などの優先的に対処するタスクを整理

将来展望(AIドローン部隊を編成・指揮する「次世代のチーム」)

  • トリプルトラックアジャイル

    • バリデーション・トラック(過去):グロースマーケター & データサイエンティスト
      • 「創ったものは、正しかったか?」
  • Figmaでのプロトタイピング

    • AIによる高速A/Bテスト
    • ユーザー個人に最適化した、ローグライクなUI/UXデザインを目指す
  • TDD・専門のAIエージェント群の導入

    • デプロイ後のA/Bテスト改善などの、機械化歩兵AIエージェント
    • デプロイ後のデータ分析などの、通信AIエージェント
    • コードの自動レビュー、テスト環境の構築、バグ報告の自動整理、CI/CD・静的解析などの、整備AIエージェント
    • 日々の改善作業については、専門兵科のAIエージェントに完全に委任する
  • AIドローンの高度連携(第6世代戦闘機のネットワーク中心戦)

    • これらのAIエージェント群は、それぞれが独立したAPIを持つ「マイクロサービス」として機能させる
    • 人間(パイロット)は、これらのAIエージェントをオーケストレーションし「サービスメッシュ」としてのAIドローン群を率いるパイロットのような役割になる

今後の予定

これから、AITuber・AIを使ったファッション・アニメ・ゲーム・IPなどをやっていきます。
そのために、「渡瀬ヤマト」というキャラクターを創りました。

https://note.com/yamato_watase_nt

私について

- 私自身がマーケター・リサーチャーをルーツにしたプロダクトマネジャーまたはクリエイターというポジションになるため、ユーザー起点である「FDD」をベースとしたスタイルにたどり着きました

  • プログラミングについては、2022年11月にChatGPT3が発表されてからすぐに勉強を始めました

  • 最低限のリテラシーは習得していると思います

    • DevOps・CI/CDパイプライン(git workflows)
    • デザインパターン
    • Gitでのバージョン管理
    • Docker化(wsl環境でのxformersなどのAI推論高速ライブラリなど)
    • poetry宣言型による管理
  • UI/UXデザイン・データサイティンストのスキルについては、マーケターとの親和性があるので最低限の事はできると思います


https://x.com/Yamato_Watase

読書したり、論文読んだり、
プログラミングしたり、リサーチしたり、
キャラクターシート書いたり、新しいワークフロー検証したり、
X見る時間は決めているので返信遅めです。

それか、ピッコマ読んでます
今少女漫画にハマってますw
これもう「少女ジャンプ」だよLoL

参考文献

脚注
  1. ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10原則 ↩︎

  2. ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史・上」 ↩︎

  3. ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史・下」 ↩︎

  4. マット・リドレー「人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する」 ↩︎

  5. スコット・ベドベリ、スティーヴン・フェニケル『ザ・ブランド・マーケティング 「なぜみんなあのブランドが好きなのか」をロジカルする』 ↩︎

  6. ダニエル・ピンク「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代―――富を約束する「6つの感性」の磨き方」 ↩︎

  7. 木元 寛明「戦術の本質 戦いには不変の原理・原則がある」 ↩︎

  8. Nicole Forsgren Ph.D.、Jez Humble、Gene Kim、武舎広幸、武舎るみ 『LeanとDevOpsの科学[Accelerate] テクノロジーの戦略的活用が組織変革を加速する』 ↩︎

  9. ショーン・エリス、モーガン・ブラウン「Hacking Growth グロースハック完全読本」 ↩︎

  10. ピョートル・フェリクス・グジバチ「心理的安全性 最強の教科書」 ↩︎

  11. ルーク・バージス「欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア」 ↩︎

  12. A・G・ラフリー、ロジャー・L・マーティン、アラン G. ラフリー『P&G式 「勝つために戦う」戦略』 ↩︎

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