AWS Solution Architect Professional(SAP-01)に合格したのでその勉強方法と合格勉強ライン目安
先日SAPの取得に成功しました。
試験勉強をしつつ、合格記なんかを読んでいると色んなところで「一度は落ちる」みたいなことを書いてあって、試験を受ける都の時まで「本当にこれくらいの勉強でいいのだろうか」と思いながら受けました。
結果としては意外と解けた。なので「これくらいのレベルになっていれば、多分受かると思う」というラインについてお伝えできればと思います。
ちなみに、私の得点は794点だったので、余裕のある合格ラインではないことをあらかじめお伝えしておきます。
前提
既にプラクティショナー、ソリューションアーキテクトアソシエイト、デベロッパーアソシエイトを取得していました。
普段AWSがメイン業務というわけではないですが、ちょいちょいとAWSを活用しています。
学習期間
だいたい2か月
学習頻度
平日は1日/1時間~2時間くらい。通勤時に問題集を解いて、会社の昼休みや帰ってから解いた問題の復習をやっていました、
休日は土日で3〜4時間くらい勉強していました。
学習教材
私が勉強に使ったの教材は以下でした。
- AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説(https://www.amazon.co.jp/dp/4865942483)
- AWS WEB問題集で学習しよう(https://aws.koiwaclub.com/)
- AWS Blackbelt(https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-introduction/aws-jp-webinar-service-cut/)
- AWS公式模擬試験(https://explore.skillbuilder.aws/learn/course/12543/aws-certified-solutions-architect-professional-official-practice-question-set-sap-c01-japanese)
各教材をどれくらい勉強したかを紹介したいと思います。
AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説
合格に近づく勉強ライン
全体を2週して、模擬試験は全問正解するまでやる。
この本の難易度は優しいほうですし、模擬試験の内容も変わらないので、100点取れます。
解説
この本は、説明はそこそこの問題集形式の参考書です。じっくりと読みながら問題に取り組み、説明も丁寧なので入り口にはちょうど良いと思います。
ここでの目的は全体の雰囲気と傾向を掴むことです。
本に直接答えを書き込むと繰り返しの学習が出来なくなってしまうので、ノートを用意しましょう。問題の答えをノートに書いて、そのまま解説のメモをノートに書いていくと捗ります。
初めてやると半分くらいしか正解する事が出来ず「やべえ、アーキテクトレベルと格が違う」と、がっかりすると思います。しょうがない、知らないもんは知らないんですから。
1周目
まずは本全体を通しでやり、最後の模擬試験は10問ずつ解いては答え合わせをして解説を読んで理解して、と丁寧に解いていきます。全体を通していることですが「間違っている選択肢はなぜ間違っているのか」をちゃんと理解することが大事です。
この時、間違えた問題はマークしておくと2週目の時に役に立ちます。ポストイットでもペンで丸つけるでも良いと思います。そうやって1週目を終えます。
2週目
2週目は問題だけすべて解きます。解く時には、選択肢をすべて見ながら 「この選択肢はこういう理由で間違い」 と心の中で思いながら解いていくととても良いです。
1週目に間違えた問題が解けるようになっていることを確認しながら「解けるようになってるぞ」と自信をつけながら進めていきましょう。
2週目の模擬試験は、可能ならば時間を確保して一度に70問全部解いてみることをお勧めします。本番よりは問題数が少ないですが、長文問題を一度にたくさん解くことを体験しておくと良いです。
きっと1週目よりはいい点数が取れるはずです。確実に解けるようになってきている自分を褒めましょう。
3週目以降
間違った問題だけを復習し、再度解きます。
そして模擬試験を全体を100点が取れるまで繰り返します。ここまでやると基礎能力が付くと思います。
AWS WEB問題集で学習しよう
合格に近づく勉強ライン
#30以上の問題を、9割以上取れるようになるまで繰り返し解く
数が多いので頑張りましょう!30以下は内容が古いです。もちろん解くことで勉強になりますが「合格を目指す」ためには必要ではないかな?と感じました。
解説
ここの主題は 「とにかくたくさん解いて、知識と対応力を上げる」 です。ソリューションアーキテクトの問題は、知識が少ないと考えても解けないことが多いです。なので問題のパターンを覚えたり、よく出てくる単語や機能を覚えたりがとても重要になります。
知識と対応力がつけば「考えて解ける」ようになります。
この問題集で470問くらいあったと思うのですが、すべてを覚え解けるようになったとて、本番の試験で知っている問題が出てくるのは3~4割ほどです。残りの6~7割は自身の知識から「考えて解く」必要が出てきます。その対応のために解けるだけではなく「なぜこの選択肢なのか?」を理解することが大事になります。
また、実際の試験では1問2分くらいで解くことが求められます。(制限時間180分で75問なので、2分で解ければ30分残せます)そのスピードを出すことが出来るようになるために、長文を読む練習をしたり、選択肢の絞り込みをどのようにするかの練習にもこの問題集は有用です。
1周目
#1 から最後まで正誤は気にせず解きます。知らなければ解けないので、わからなければ勘で選んで、間違っても合ってても解説文章をしっかり読みます。1セクション(7問)を解いて読むのには20分以上はかかるので、最後まで解くのは結構時間がかかると思います。
私は1日4セクション(会社の行き帰りに)解いていました。68セクションあるので、17日くらいで1周できます。
2周目・3週目
#31以降を再びすべて解いていきます。一度解いているので解ける問題も増えていると思います。
ここで間違えた問題は、きちんと履歴に残して、必ず復習をします。私は間違えた問題をPCに開いて、重要なところをノートに書き、読み上げながら復習をしました。
5セクション解いたら復習して、また5セクション解いて復習して、そうしたら10セクション完了するので、再び復習した10セクションを解きます(これが3週目)。こうやって10セクションずつをじっくりと解いて理解していきます。
3週目でも間違った問題は「苦手な問題」です。お気に入りマークを付けてあとから分かるようにしておくと復習に便利です。
4週目
再び#31以降を解いていきます。4周目ともなるとかなり解くスピードも上がっていると思います。しかし文章を読むのがおろそかになって間違ったりするので、問題はしっかり最後まで読みましょう。
このあたりで、10セクションで間違う量は10個以内くらいになっているととても良いです。
間違えた問題はしっかりと解説を読んで復習しましょう。復習は何度もやることが大事です。再度解く場合はすぐには解かず、2~3日おいてから解くと理解できているかを確認できるのでお勧めです。
模擬試験受験
この辺でしっかりと3時間の時間を確保して「AWS認定本試験モード」で模擬試験を受けましょう。
ストップウォッチを動かしながら時間を意識しながら解くのをお勧めします。
ここで合格点以上の点数が取れれば希望があります。
この本試験モードでは、間違えた問題は教えてくれません。「あれ、なんだっけ」と思った問題があれば、メモして残しておいて調べるなりして復習しましょう。(間違えた問題を探し当てるのは困難ですので、どういうジャンルだったかを覚えておくと良いです)
5週目以降
ここまでくれば、しっかりやるというよりは忘れないように繰り返し解いておく、みたいな域に入ります。時間があるときに、お気に入りマークを付けた問題を空き時間にちょくちょく解くと良いです。
#1~#30までの問題を戯れにいてみるのも良いでしょう。
AWS Blackbelt
合格に近づく勉強ライン
苦手だな、と思っているものは大体みんな読む・見る
AWS Blackbeltでは、自分が理解しきれていないサービスの知識補完をするのに役立ちます。私はできるだけ動画があるものを選んで1.2倍速で必要なところを視聴して学習しました。
以下は個人的に役に立った資料です。
Amazon CloudWatch
AWSアカウント シングルサインオンの設計と運用
AWS Service Catalog
オンプレミスとAWS間の冗長化接続
AWS Organizations
AWS公式模擬試験
合格に近づく勉強ライン
100点取るまで解く。解説文も理解する。
AWSの公式模擬試験(20問)がSkill Builderから無料で公開されています。「WEB問題集で学習しよう」に乗っていない問題も載っているので是非チャレンジしましょう。
1問ずつ正誤が出て解説もあるので、まずはすべて解いて復習し、数日たったら再びチャレンジして、100点を目指しましょう。
学習するときにどのような考えで解説を読んだり理解すると良いか
各サービス・機能は何が出来ないのかを覚える
例えば「RDSのリードレプリカにオートスケーリングを設定する」という選択肢があり、これが正解に近いものとします。この時に「ん?リードレプリカってオートスケーリングできっけ?俺が知らないだけかな…」とか思って選んだらハズレ、ということがあります。
こういう問題に出会ったときそもそも「リードレプリカはオートスケーリングできない」という「出来ないこと」を知っていればまずすぐに選択肢から外せます。
他にも「ACMで作った証明書はリージョンを跨げない」とかもそうです。こういう「出来ないこと」を覚えておくとその一文があるだけで考える間もなく選択肢から消せるので便利です。
問題パターンとサービスを結び付けておく
例えばストリームな情報を取り扱うときはKinesisを使うパターンが多かったり、複数アカウントを扱う場合はOrganizations、OU、SCPを使うパターンが多かったりと、出てくる要件とサービスは結構サクッとつながります。(結果そういう人になることをこの資格は求めてるんでしょうし)
必ずしもパターンと選択肢が正解となるわけではないですが、知っているだけでかなり読む文章量を減らせるので回答のスピードが出ます。
特に要件として書かれていないが選択肢が2つとも実現可能な時はよりコストが安い or 可用性が高い or 冗長性が高い or 手間がかからないものを選ぶ
選択肢として、ECS-EC2とECS-Fargateとどちらでも実現できるなー、という場合は運用の手間のかからないFargateを使う方が選択肢としては正解になります。
問題はあくまで「実現できるものを選ぶ」のではなく「選択肢から最適なものを選ぶ」ことを求められています。選択肢に迷ったら、どの選択肢が楽で安くて高機能かを判断しましょう。
試験はいつ受けるか?
私は必要性がない限り、先に試験日を決めるのはお勧めしません。
AWS認定はTOEICのように、日付が決まっていて、何度も受けて腕試しをするようなものではなく、自分で日付を決められて、合格することを目的としている試験です。
しっかりと準備をしたうえで受ける方が合格率は上がると思っているからです。
なので、もはや新しく解く問題がなくなり、勉強自体に張り合いが出て来なくなってきたあたりで受けるのをおすすめします。「最早既存の問題は飽きた」という状態ですね。
予約は平日であれば次の日にでも、休日であれば1週間後くらいには取れるはずなので、試験を予約して体調を整え、苦手分野を復習しましょう。
あとがき
たくさんの先人の方がおっしゃっていますが、勉強で大事なのは、答えを覚えていることより、なぜこの選択肢になるのかを理解すること。
また、問題文を読んで理解し、頭の中で構成図をイメージできること、又は書くことが出来ることが大事です。
本番では、難解な問題文が出る場合もあります。問題文が理解できないときは何度も読むのもいいですし、先に選択肢を見て問題文が何を問うているのかをなんとなく推理したうえで再度読むのもお勧めです。
SAPはAWS認定の中では最難関と言われますが、勉強すれば必ず通ることが出来るのであきらめずに頑張ってください!
私も3年後には更新が待っているので勉強し続けようと思います。
それでは!
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