Serena(Oraios)でコーディングエージェントを強化する:コーディングエージェントツールキット最新レビュー
※ 情報は 2025年9月時点の 公式GitHubリポジトリ を参照しています。利用時は最新版を確認してください。
はじめに
AIに「あなたは◯◯のスペシャリストです」と肩書きを与えれば精度が上がる——そんな記事を読んで、「俺、AI使いこなしレベルは他の有象無象より上だぜ!」と優越感に浸っていたのも束の間。
はるか昔につけた肩書きのコンテキストはいつの間にか入れ替わり、気づけば出力精度は落ちまくり、時計の針は午前1時。
「ふっ、AIもまだまだだな。結局、俺の手の方が速くて正確だし…ぬくもりまでついてるぜ。」と手で実装。
そんなことを繰り返している自分に言いたい。
「そのコンテキスト、とっくにリセットされてんze!⭐️」
もちろん、「あなたは◯◯のスペシャリストです」程度のプロンプトだけで劇的に精度が上がることはありません。
ここで登場するのが Serena です。
Serenaとは何か
Serena は、Oraios AI が開発するオープンソースの コードエージェントツールキット です。
Claude Code や Cursor など MCP(Model Context Protocol)対応クライアントと連携し、LLMに IDE的な機能 を追加できます。
主な機能:
- シンボル検索(関数・変数・クラスなど)
- 参照関係の追跡
- シンボル単位でのコード編集(挿入・置換など)
(機能の詳細や最新の対応言語・使い方は公式リポジトリの README を参照してください)
Serenaがある場合とない場合の違い
Serenaがある場合
- 関数やクラスをシンボル単位で正確に検索できる
- 参照関係を追跡できるため、修正の影響範囲を把握しやすい
- 構造を理解した編集が可能になり、置換ミスを減らせる
- 必要な部分だけを扱うため、トークン消費を削減できる
Serenaがない場合
- コードはテキストとして処理されるだけ
- 検索や編集は全文検索や文字列置換に依存
- 毎回、長い背景説明をプロンプトに書く必要がある
- トークン消費が大きく効率が悪い
- コンテキストが途切れると一から説明し直さなければならない
👉 まとめ
Serenaを導入しても「コンテキストのリセット」自体は防げません。
しかし、AIがコードベースを直接参照できるようになることで、余計な説明や曖昧な置換に振り回されることなく、より安定した精度で効率的に開発を進められるようになります。
導入方法(公式ドキュメント準拠)
前提
- Python 3.11+
-
uvxまたはuvが利用可能 - MCP対応クライアント(Claude Code, Cursor, Claude Desktop など)
インストール方法
uvx --from git+https://github.com/oraios/serena serena start-mcp-server
Claude Code との連携例
claude mcp add serena -- uvx --from git+https://github.com/oraios/serena serena start-mcp-server --context ide-assistant --project $(pwd)
連携確認方法(簡易)
- クライアントの MCP 設定画面で Serena が登録されていることを確認
-
serena start-mcp-serverを実行しているターミナルに、クライアントからの接続ログが出るか確認 - クライアント側からシンボル検索などの操作を試し、期待する結果が返れば連携完了
まとめ(最終)
Serenaは「コンテキストのリセット」を防ぐものではありません。
しかし、コードベースを直接参照し、構造に基づいた検索や編集を可能にすることで、プロンプトのやり直しや誤編集を減らし、効率的に開発を進められるようになります。
もしあなたが、AIに長い指示を何度も書き直しながら「なぜ思った通りに動いてくれないんだ」と夜更けにため息をついたことがあるなら、Serenaはその疲れをきっと和らげてくれるはずです。
ときには肩の力を抜いて、「お願いしまーす!」 と任せてみる。そんな軽さが、あなたの開発をもっと楽にしてくれるでしょう。
AIとのやりとりが長く続き、精神をすり減らしているあなたの一助となれれば幸いです。
最後に
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参考リンク
京都芸術大学のテックブログです。採用情報:hrmos.co/pages/xtm/jobs 芸大など5校を擁する瓜生山学園は、通信教育で国内最大手、国内で唯一notionと戦略パートナー契約を結ぶなどDX領域でも躍進、EdTech領域でAIプロダクトを開発する子会社もあり、実は多くのエンジニアがいます。
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