ウェルスナビにおけるエンジニアとしてのキャリア形成
はじめに
みなさん、こんにちは。
ウェルスナビ株式会社で執行役員VPoEを務める和賀です。
開発者ブログ アドベントカレンダー1日目は、開発組織の設計・運営を管掌させていただいている私から、当社でのエンジニア向けキャリアについてVPoE目線でまとめてみたいと思います。
変革の時代におけるエンジニアキャリア
エンジニアリングの世界は、生成AI やビッグデータなどの革新的な技術の登場により、劇的な変化を迎えています。
世界経済フォーラムの「未来の仕事レポート2023[1]」によれば、今後数年間でビジネスの構造は大きく変化し、AIや機械学習の専門家、サステナビリティスペシャリストなどの職種が急成長すると予測されています。
ウェルスナビのミッションとエンジニアキャリア
ウェルスナビは、様々なバックグラウンドを持つメンバーが適切なコミュニケーションをとり、最高のサービスをお客様に提供するため、私たちは共通の目的であるミッション・ビジョンを目指し、3つのバリューに基づき、日々行動しています。
Mission
働く世代に豊かさを
豊かな未来に向けた確かな指針が、不確実な時代だからこそ、求められています。
Vision
「ものづくり」する金融機関
私たちが目指すのは、新しい金融インフラの構築です。 それは誰もが安心して気軽に利用でき、世代を超えて使われ続けるもの。
エンジニアやデザイナーと金融の専門家が手を携え、いままでにないサービスを創っていきます。
Value
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誠実に、正直に、お客様のために
便利で使いやすいからこそ、信頼できるサービスを。 不器用かもしれませんが、誠実に、正直に。 私たちは、お客様の利益を最優先していきます。 -
助け合おう、向き合おう
ひとりひとりが自立し、お互いをリスペクトする。 足りないところを助け合い、感謝の心を忘れない。 チームの力をあわせ、ひとつの目標に向かっていきます。 -
一歩を重ねて、大きな前進を
必要なことを、コツコツと、地道にやり切る。 毎日一歩ずつ、着実に前に進めていく。 この積み重ねが大きな成長につながると信じています。
これらの理念に基づき、私たちはエンジニアが技術革新の最前線で自己実現を果たし、社会に貢献できるキャリア形成を支援しています。
#未来を見据えたキャリア形成
ウェルスナビでは、エンジニアの持続的な成長をサポートする以下の取り組みを行っています。
多様なキャリアパス
ウェルスナビでは、エンジニアの多様なキャリアニーズに対応するために、ジェネラリストの上位発展として、スペシャリストとマネジメントの 2 つの上位キャリアパスを用意しています。
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ジェネラリスト
幅広い技術領域をカバーし、プロジェクトマネージャーやテックリードなどの役割を担うキャリアパスです。技術的な専門知識に加え、以下のような能力が求められます。- プロジェクトマネジメント: プロジェクトの計画、実行、管理、リスク管理
- チームワーク: チームメンバーとのコミュニケーション、コラボレーション、リーダーシップ
- コミュニケーション: 技術的な内容を分かりやすく説明する能力、顧客やビジネス部門との連携
ジェネラリストとして、チームを牽引し、複雑なプロジェクトを成功へと導くことで、組織に貢献することができます。
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スペシャリスト
特定の技術領域を深掘りし、その分野の第一人者を目指すキャリアパスです。例えば、以下のような専門分野があります。- 機械学習エンジニア : 金融データ分析、投資アルゴリズム開発、顧客体験向上のための AI 活用
- セキュリティエンジニア : サイバーセキュリティ検知分析、セキュリティインシデント対応、情報セキュリティ監査、セキュリティ製品運用
- バックエンドエンジニア : 高負荷に耐えられるスケーラブルな API 開発、マイクロサービスアーキテクチャ設計
- フロントエンドエンジニア : パフォーマンス最適化、モバイルアプリ開発
- デザイナー : ユーザーフレンドリーな UI/UX 設計
スペシャリストとして、技術カンファレンスでの登壇や論文発表、オープンソースプロジェクトへの貢献などを通じて、社内外で技術的な影響力を高めることができます。
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マネジメント
チームや組織を率いて事業に貢献していくキャリアパスです。技術的な専門知識に加え、以下のような能力が求められます。- リーダーシップ: チームメンバーの育成、モチベーション向上、目標達成の支援
- 戦略的思考: 市場動向や顧客ニーズを分析し、事業戦略に沿った技術戦略を策定する能力
- コミュニケーション: 経営層やビジネス部門との連携、チームビルディング
マネージャーとして、組織全体を俯瞰し、エンジニアチームを効果的に運営することで、事業目標達成に貢献することができます。
ウェルスナビにおけるエンジニアとしてのキャリアイメージ
これらのキャリアパスは、互いに排他的なものではなく、組み合わせることも検討中です。
例えば、スペシャリストとして技術力を磨きつつ、徐々にチームリーダーやプロジェクトマネージャーの役割を担って頂くことでキャリアパスを柔軟にすることを目指しています。
さらに具体的なキャリアパスが定まっていない方にも、定期的にマネージャとキャリアディベロップメントを行い目標を定めていくことも支援しています。
ウェルスナビでは、エンジニアが個々の志向や目標に合致したキャリアパスを選択できるよう、積極的なサポートを提供することを目指しています。
継続的な学習と成長
- メンターシップとピアラーニング : 経験豊かなメンターや同僚との定期的な交流を奨励し、知識の共有やキャリアに関する助言を受けられる環境を整備しています。
- ワークショップとトレーニング : 定期的に開催される社内外のワークショップやトレーニングセッションに参加することで、エンジニアは最新の業界知識や技術的スキルを習得できます。
- 書籍購入費用の補助
実践的な経験
ウェルスナビでは、エンジニアが実際に手を動かして学び、成長できる機会を提供しています。
- 入社後早期にプロジェクトチームに配属し、OJTを通じて実際の開発業務を経験
- ハッカソン: 不定期での開催ですが実際のプロジェクトへの参加や社内でのハッカソンへの参加を通じて、エンジニアは新しい技術を実践的に学び、創造的な解決策を開発する機会を提供しています。
コミュニティ活動(AMO)
エンジニアが社内外の人々と交流し、知識や経験を共有できる機会を積極的に提供しています。
AMO(AccelerrateManufacturingOrganization) は、 「エンジニアリング組織の加速化」 をキーワードに組成されている、エンジニア自身が運営する社内コミュニティです。
エンジニア同士の交流を促進し、技術的な成長をサポートすることを目的として、以下の活動を推進しています。
- 外部コミュニティとの連携: 技術カンファレンスや勉強会への参加、外部コミュニティとのコラボレーションを通じて、最新技術や業界の動向をキャッチアップします。
- 社内イベント企画: 技術的なテーマや最新プロジェクトに関する勉強会やワークショップを開催し、社内での知識共有を促進します。
- ブログ発信: エンジニアの技術的な取り組みや学びをブログ記事として発信し、社内外での情報共有を促進します。
- 部門間交流: AMOの活動を通じて、開発部門だけでなく、ビジネス部門やマーケティング部門など、他部門との交流を促進し、部門間の相互理解を深めます。
- WealthNavi Tech Talk: 社外との技術交流の場
WealthNavi Tech Talkは、エンジニアが社外の技術者や学生と交流し、開発情報を共有するイベントです。定期的に開催することで、以下のようなメリットを生み出しています。
- 技術力の向上: 自社の技術的な取り組みを発表することで、エンジニアのプレゼンテーションスキルや技術的な説明能力を向上させることができます。
- 情報発信: 社外の技術者や学生に自社の開発情報を伝えることで、興味関心を高め、採用活動にも効果を発揮します。
- コラボレーション: 他の企業や大学との技術的なコラボレーションを促進し、新たなイノベーションを生み出すきっかけを作ります。
夏に当社オフィスで実施したTech Talkでの懇親会の様子
このように、ウェルスナビは、コミュニティ活動を通じてエンジニアの視野を広げ、技術力だけでなく、コミュニケーション能力やリーダーシップなどのソフトスキルも磨ける環境を提供しています。
ワークライフバランス
ウェルスナビではワークライフバランスの改善にも積極的に取り組んでおり、以下の制度を導入しています。
- 柔軟な勤務時間
- オフィスワークとリモートワークのハイブリッドワーク
エンジニアの皆様へ
ウェルスナビでは、技術の進歩の中でエンジニア各自が自己実現できる環境を提供しながら、互いに助け合い、向き合うことを目指しています。
ポータブルスキルの重要性、業務を超えた成長の可能性、若手エンジニアの方々に向けたアドバイスなどを中心に、この記事があなたのキャリア探求に役立てれば幸いです。
一緒に学び、成長し、ウェルスナビでキャリア形成を進めていきましょう!
明日は、iOSエンジニア 長 の「iOSアプリのローディングライブラリをリプレースする」です!
お楽しみに!
📣 ウェルスナビは一緒に働く仲間を募集しています 📣
著者プロフィール
和賀勝彦(Katsuhiko Waga)
ウェルスナビ株式会社 執行役員 VPoE
様々な分野のシステム構築運用および事業構築運営を経験した後、複数のSaaS企業にてCTO、VPoE、技術顧問を担い、複数社にてIPOを推進。
2022年8月より、ウェルスナビ株式会社所属。執行役員 VPoEとしてプロダクト開発組織を統括し、採用広報の強化含めエンジニア採用を推進、エンジニア人事評価、WealthNaviサービスにおける開発運用保守全体の統括とIT統制全体を管理、CISO業務全般およびCIO業務全般の統括。
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世界経済フォーラム「仕事の未来レポート2023」https://jp.weforum.org/press/2023/04/jp-future-of-jobs-report-2023-up-to-a-quarter-of-jobs-expected-to-change-in-next-five-years/
このような変動する環境において、エンジニアとしてのキャリアを築くためには、技術革新への適応と柔軟な思考が求められます。ウェルスナビでは、単に現在のスキルを維持するだけでなく、将来の市場ニーズや自身のキャリアパスに合わせた持続可能なキャリア開発に重点を置いています。 ↩︎
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