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相続対応事務改善プロジェクトを例とした、ウェルスナビ金融オペレーション改善

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こんにちは。ウェルスナビでバックエンドエンジニアをしている香川です。
金融システム開発チームというチームに所属し、金融事務、カスタマーサポート部門が使用するバックオフィスシステムを主に担当しています。

この記事では2025年に行なった相続対応事務改善プロジェクトを例に、弊社の金融オペレーション改善対応を紹介したいと思います。
業務改善プロジェクトで格闘中の方々に気づきを提供できたり、弊社へのジョインをご検討の方が仕事をイメージする手助けとなればと思います。

話の前提として弊社ウェルスナビの話をさせてください。
一般的にロボアドバイザーと呼ばれる、全自動でおまかせできる資産運用サービスを提供しています。今年でサービス開始10年目になります。
大変ありがたいとことに、ご利用者数も伸びている現状で今後もこれまで以上の伸びを予想しています。

相続対応事務改善プロジェクトとは

弊社における相続対応事務は、文字通りウェルスナビをご利用していただいた方がお亡くなりになり、ウェルスナビにおける証券口座を閉鎖して、お預かりしている資産を相続人様にお渡しする一連の事務作業を指します。
今年行った相続対応事務改善プロジェクトでは、この相続対応事務の課題に対してシステム及び業務フローの見直しを行いました。

なぜ今対応したか

弊社で資産運用されるお客様の増加に伴い、相続対応事務の件数も増え、作業負担が高くなってきていました。
今までの作業件数では十分対応できていた運用が、作業件数の増加に伴い見直しを必要とするフェーズになってきていました。
効率的な運用によって、より多くのお客様をサポートできるよう、このタイミングで業務フローの見直し、システム開発対応を行いました。

業務課題と対応内容

作業の単純化と作業ミスリスクの低減

作業が煩雑で、ミスを招きやすい業務となっていました。

課題 対応内容
基本となる業務作業とは別に、管理資料にIdや作業状況を手作業で記録 データモデルを修正し、基本となる業務作業を行うだけで管理データを作成
セットで行う作業であるのにそれぞれ申請、承認が必要(例:相続対応開始と同時に行う作業が複数あり、それぞれ別々に申請が必要だった。) セットで行う作業は一回の申請承認ですむよう処理を自動化(例:相続対応開始となる申請をトリガーに、関連処理を自動実行するようにした。)

作業分担できるようにするための準備

今後件数が増えた時に作業分担が容易になるよう準備を行いました。

課題 対応内容
経験が浅いメンバーに容易に作業割り振りができるような作業工程の切れ目が定義されていない状態 作業工程のフェーズに名前を定義し、業務画面に表示
口座の状態に応じて、実施する作業が異なり、作業を行うにはある程度の知識が必要 口座状態に応じて実施する作業のみを業務画面に表示

開発の振り返り

開発規模が大きかったにも関わらずリリース後不具合がほとんどなく、そこそこ満足のいく開発でした。しかし、反省点が全くなかったわけではありませんでした。

過去データ分析には早めに着手しよう

管理資料に記載されていた過去データを、新しく作ったデータモデルに移行する必要がありました。このとき想定していないデータパターンを数件見つけ、プログラム修正や業務手順書の修正が必要になりました。
業務改善プロジェクトなので当然開発初期に現行業務の分析を行っていました。現在相続対応事務作業を行っている方々にも検討に入ってもらい業務分析を行いました。
しかし過去に数件というレアケースの業務パターンを見つけられていませんでした。
見つけられたことは良かったのですが、開発後半であったため要件レベルの修正が必要でした。開発着手前や開発初期に過去データ分析を行えていたら良かったという教訓を得ました。

最後にどうしても言いたいこと

過去データ移行をした際に、手作業で記録されてきた内容に誤記入や既存データとの不整合がないかを確認しました。
上述したように、弊社の事務チームでは業務作業と並行して管理資料を手作業で記録していたので、幾つか誤記入や不整合があると思っていました。しかしそのようなデータは全くありませんでした。
自画自賛になりますが、弊社の事務チーム最高!と思いました。
そんな優秀な事務チームに迷惑をかけられない、より使いやすくして感動してもらいたいと気が引き締まる思いをいつも感じています。

そんな最高なメンバーに囲まれたウェルスナビで一緒に働きませんか?

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