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京都芸術大学、DXとEdTech Product開発に本気な件。子会社スタートアップ立ち上げ、Notionとも日本初の戦略的提携

に公開

はじめまして!京都芸術大学 DXプロジェクト事務局 責任者の木原です。
早速ですが先日公開したプレスが、大きな反響をいただいております。
https://www.kyoto-art.ac.jp/news/press/1410

あのNotionと、日本初(大学としてではなく法人として)の戦略的パートナーシップを締結、ということで、「京都芸術大学?」となった方もいらっしゃるかと思います。
https://thebridge.jp/2025/02/kyoto-university-of-the-arts-x-notion-kick-off-education-dx-how-will-generative-ai-transform-the-classroom

BRIDGEさんにも記事にしていただき、さくらインターネットCo-founderの小笠原 治 氏が仕掛け人であったことも、IT業界を中心に大きな反響をいただきました。

実はこの2年弱、学園のグループ会社として「教育DXスタートアップの立ち上げ」をステルスで進めてきました。
またその立ち上げは「ログミー社 founderの川原崎」「モバツイ(jig.jp社)founder+BASE社 VPoEの藤川」「キラメックス社 Co-founderの金」「元メルカリ社執行役員+ソウゾウ社CEOの石川」「元DeNA Osaka CEOの保積」など、名だたるメンバーと共に非連続的な角度で行っています。

せっかく興味を持っていただけているタイミングなので、その取り組みについてまとめてみたいと思います。

グループ会社の教育DXスタートアップを立ち上げ

本プロジェクトは2023年に学園メンバーを中心に5名からスタートし、現在は100名以上のメンバーが参加しています。

せっかく弊学に、さくらインターネットの共同創業者である小笠原さんが教員として所属しているのだから、デジタル化の推進をお願いしちゃおうという流れになり、デジタルキャンパス局・局長を務める小笠原治さんを中心に組閣しました。

法人の設立にあたっては、電通やVCなど複数社が出資をしてくださり、学園に留まらないビジョンを掲げてスタートアップとして始動しました。
少しややこしいのですが座組としては下記のようになっており、

親会社:京都芸術大学(瓜生山学園)
小会社:クロステック・マネジメント ≒ 京都芸術大学デジタルキャンパス局

グループ会社であるクロステック・マネジメント(XTM社)が、インハウスのDXコンサルや、学生・教員・職員にとって必要なプロダクト開発をしているのが、現在の状況です。

2024年10月のオフサイトの様子

理事長がDX推進をリード

座組だけでなく、プロジェクト自体も、他で見たことないような珍しい取り組みだと思います。

少しだけ背景の話をすると、大学って大学の経営側のトップが「理事長」で、教育・研究側のトップが「学長」なんです。だから一般的にどこの大学も、「長」が二人います。
これが結構ややこしく、経営側と教育・研究側が対立してしまって、決裁に時間がかかったり合意が取れなかったりすることが多いんです。

弊学はそこのバランスが良く、経営側が「DXを推進する」と決めたとき、ちゃんと教育・研究側も賛同してくれたという点は、とても強みになっています。
元々コンサルやベンダーを入れていたところを、小笠原さんにお願いして、グループ会社として実施するという座組にできたのも、理事長がリードしてくれた部分が大きかったです。

多分小笠原さんも、学内の偉い人の誰かが嫌がっているような状況だったら、受けなかったんじゃないかな?京都芸術大学だから引き受けてくれたんじゃないかな?と思っています。

ちゃんとボードメンバーが応援してくれている状況でプロジェクトを進められるのって、大事ですよね。

EdTechの課題を座組で解消

EdTech領域でのあるあるですが、資金調達が難しかったり、経営的に厳しいところが多いのが現状だと思います。そのため、教育領域に興味があっても、参入に躊躇しているスタートアップが多いように見受けられます。

その点うちの座組の場合、XTM社からすると親会社である京都芸術大学という大顧客があり、大学が元々ベンダーやコンサルに払っていた費用が支払われるわけです。
さらに大学側からすると、XTM社には優秀なメンバーが多く集まっており、これまで他社にお金を払っていたときよりも価値を出せる状態を作れています。

また、ベンダーやコンサルが自社の利益のために動くのに対し、XTM社は大学の利益のために動くわけです。このように、受発注者で同じ方向を向いて仕事に取り組める状態を作れているのは、一つの強みだと思います。

また京都芸術大学という、国内最大手クラスの学生を抱える教育機関で、様々なプロダクト開発をアジャイルに試せるという点も非常に大きな強みです。
まずは京都芸術大学にアジャストした開発やDX推進を行っていますが、これを近い将来国内外の他教育機関へ展開していったり、通信教育の仕組みを活用した新しいマネタイズを検討していく予定です。

全職員の約5,000業務をNotionで可視化

で、実際どんな業務に取り組んでいるかですが、結論から言うと大きくはプロダクト開発とDX推進を行っています。

プロダクトに関しては、まだ具体的にお伝えできないものも多いのですが、例えばこういったものを開発しています。

DX推進に関しても色々な角度からトライをしているのですが、一例を挙げますと、大学の課題把握を目的とした各設置校の全職員へのヒアリングと、あらゆる仕事(約5,000業務)のプロセスの可視化→マッピングが直近の大きなプロジェクトでした。

具体的には、タスク管理ツールを情報源にそれぞれの部署の年間稼働時間を把握し、その中身として以下のような情報を全て洗い出し、Notion上で可視化する作業をやりました。

  • どういう業務を誰が担当しているのか?
  • どんなツールを使っているのか?
  • 年間、何回その業務をやっているのか?
  • 年間、累計の作業時間はおよそ何時間なのか?
  • それはどういうワークフローになっているのか?

もう、超大変でした!まじで大変。
ヒアリングに協力してくれた全職員、取り組んだ全メンバーに心から感謝したいです。ありがとう!
AIも活用しつつ、できるだけ早くやっているつもりですが、やっぱり時間がかかりますね。

ただ、今後の打ち手を考えたとき、これをやらないと、後々の手戻りとか、その場の個人最適での改善とかが起きちゃうので、必須のアクションだったと思います。
多分これ、外注するとすさまじい金額になりますし、業者からするとここまで丁寧にやる必要もないと思うんです。その点、やはりインハウスでやるからこそ、同じ目標に向かって進められている部分が大きいなと思います。

現在はほぼ全てのワークフローが可視化できたので、これから各部署の共通のシステムや仕組みで仕事できる状態を目指していきます。このワークフローをもとに、メルカリでCSの立ち上げに参加していたメンバーがオーナーになり、業務改善に取り組む予定です。

で、もちろん反対意見もあります…

良いことばかり書いてもアレなので、正直に厳しい点も書きますと、まぁ当たり前ですがDX推進に対して反対意見のポジションをとる弊学の教職員もいます。
まぁこれはいわゆるレガシーな組織でのDXプロジェクトなら、どこでもそうなんじゃないかとは思います。

教職員の人たちからすれば、今まで慣れ親しんだツールや業務フローを奪われ、新しいやり方を覚えるという仕事を増やされるわけなので、そりゃ面倒ですよね。
僕は正直、学内でめちゃくちゃ嫌われていると思います(そんなことないよと言われたい…)

ただ我々は、そんな環境でもすごくモチベーション高く業務に取り組めています!
これはやっぱり、「絶対にやった方が良い状態になると信じられること」が大きいです。
数年後に教職員がより働きやすい環境になり、教員は教育に、職員は学生に向き合う時間が増えることで、ステークホルダーである学生によりいいものが提供できるはずと信じ、日々の業務に取り組んでいます!

一緒に働く仲間を募集しています!

というわけで、クロステック・マネジメントでは絶賛採用を加速しています。

勤務形態としてはフルオンラインがベース(国外在住のメンバーも数人おります!)で、職員を除くと業務委託メンバーのみで構成されている特殊な組織です。
コレクティブ型組織と称しているのですが、分かりづらいと思うので、カルチャーやメンバー、また学園やプロダクトについての詳細は是非Entrance Bookをご覧ください。
https://xtm-recruit.wraptas.site/

そして、↓小笠原さんも書いてくれていますが!本格的なプロダクト開発はこれからです(またどこかで発信するかも)。今なら初期メンになれます!

手前味噌になりますが、こんなことをやっている大学やスタートアップ、他にないと思いますし、めちゃくちゃ面白い環境だと思います。

というわけで、長くなりましたが!
ご興味がある方はぜひお気軽に、カジュアル面談を申し込んでいただけると嬉しいです!
(求人一覧はこちら。こちらのオープンポジションからお申し込みください)
https://www.wantedly.com/companies/company_7297732

これから開発メンバーで定期的に発信もしていきたいと思っております。
ぜひご注目ください!

クロステックマネジメント(京都芸術大学)

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