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【Findy Team+ Award 2024 を受賞しました】開発生産性向上のための全エンジニアフルスタック化計画の道のり

2024/11/01に公開

はじめに

エックスポイントワン取締役CTOの鈴木です。

このたび弊社は、エンジニアのプラットフォームを提供するファインディ株式会社が運営する 「Findy Team+」利用企業を対象に、開発生産性が優れたエンジニア組織を表彰する「Findy Team+ Award 2024」 の「Team Award シーケンシャル開発アプローチ部門」に選出いただきました!

受賞のご報告とともに、開発生産性の向上のための弊社の取り組みをご紹介させていただければと思います。

どのような取り組みをおこなったか

タイトルからある程度内容は察していただけるかと思いますが、社内のエンジニアのフルスタック化に向けた採用技術の刷新です。

特に大きく変わった部分はバックエンドです。以前はバックエンドで PHP や Python を使用していましたが、フロントエンドに合わせて TypeScript に移行しました。

取り組みの背景

弊社エックスポイントワンは受託開発を生業としており、基本的には人月商売なので、いかに短時間で多くのアウトプットができるかが営業利益に直結します。
チームとしてのアウトプット量の増加を妨げる要因を、現場のヒアリングや Findy Team+ のスコアをはじめたとした定量指標の分析をもとに、稼働率の低さと結論づけました。
そして稼働率が低いことは、下記のような開発以外の時間が増えていることによるものと考えました。

  • 仕様の認識合わせのための必要以上のコミュニケーション

  • エンジニアリングの分業によるリソース余剰

  • レビューリクエストの一極集中によるレビュー待ち時間

これらを一度に解決しうるのが 「全エンジニアフルスタック化計画」 でした。

コミュニケーションコストの削減

まず断っておくと、エンジニアリングにおいてコミュニケーションは重要だと考えています。ですが、一部のコミュニケーションはプロダクトの価値や品質を落とさないまま削減が可能だと考えています。
フルスタック化の1つめの効能は 「1機能1アサイン」が可能になったことです。以前までは1つの機能を作るのに、最低でもフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2名をアサインする必要があり、少なくともその2名間での仕様の認識合わせが必要でした。これが3名、4名と仕様を把握していなくてはならないメンバーの人数が増えていくと、コミュニケーションコストは指数関数的に増大します。そのため、「1つの機能に対して、その仕様を把握していなければならない人数」を減らすことにより、必要のないコミュニケーションを削減でき、アウトプット量を増やせると考えました。
単一責任の原則は、コーディングだけでなくマネジメントでも言えることかもしれません。

余剰リソースの削減

フルスタック化の2つめの効能はリソースのアロケーションが柔軟にできるようになったことです。
フロントエンド/バックエンド/モバイルアプリと分業制でエンジニアリングをしていると、一部のチームが忙しいが他のチームは手が空いているという状況の際に、柔軟にリソースのアロケーションをおこなうことが難しくなります。分業にももちろんメリットは大きいですし、そのような業務の偏りは規模で吸収できるという側面もあると思いますが、まだ弊社はその偏りを吸収できるほどの規模ではありません。そのため、柔軟にリソースのアロケーションができる状況を作り、余剰リソースを削減することにより、アウトプット量が増加すると考えました。

レビュー待ち時間の削減

フルスタック化の3つめの効能はエンジニアどうしの相互レビューが可能になったことです。以前はエンジニアどうしでスキルセットが異なっていたため、概ねフルスタックなスキルセットを持っているリードエンジニアにレビューリクエストが一極集中していましたが、エンジニアのスキルセットの偏りがなくなったことにより、メンバーどうしの相互レビューが可能になり、レビュー待ち時間が短縮されました。上記の2つに比べるとインパクトは小さいと思いますが、これもアウトプット量の増加に繋がると考えました。
※副次的な効果として、相互レビューによってお互いのアウトプット量を意識するようになったためか、相互レビューを導入した直後から明らかにアウトプットが増えたメンバーも一部見受けられました。

結果

Findy Team+ で施策実施前と実施後のプロジェクトを比較すると、アウトプット量は一目瞭然で、一人あたりマージ済みプルリクエスト数が 1.54倍 になりました。実際にはエンジニア一人ひとりの技術力の向上などもアウトプット量の増加に寄与しているはずなので、すべてがこの施策によるものではないですが、実際にプロジェクトの進行が早くなったと体感できるレベルでの生産性向上は実現できました。ですが、他にも開発組織の課題は山積みなので、これからも Findy Team+ を活用し、顧客価値を一層高められるよう精進してまいります。

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弊社ではカジュアルにカジュアル面談を行っているので、もっと詳しい話を聞きたいという方は下記のHPからお問い合わせいただけますと幸いです。
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