doccanoをCloud Runにデプロイして複数人で利用できる環境を構築する
概要
doccanoはOSSで開発されている自然言語処理向けのアノテーションツールです。この記事では、doccanoをCloud Run上にデプロイして、複数人が異なる環境からアクセスしてアノテーション作業を行えるような環境を構築します。
方法
DoccanoレポジトリのOne-click Deploymentからデプロイ
doccanoのGitHubレポジトリには「One-click Deployment」という項目があり、AWSやGCPなどのクラウド環境にデプロイできるボタンが提供されています。今回はこのボタン経由でサービスを作成します。
なお、上記ボタンにも注釈がありますが、このボタン経由で起動するdoccanoはDockerバージョンであり、あまり大量のユーザが同時に利用しない小さなチーム向けの設定です。Docker Composeで起動するものとはバックエンドのDBの種類が異なります(sqlite/PostgreSQL)
Cloud Shell Editorで環境設定
Cloud Runのボタンを押すと、ブラウザ上でCloud Shell Editorが起動しインストールが始まります。この処理の途中にGCPプロジェクトやユーザ情報等の設定を聞かれるので、下記のように自身の環境に合わせて設定します。
key | value |
---|---|
Choose a project to deploy this application |
your-project (自分のGCPプロジェクト) |
Choose a region to deploy this application |
asia-northeast1 (任意の起動するリージョン) |
ADMIN_USERNAME |
admin (任意の名前) |
ADMIN_PASSWORD |
password (任意のパスワード) |
ADMIN_CONTACT_EMAIL |
admin@example.com (任意のメールアドレス) |
DATABASE_URL | sqlite:////data/doccano.db |
DEBUG |
false (何も入力せずエンターを押す) |
doccanoのビルドやデプロイには数分ほど時間がかかります。問題なく起動すると、コンソール画面の最後にデプロイされたdoccanoのURLが表示されます。
[ ✓ ] Your application is now live here:
https://doccano-hogehoge.a.run.app
また、GCP consoleのCloud Runのサービス一覧からも、doccano
という名前でサービスが立ち上がっていることが確認できます。
doccanoにアクセスする
これで設定は完了です。ブラウザで上記のURLにアクセスすると、doccanoにアクセスすることができます。
あとはadminのページからアノテーターごとにアカウンントを発行しURLとともに配布すれば、複数人でのアノテーション環境構築は完了です(参考)。
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