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ホスティング基礎

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ホスティングとは

ホスティングとは、ウェブサイトのファイルやアプリケーションを保存し、インターネット経由でユーザーに配信するためのサーバースペースとリソースを提供するサービス

ホスティングプロバイダーは、サーバー、ストレージ、ネットワーク接続などのインフラストラクチャを提供しドメイン登録、セキュリティ機能、テクニカルサポートが含まれることが多い

ドメイン名との違い

ドメイン名購入 = 店舗の住所を確保すること
Webホスティング = 実際に店舗を建設し、誰からでも見えるようにすること

ウェブサイトのテキスト、画像、動画、ボタンなど全てのコンテンツを必ずインターネットに接続されているどこかの物理的なサーバーに保存される必要がある
ホスティングがない場合はドメイン名だけ購入してホスティングがない状態であるので
ドメインにアクセスすると「このウェブサイトは駐車されているがアクティブではない」という画面が表示されてしまう

ホスティングの種類

共有ホスティング(Shared Hosting)

複数のウェブサイトが1台のサーバーを共有
名前の通りの意味:他の人とホスティングを共有
仕組み:サーバー(強化されたコンピューター)にウェブサイトファイルが保存される
共有の実態:数百から数千のウェブサイトが同一サーバー上に存在

メリット
  • 圧倒的な低価格:月額$2〜$10という手頃な料金
  • 経済的なスタート方法:ウェブサイト開始に最適
デメリット

リソースの制限:

  • 数千のウェブサイトと同一のRAMとプロセッサーを共有
  • サーバーの1/100のリソースしか利用できない可能性
  • 安価な共有ホスティングでは「オーバーセリング」が発生
  • 急激なトラフィック増加(ブラックフライデーセールなど)に対応困難

セキュリティリスク:

  • 他のサイトへのDDoS攻撃や悪意のある攻撃の影響を受ける可能性
推奨対象
  • カジュアルなブログや小規模ビジネスサイト
  • 初回WordPressサイト構築者
  • 大量のトラフィック急増が予想されないプロジェクト

仮想プライベートサーバー(VPS)

単一の物理サーバー上で動作する独立した仮想サーバー

  • 共有ホスティングとの違い:より高度な分離レベル、専用リソースの保証
  • リソース保証:指定されたRAM、CPU、ディスクスペースが確実に割り当てられる
  • 料金:月額数千円〜数万円程度
メリット
  • スケーラビリティ:リソースの拡張・縮小が容易
  • セキュリティ:独立した仮想環境により影響を受けにくい
  • 自由度:OSの選択、設定のカスタマイズが可能
  • 制限なし:ウェブサイト数、データベース数、ドメイン数に制限なし
デメリット
  • 技術的複雑さ:サーバー管理にある程度の技術知識が必要
  • 高い料金:共有ホスティングより高額
  • 管理責任:セキュリティ、バックアップ等の自己管理

専用サーバー(Dedicated Server)

1台の物理サーバーを1人のユーザーが専有するホスティング形態

  • 物理サーバー全体を独占使用
  • 最大限のリソース:理論的には最も強力なオプション
  • 料金:月額数万円〜数十万円
デメリット
  • 非常に高価:月額料金が高額
  • スケーラビリティの欠如:柔軟なリソース調整が困難
  • 限定的な用途:大企業向けの特殊な用途のみ
推奨対象
  • 大規模なトラフィックを処理する企業サイト
  • 高いセキュリティ要件があるシステム
  • 複数の専用サーバーを連携させる大規模プロジェクト

クラウドホスティング

複数のサーバーネットワークを使用してスケーラブルなリソースを提供する現代的なホスティング形態

  • 代表的サービス:AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform
  • 料金:従量課金制(使用量に応じて変動)
  • 無料枠:多くのサービスで12ヶ月間の無料枠を提供
メリット
  • 柔軟なスケーラビリティ:リソースの自動拡張・縮小
  • 高い信頼性:複数サーバーでの冗長構成
  • 豊富なサービス:データベース、AI、分析ツールなど
  • 管理の簡略化:インフラ管理をプロバイダーに委託
デメリット
  • 学習コスト:サービスが豊富で使いこなすのに時間がかかる
  • 料金の不透明さ:使用量によって料金が大きく変動
  • ベンダーロックイン:特定のクラウドサービスに依存しやすい
  • 設定の複雑さ:適切な設定には専門知識が必要
推奨対象
  • スタートアップや成長中のサービス
  • トラフィックの変動が大きいサイト
  • 高度な機能やサービスを必要とするプロジェクト

ホスティングサービスの選び方

パフォーマンス

ウェブサイトの予想トラフィックと必要な応答速度を考慮してサービスを選択する。特に共有ホスティングの場合は、時間帯によるパフォーマンスの変動を事前に確認することが重要

コスト

予算に合ったホスティングサービスを選択する。基本料金だけでなく、追加機能やオプションサービスの料金体系も確認

セキュリティ

サーバーのセキュリティ対策、DDoS防御、SSL証明書の提供等、プロバイダーのセキュリティ体制を確認

カスタマーサポート

トラブル発生時に迅速かつ専門的なサポートを受けられるかどうかを確認する。サポートの対応時間、方法(チャット、電話、メール)、日本語対応の有無などを検討

管理ツールの使いやすさ

コントロールパネルの使いやすさ、サーバーの状況監視機能、バックアップ機能など、日常の管理作業が簡単に行えるかどうかを確認

技術的要件

使用するプログラミング言語(PHP、Python、Rubyなど)、データベース(MySQL、PostgreSQLなど)、CMS(WordPress、Drupalなど)に対応しているかを確認

将来の拡張性

サイトの成長に合わせてリソースを増強できるかどうかを検討する。プランのアップグレード、他のホスティングタイプへの移行の容易さなどを確認

参考資料

公式ドキュメント・学習リソース

動画解説

技術解説・コラム

Discussion