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EC-CUBE案件のキャッチアップ手順
EC-CUBE案件のキャッチアップ手順
1. プロジェクトの全体構成を把握
まず、ディレクトリの全体構造を確認し、どの部分がカスタマイズされているのかを把握します。
EC-CUBE プロジェクト構成
├── app/ # カスタマイズや設定変更用のディレクトリ
├── src/ # コア機能が含まれるディレクトリ(基本的に編集しない)
├── config/ # 設定ファイルが格納されるディレクトリ
├── var/ # キャッシュ・ログなどの一時ファイル
├── html/ # 公開ディレクトリ(エントリーポイント)
├── vendor/ # Composer で管理される外部ライブラリ
└── plugins/ # プラグインのソースコード(プラグインによる)
2. app/ - カスタマイズの中心
EC-CUBEのカスタマイズはapp/ディレクトリに集中しているため、最初にチェックすべきポイント。
(1) app/Customize/ - 独自カスタマイズ
確認すべき点:
-
Controller/(独自コントローラがあるか) -
Repository/(データ取得ロジックのカスタマイズ) -
Service/(独自のサービスクラス)
どのように見るか:
-
Controller/→ 追加・変更されているコントローラを確認 -
Service/→ 追加されているサービスがないか確認し、services.yamlの設定と照合 -
Repository/→ 既存のEC-CUBEのエンティティをどう拡張しているか確認
(2) app/Plugin/ - プラグイン
確認すべき点:
-
app/Plugin/配下にカスタムプラグインがあるか -
Plugin.yaml(プラグインの設定情報) -
Controller/(プラグイン独自のコントローラ) -
Entity/(プラグインが追加するエンティティ) -
Repository/(プラグインのデータ取得ロジック)
どのように見るか:
-
app/Plugin/配下のディレクトリを確認し、どんなプラグインが導入されているかを把握 - EC-CUBEの管理画面の「オーナーズストア > プラグイン一覧」と照合して、有効・無効の状態を確認
(3) app/config/eccube/ - 設定ファイル
確認すべき点:
-
services.yaml(独自サービスの登録) -
routes.yaml(カスタムルートの追加)
どのように見るか:
-
services.yaml→app/Customize/Service/内のカスタマイズ内容と対応するか確認 -
routes.yaml→@Routeアノテーションではなく、ここでルートを追加しているケースもあるためチェック
3. config/ - フレームワークの設定
config/ はSymfonyの設定ファイルが格納されているディレクトリ。EC-CUBE全体の挙動を確認するために、以下のファイルを見る。
(1) config/bundles.php - バンドルの登録
確認すべき点:
- どのバンドルが登録されているか(カスタムバンドルがあるか)
どのように見るか:
-
YourCustomBundle::classのようなカスタムバンドルが追加されていれば、src/YourCustomBundle/内の構造を確認
(2) config/packages/ - 各種設定
確認すべき点:
-
doctrine.yaml(データベース設定) -
twig.yaml(テンプレート設定) -
security.yaml(認証・認可設定)
4. src/ - コア機能の確認(編集は推奨されない)
(1) src/Eccube/Entity/ - 既存エンティティ
確認すべき点:
- 直接変更されているエンティティがあるか
(2) src/Eccube/Repository/ - 既存のデータ取得ロジック
確認すべき点:
- 直接カスタマイズされているリポジトリがあるか
5. html/ - フロントエンドの確認
(1) html/template/ - テンプレート
確認すべき点:
-
html/template/default/内にカスタマイズされたTwigテンプレートがあるか
どのように見るか:
-
app/template/にあるべきカスタムテンプレートが、直接html/template/に置かれていないか確認 -
twig.yamlの設定と照合
6. var/logs/ - ログの確認
ログをチェックし、エラーや警告が発生していないかを確認。
どのように見るか:
-
var/logs/prod.log(本番環境のエラーログ) -
var/logs/dev.log(開発環境のエラーログ)
まとめ
キャッチアップ時には、以下の順番で確認するとスムーズにプロジェクトを理解できます。
- 全体構造の把握
-
app/(カスタマイズ内容の確認) -
config/(システム設定の確認) -
src/(コア部分に変更があるかチェック) -
html/(フロントエンドの変更確認) -
var/logs/(エラーや警告の確認)
これらを押さえれば、EC-CUBEのカスタマイズ状況や、どこを修正すべきかが明確になります。