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アジャイルを小さくやれた時のメモ

に公開

自社webサービスの開発・運用について、オレオレスクラムをやめてしばらく経ち、
より良い開発プロセスを模索しています。
そんな中、部分的に今のはアジャイルっぽかったかな...と思うことがあったので、
そのときに意識したことをメモしておきます。
(筆者はアジャイル開発関連の書籍を最後まで読んだことがないので、一般的なアジャイルの思想とは異なっている可能性があります。)

概要

下記内容をきちんとやっていきたい、という話。
何らかの経緯で仮説が立ったとして...

  1. その仮説が立った背景(現在の状態)を見直し、仮説の妥当性を検討する
  2. 理想の状態(仮)はどういうものかを抽象的に定義する
  3. 理想の状態(仮)を具体化していく
  4. 理想の状態(仮)が妥当であるかを判断するための指標を決定する
  5. 実装する
  6. 理想の状態(仮)で測定する

やったこと

仮説を立てる

今回の件は、売上統計情報を眺めるところから始まりました。
「最近『〇〇』ジャンルのコンテンツがよく売れるようになってきている」という事実が見つかり、

ユーザーが〇〇ジャンルのコンテンツによりアクセスしやすい状態になれば、俺たちは助かる

という仮説が立てられました。

仮説が立った背景(現在の状態)を見直し、仮説の妥当性を検討する

「ユーザーが〇〇ジャンルのコンテンツによりアクセスしやすい状態になれば、俺たちは助かる」は、話の流れで3秒くらいで出た仮説だったので、この仮説をもとに行動を決めて問題ないか一度立ち止まって考えました

サイトを見直したところ、以下のことに気づきました。

  • コンテンツが〇〇ジャンルのものであることが分かりにくいページがある
  • よく検索されるワードの上位に〇〇がある
  • 〇〇ジャンルであることがメタデータに設定されていないコンテンツもある

もしすでにアクセスが良い状態であれば、この仮説に基づいて行動しても効果は薄そうですが、
サイトの改善点が見つかったので、行動に意味がありそうだという共通認識ができました。

理想の状態(仮)はどういうものかを抽象的に定義する

  • コンテンツが〇〇ジャンルのものであることが分かりにくいページがある
    • →コンテンツ情報の表示を目立たせる
  • よく検索されるワードの上位に〇〇がある
    • →〇〇で検索できるボタンを目立つところに置く
  • 〇〇ジャンルであることがメタデータに設定されていないコンテンツもある
    • →設定する

というように、今回は課題が単純なので具体的なアクションはすぐ出せました。
が、いきなり具体的なアクションを実行して期待した効果が得られなかった時、第二のアクションが挙がらず結局取り組み自体がうやむやになる、ということが今までにもあったのでここでも一度立ち止まりました。

↑これで一発で仮説が検証できることはそうない(主観)

具体的なアクションを一段抽象化すると、「〇〇ジャンル情報が自然にユーザーの目に入る状態にする」、「〇〇ジャンルを能動的に探したいユーザーが検索しやすい状態にする」と言えると考えられました。
これは今回の仮説にちゃんと沿っているといえます。

逆に、現在の状態は「自然に目に入りにくい」、「検索UIが不便」とも言い換えられます。
ともかくこれで現在の状態と理想の状態(仮)にどんな差分があるかを言語化できました。

↑抽象レイヤー内の議論だと発散しすぎない(主観)

理想の状態(仮)を具体化していく

今回のケースでは、すでに挙げられたアクションをそのまま実行しても良さそうなのでそのまま進めることにしました。

  • コンテンツ情報の表示を目立たせる
  • 〇〇で検索できるボタンを目立つところに置く
  • 〇〇ジャンルであることをメタデータに設定する

前のフェーズで抽象化した課題のレイヤーを定義しているので、フィードバックを受けて次のアクションを検討するときもゼロから考える必要はないです。(多分)

理想の状態(仮)が妥当であるかを判断するための指標を決定する

やりっぱなしは良くないので、あらかじめアクションが効果的だったかを判断するための指標を決める必要があります。
今回は下記項目をウォッチすることにしました。

  • 売上における〇〇ジャンルコンテンツの割合の変化
    • やっぱり売上向上につながっているはず!の確認
  • 〇〇ジャンルで検索された回数の変化
    • 検索しやすくなっているはず!の確認
  • サイトの各セクションで〇〇ジャンルコンテンツが選択され、購入された数の変化(GA4のEコマースイベント)
    • 自然に見つかりやすくなっているはず!の確認

指標の決定が一番難しいかもしれない。

実装する

前のフェーズでタスクをちょうど良い粒度になっていたので、良いスピード感で実装を進められました。
タスク分割ができているとCoding Agentにも任せやすいです。

理想の状態(仮)で測定する

BIツールのクエリやGA4の探索を作ってあるので、毎日見るだけです。

終わりに

アクションを決定するフローにおいて、要所要所で冷静になって状況を確認したことで、メンバーも納得しながら話を進められたと思います。
フローに乗って議論しながら、フロー自体も見直せたような感覚がありました。
今後も継続的に改善をしていこうと思います。

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