VimGolfでVimテクニックを磨く
はじめに
Vim駅伝初参加ということで、少しだけVim愛を語らせて下さい。
私がVimに出会ったのは、大学1年生のとき、授業でUnix系OSを触る機会があったことがきっかけでした。その後自分のパソコンにLinux環境やVimを入れて、自分用にカスタマイズことにすっかり魅了されました。なのでかれこれ3年くらいはVim/Neovimを使っていると思います。
今はNeovim & AstroNvim + α という構成で落ち着き、プログラミングをするとき、レポートを書くとき、Zennの記事を書くときなどに使っています。
そんな中Zennの記事内でVim駅伝という言葉をちらほら見かけるようになり、その後Vim駅伝のアーカイブを見るようになりました。これが面白いんですね。個人的にはProject V 「思考のスピードで編集せよ。32年の伝統をもつテキストエディタをビルドする。」が好きです。そして自分も参加できたら素晴らしいと思い、Vim駅伝に出ることを決めました。プラグインもまともに作れないへなちょこVimmerですがどうぞよろしくお願いします。
では本題です。
今回は、最近見つけて面白いと思ったVimGolfを紹介します。
VimGolfとは
VimGolfはVimを使って、ファイルの修正をなるべく少ない打鍵数（keystrokes）で行うというゲームです。
各問題にはStart fileとEnd fileファイルが与えられます。私達が行うことはStart fileをEnd fileと一致させてファイルの保存、Vimを終了させることです。
参加方法
まずはVimGolfにアクセスしてサインインします。
その後、Rubyのパッケージマネージャーであるgemを使いvimgolfをインストールします。
$ gem install vimgolf
次に以下を実行します。
$ vimgolf setup
Paste your VimGolf key:と出るので、VimGolfの右上に表示されるYour VimGolf key: xxxxxのxxxxxの部分をコピペして下さい。
これで準備は完了です。VimGolfのOpen VimGolf challengesから好きなチャレンジを選び、右上に表示されているvimgolf put xxxxxを実行すればOKです。
例）Quicksortにチャレンジする場合
$ vimgolf put 9v00651eb20100000000025b
Vimが開くので、Quicksortに表示されるEnd fileと同じになるよう編集して:wq<Enter>でVimを終了させます。
$ vimgolf put 9v00651eb20100000000025b
Downloading Vimgolf challenge: 9v00651eb20100000000025b
Launching VimGolf session for challenge: 9v00651eb20100000000025b
Here are your keystrokes:
...
Success! Your output matches. Your score: XX
[w] Upload result and retry the challenge
[x] Upload result and quit
[r] Do not upload result and retry the challenge
[q] Do not upload result and quit
Choice>
x + エンターキーでVimGolfのサイトに自分の解答がアップロードされます。
詳細はGithubページを参考にして下さい。
それでは紳士淑女の華麗なる遊戯、VimGolfを始めましょう！
やってみる
VimGolfのサイトの一番上にあったQuicksortをやってみようと思います。
21 8 144 3 89 5 13 34 55 2
............................................................................
9G3W"fyEW"kyEW"qyE@f w@n8Gyfj}jj$p@rkp@r@0@o"qp$hyfg$p0"qy$fj}jj$p@rkp@r@0pG
f 0y$"_dd 6Gyw@o"kp"0p0"ky$"my$dd "lyy"lp0d$ @mby2eG2@o"0p yiw@o"0p $hyfg$p$
@n6Gtoy2l}++$p@r@0{+ }jj$p@rkp@r@0@o"qp$hyfg$p0"qy$fj}"jyEW"ayEW"byE+"syEW"x
@jV"ep "eyiw@nGG8Gyfj}jj$p@rk@0{ }-"xyiw*``{ndiw{w"eyiw{dG@mlviw"xP@mhdiw"eP
@c@d@d@aww@a@b @m@s@h @o"mp$xx0"my$dd @o"qp@r@0@o"qp$hyfg$p0"qy$dd@f gg @i@g
6Gw"ryEW"iyEW"oyEW"cyEW"nyE+"dyE+l"jyEW"ayEW"byE+"syEW"gyEW"hyE5Gy$@0 oyEWgg
2 3 5 8 13 21 34 55 89 144
............................................................................
9G3W"fyEW"kyEW"qyE@f w@n8Gyfj}jj$p@rkp@r@0@o"qp$hyfg$p0"qy$fj}jj$p@rkp@r@0pG
f 0y$"_dd 6Gyw@o"kp"0p0"ky$"my$dd "lyy"lp0d$ @mby2eG2@o"0p yiw@o"0p $hyfg$p$
@n6Gtoy2l}++$p@r@0{+ }jj$p@rkp@r@0@o"qp$hyfg$p0"qy$fj}"jyEW"ayEW"byE+"syEW"x
@jV"ep "eyiw@nGG8Gyfj}jj$p@rk@0{ }-"xyiw*``{ndiw{w"eyiw{dG@mlviw"xP@mhdiw"eP
@c@d@d@aww@a@b @m@s@h @o"mp$xx0"my$dd @o"qp@r@0@o"qp$hyfg$p0"qy$dd@f gg @i@g
6Gw"ryEW"iyEW"oyEW"cyEW"nyE+"dyE+l"jyEW"ayEW"byE+"syEW"gyEW"hyE5Gy$@0 oyEWgg
1行目にある文字列を昇順に並び替えよ、という問題です。ファイル後半にある謎文字列が気になりすぎますが、一旦無視しましょう。きっと謎文字列を使うエスパーのような解答例があるのでしょう。たぶん。
1回目
取り敢えず何も考えずにやってみます。
vimgolf put 9v00651eb20100000000025b
Downloading Vimgolf challenge: 9v00651eb20100000000025b
Launching VimGolf session for challenge: 9v00651eb20100000000025b
Here are your keystrokes:
$x0Pa <Esc>wwwwvld0lpwwwwwvld0wlpwwwwwvlldbbbbhpwwvldbbblpwwwwwvlldbbblpulpwwwvlldbbhpwwvlldbbllpllllx:wq<CR>
Success! Your output matches. Your score: 102
スコアは102、Here are your keystrokes:にあるものが自分の押したキーですね。
移動 -> ビジュアルモードに入る -> 選択 -> 削除 -> 移動 -> ペーストを繰り返しています。いかにもVim初心者がやりましたという感じの解答になってしまいました。しかもミスってuで戻ったりしてます。結果は140 active golfersのうち139位でした。そりゃそうですね。
VimGolfでは自分の解答をアップロードすると、自分より少し上のスコアの人の解答が見れるようになります。そのため、Vimの新しい知見も得られ、さらに自分のスコアを確実に伸ばしていくことができます。いいですね。
私よりスコアの上の人のkeystrokesを見ると、どうやらビジュアルモードに入らずにdwで削除しているようです。不用意にビジュアルモードに入る自分の悪癖がわかりますね。ふむふむ。
2回目
……待てよ
これって最初全部消してインサートモードで打ち込めば速いんじゃないか？
vimgolf put 9v00651eb20100000000025b
Downloading Vimgolf challenge: 9v00651eb20100000000025b
Launching VimGolf session for challenge: 9v00651eb20100000000025b
Here are your keystrokes:
Di2 3 5 8 13 21 34 55 89 144<Esc>:wq<CR>
Success! Your output matches. Your score: 33
うひゃひゃひゃ🤪天才だ！
と思いましたが、他にも同じ方法をやってなおかつスコアが32の人がいました。どうやったかわかるでしょうか。
答え
Rで置換モード(Replace mode)に入ればよいですね。これでDiをRに短縮できます。私は置換モードの存在を完全に忘れてました。あと、rで1文字置換ができます。
さらにソートを使うとスコアを30に短縮できたりします。
ここから先は皆さんの目で確認してみてください。
おわりに
VimGolfを紹介して、実際に問題を解いてみました。他人の解答を見ると、いかに自分が初歩的なコマンドを忘れているかを痛感しました。一度Vimtutorやり直そうかな。
VimGolfの嬉しいところは、自分の最高スコアの少し上の人の解答を見れるところです。これによって、少しずつ自分の忘れていたコマンドを思い出したり、新しいテクニックを身につけたりできます。これを公式サイトでは梯子を登る（climb the ladder）と表現しています。私はQuicksortの最高スコア6を目指して挑戦し続けようと思います。
もちろん問題はQuicksortだけでなく、様々なテクニックが必要になるチャレンジが現在（2023年12月03日）556個あります。皆さんもぜひVimのテクニック向上のためにVimGolfをしてみてはいかがでしょうか。
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