Jiraのいろんなレポート機能を見てみる
最近チームの開発プロセスを見直しています(n回目)。
私の所属するプロダクトチームではプロジェクト管理にJiraを利用していますが、
機能を使いこなせていない感覚をずっと抱いており、
今回これまで全部は見ていなかったレポート機能もいろいろ見てみようと思いました。
概要
- Jiraにはいろんなレポート機能が用意されているので、とりあえず見てみて、チームにあったものを使うと良さそう。
- 「管理チャート」から、課題の粒度の問題が見つけられた!
- 今のチームのワークフローを維持したままツールで効率化することを考えるのではなく、ツールの機能に合わせてチームのワークフローを最適化するのが良さそう。
タスク進捗状況を見る
バーンアップチャート

スプリントで着手する作業のうちどれくらい完了しているのかがわかりやすいチャートです。
(かなり残っているけど最終日本気出す)
割り込みタスクがあると作業スコープが増えるので、それもシンプルで見やすいです。

作業のステータスの変化はチャートの下に記録されていきます。
スプリントレポート

まずバーンダウンチャートが表示されます。
スプリントで消化することになっているStory Pointsの残りが可視化されます。
個人的には割り込みが多いとバーンダウンは見づらいと思います。
...多いンゴねえ(´・ω・`)

バーンダウンの下にステータスレポートがあり、スプリント内の作業の詳細にもアクセスしやすいです。
スプリントレビューの時にそのまま使いやすいレポートです。
開発生産性を見る
ベロシティレポート

最近の12スプリントの、開始時に予定していた作業のStory Pointsの合計と完了できた分の合計のチャートが表示されます。
最近スクラムを復活させたのでデータが少ない(´・ω・`)
スプリントの状況によっては、予定していた作業が順調に進むことも次回に持ち越しになってしまうこともあり、
次のスプリントにどれくらい作業できるかの見積もりが難しいこともあると思いますが、
データが貯めていけば、機械的にベロシティを計算してしまえるので気持ち的に楽そうです。
★管理チャート

管理チャートでは、課題が完了したタイミングと、課題作成から完了までに経過した時間を同時に見ることができます。
このチャートは、課題の分割の粒度が適切かどうかを見極めるのに使えそうだと思いました。
画像の例だと、測定期間の初期は一つの課題にかかる時間は比較的短めですが、
完了できた課題の数がかなり少ないです。
一方、測定期間後期は短時間で完了した課題と長時間かけて完了した課題があり、全体的に完了数は増加しています。
ここから考察すると、
- 初期に適切に分割できていない大きな課題を作成してしまった。
- 大きな課題を進めながら合間に小さい課題をこなしたため、完了数が少ない。
- 中期から課題の粒度を細かくしたため、テンポよく完了させられるようになってきた。
- 後期は日常的に対応している小さめの課題と、初期から続けていた大きな課題が完了し、みかけの完了数が増えた。
というような変化があったと言えそうで、体感とも合っていました。
10月ごろは部分的にPDCAサイクルをうまく回せたと感じたケースも何件かあったので、
その頃の課題の分割が今のチームに合っている、とも言えるかもしれません。
みたいなことをPdMに話したりもしました。
累積フローダイアグラム

ステータスごとの課題数を累積して時系列データとしてみることができます。
線の傾きや領域の広がり方をみると、
作業完了のペース(スループット)、レビュー待ちがボトルネックになっていないかどうか、
バックログが肥大化していないか、というようなことが直観的に見て取れます。
「To Do」+「進行中」の領域の横幅を見ると、リードタイムもわかりそうです。
バックログやばそう...(´・ω・`)
おわりに
レポートは20種類以上あるのですが、DevOps系のレポートやワークロード管理系など、
現状の使い方では必要なデータが揃っておらず見ることができないレポートもありました。
スクラムテンプレートでプロジェクト管理をすればアジャイル系のレポートは見られると思うので、いろんなレポートを見てみると今までにない気づきが得られるかもしれないと思いました。
また今回感じたのは、今までは「この指標を見たい(見た方がいいはず)」という固定観念のもとにレポートツールを探したり、スプレッドシートでレポートを自作したりしていたかもしれないということです。
その固定観念のためにわざわざ測定項目を増やしたりレポート作成に時間を使ったりするよりも、Jiraなどのプロジェクト管理ツールで自動で測定される指標で開発プロセスを評価するようにした方が、人が管理するものを減らせて効率化できますし、分析に感情が入ってしまうことも避けられそうです。
❌今のプロセスをよりよく分析する方法は何?
⭕️このツール良さそうだから、もっと使いこなせるようなプロセスにしよう
自分たちの開発プロセスを機械的に評価する。そのためにプロセスをツールに合わせてシンプルにする(その時点である程度効率化されるはず)、というのを今後意識してやってみたいと思います。
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