発表でツッコまれても困らないための準備(チートシート)
ツッコミ一覧
重要度順にならんでいる。後ほど、それぞれについて質問例、質問の意図を示す。
- Who? Whom? 誰に向けて話すのか
- Why? なぜこの提案をしているか
- So what? What the purpose? 結局なにがしたいのか
- When? Where? いつどこで重要になるのか
- How? どうやるのか/どれくらいXXなのか
Who? Whom?
誰が得するの?誰に向けて話してるの?
最重要。面と向かって聞かれることはないが、発表の前提としてこちらがきちんと想定しておかないといけない部分である。
- 聞き手はその発表に何を期待しているのか?
- 聞き手はどれくらいの知識レベルか?
- 聞いてくれた相手に何をしてほしいのか?
などなど。
Why?
なぜあなたの話を聞くべきなの?
最重要。実際聞かれるしこの質問だけは「考えたことなかった」が許されない。どれだけ時間がなくてもこれだけは考えておく。やらかすと死ぬ。私は一度だけ死んだことがある。
質問例
- なぜその方針なのか?
- なぜその方法なのか?
質問者の意図
あなたの提案に私たちがコスト(時間、お金、集中力など)を払う理由はなんですか?
答えられないと「あなたが私の話を聞く価値は実はないんですよ」と宣言することに等しいので、最悪それ以降完全に無視される。社会的な死。ナイフで刺されるほうがまだ若干マシ。トラウマ。
回答例
- いろいろやってみた中でこれが一番うまくいった
- 実際いろいろやった結果、データがそう示している。理由などない、現実がそうなっているのだという主張。発表はエレガントにまとめたけどその裏には実は泥臭い努力がある場合は、そう正直に言ってもよかろう。
- いろいろな方法を比較検討した結果、この方法がいい
- まだ実際にはやってないことも多いが、事前調査の結果を見る限りでは、この方法でいけばうまくいきそう、という主張。
- 希望的観測で語るしかないこともあるが、根拠となるデータがあればなおよい。
- 試しにやってみる/やってみた
- 時間やお金がないとき、自分や仲間に能力が足りないときなどの言い訳。やらずに決めつけるのはよくないし、何かやればデータも集まるし次の一手に繋がるので、最初に打つべき戦略としては有効なのだと主張する。実際そう。
- 他の誰かが「これが一番だよ」と言っていたので検証も兼ねて、とかもあり。うまくいけばよし、いかなければ他の方法を考えるつもりでやったと主張する。
- 「これしか知らなかった」「やれと言われたからやった」は無能の証明なので口が裂けても言ってはならぬ。
- 私/みんなのやる気が出るから
- 論点のすり替え。私やみんなにやる気を失くされては相手が困る、という状況なら使える。相手にはみんなの興味まではどうこうできないことを利用する。
So what? What the purpose?
だからなに? 結局なにがしたいの?
他人から直接言われることはあまりないが、これを意識して発表を組み立てないと「何言ってるかよくわからなかった」という評価を受けることになる。発表の内容がうまく伝わるかどうか、リハーサル時に自分で確認しておく。
Why? と同様、答えられないとマズい部類だが、
- Why? は相手がこちらの話を聞かなければならない理由
- So what? は自分が相手に話しかけている理由
であり、一度でも「まとめ」を考えていれば普通は Why? と違って即答できるはずである。答えられないなら自分が発表内容をよく理解していないので勉強し直しである。
質問例
- で、結局なにが言いたいの?
- で、結局なにがしたいの?
- それでどうなるの?
- それ意味あるの?
質問者の意図
仮に言われたとして、相手はちょっと苛立っているかもしれないが、悪意や攻撃的な意図を仮定するほどではない。口頭で要点を説明して、納得してもらえれば話の続きを聞いてもらえるだろう。
- あなたの発表の趣旨がよくわかりません。
- 全体の流れを先に掴みたいので要約してください。
- 結論を先に言ってください。
- 話が脱線していると思います。
- 時間がないので早くしてください。
- あなたの発表に興味がありません。
改善例
最初のほうで一度結論を述べておけばまず問題ない。
以降の説明は
- 話が脱線していないか
- 得られる結果と発表の複雑さのバランスが取れているか
という点に気をつければOK。
どれだけ脱線したくても骨子となる筋道が一本通っていなければならない。一度の発表でできる主張は基本的にひとつだけで、発表はその主張の肉付けに過ぎない。
シンプルに最善の結果を出せるのが理想だが、現実的には、いい結果を出すために多少複雑になるのは仕方がないし、結果がショボければ要点だけ説明してさっさと話を切り上げるべきである。
When? Where?
いつどんな場面で?
興味がなくても聞いている/聞かされている全員から確実に飛んでくる Why? や So what? に比べると、ここから先は興味を持ってくれた場合に飛んでくるかもしれない質問なのではるかに重要度は下がる。
When? Where? は自分の発表内容について理解していれば普通は概算できる。ただし正確に返答するには事前調査が必要な項目なので時間があれば調べておく必要がある。
質問例
- いつその方法が使えるのか?
- どこでその方法が使えるのか?
質問者の意図
- あなたの提案が実際に役立つ場面はありますか?
- いますぐに役立つのか、あとで役立つのか?
How?
どうやって?どれくらい?
英語の欠陥だと思うが、手段を尋ねる How と量を尋ねる How がある。どちらの意味にせよ、必要な項目は大抵発表中に説明するので、大筋について再説明を求められることはない。発表で説明をはしょった部分について、その分野に詳しい人が聞いてくることが多い。
変わったケースとしては「どうやってその方法を思いついたの?」という、賛辞が半分、発表者に対する興味が半分の質問をしてくることがある。
質問例
どうやって?
- どうやってその方法を実現するのか/したのか?
- どうやって他の方法と比較したのか?
- どうやってその方法を思いついたのか?
どれくらい?
- どれくらいの人間が得をするのか?
- どれくらいの時間がかかるのか?(How long?)
- どれくらいのコストがかかるのか?(How's it cost?)
質問者の意図
発表の大筋を理解していて、内容に興味があるのでより精確に理解したい。
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