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Flet (Flutter + Python) LineChart に関する問題点のまとめと解決方法

2024/11/30に公開

Flet(Flutter + Python)のLineChartについて、自分が詰まったポイントを丁寧に解説します。

1. データ構造の理解

最も重要なのは、データの構造です。LineChartは以下の階層で構成されています。

LineChart
├── data_series: List[LineChartData]  # メインのデータ配列
│   └── LineChartDataPoint  # 各データポイント (x, y)
├── left_axis: ChartAxis    # 左軸の設定
│   ├── labels: List[ChartAxisLabel]  # 軸ラベルの配列
│   │   ├── value  # ラベルを表示する位置の値
│   │   └── label  # 実際に表示するテキスト (ft.Text)
│   ├── labels_size  # ラベルエリアのサイズ
│   └── title      # 軸のタイトル
├── bottom_axis: ChartAxis  # 下軸の設定
│   └── (left_axisと同じ構造)
├── right_axis: ChartAxis   # 右軸の設定(オプション)
│   └── (left_axisと同じ構造)
└── top_axis: ChartAxis     # 上軸の設定(オプション)
    └── (left_axisと同じ構造)

重要なポイント:

  1. 基本的には left_axisbottom_axis は設定することを推奨します
  • これらがないと、軸の値が自動的に生成され、見にくくなる可能性があります
  1. 典型的な使用例
chart = ft.LineChart(
    # メインのデータ配列
    data_series=[
        ft.LineChartData(
            data_points=[
                ft.LineChartDataPoint(1, 100),  # (x, y) = (1, 100)
                ft.LineChartDataPoint(2, 150),  # (x, y) = (2, 150)
                ft.LineChartDataPoint(3, 200),  # (x, y) = (3, 200)
            ],
            color=ft.colors.BLUE,
            curved=True
        ),
        # 複数のラインを表示する場合は、LineChartDataを追加
        ft.LineChartData(
            data_points=[
                ft.LineChartDataPoint(1, 80),
                ft.LineChartDataPoint(2, 120),
                ft.LineChartDataPoint(3, 160),
            ],
            color=ft.colors.RED
        )
    ],
    left_axis=ft.ChartAxis(
        labels=[
            ft.ChartAxisLabel(
                value=1,
                label=ft.Text("1K", size=14)
            ),
            # ... 他のラベル
        ],
        labels_size=40 #ラベルのサイズを指定
    ),
    bottom_axis=ft.ChartAxis(
        labels=[
            ft.ChartAxisLabel(
                value=1,
                label=ft.Text("Jan", size=14)
            ),
            # ... 他のラベル
        ],
        labels_size=40 #ラベルのサイズを指定
    ),
    # オプション設定
    expand=True,
    max_y=150000,
    min_y=0,
    interactive=True,
)
  1. オプション設定:

    • right_axistop_axis は必要な場合のみ設定
    • これらは二軸グラフを作成する場合などに使用します
  2. ChartAxis の追加設定:

    • title: 軸のタイトル(ft.Text)
    • title_size: タイトルエリアのサイズ
    • show_labels: ラベルを表示するかどうか(デフォルトはTrue)
    • labels_interval: 自動生成されるラベルの間隔

このように、LineChartは非常に柔軟な構造を持っており、必要に応じて詳細なカスタマイズが可能です。

2. グラフの表示範囲設定

よく混乱するのが、グラフの表示範囲です。

chart = ft.LineChart( # グラフの表示範囲を設定
    min_x=0,  # X軸の最小値
    max_x=14, # X軸の最大値
    min_y=0,  # Y軸の最小値
    max_y=4,  # Y軸の最大値
)

重要なポイント:

  • これらの値を設定しないと、データが正しく表示されない可能性があります
  • データの範囲より少し大きめに設定するのがおすすめです

3. 軸ラベルのカスタマイズ

軸のラベリングで混乱しやすい部分:

left_axis=ft.ChartAxis(
    labels=[
        ft.ChartAxisLabel(
            value=1,  # 実際の値
            label=ft.Text("1m", size=14)  # 表示するテキスト
        ),
    ],
    labels_size=40,  # ラベルエリアのサイズ
)

注意点:

  • valueは実際のデータ値に対応
  • labelは表示したい文字列
  • labels_sizeを忘れると、ラベルが切れる可能性があります

4. スタイリング

見た目の調整

ft.LineChartData(
    curved=True,  # 曲線にする
    stroke_width=8,  # 線の太さ
    color=ft.colors.LIGHT_GREEN,  # 線の色
    stroke_cap_round=True,  # 線の端を丸くする
)

5. レスポンシブ対応

画面サイズに応じた対応:

chart = ft.LineChart(
    expand=True,  # 親コンテナに合わせて拡大
)

これらの点に気をつけることで、スムーズにLineChartを実装することができます。特に、データ構造の理解と表示範囲の設定は、最初に確実に押さえておくことをお勧めします。

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