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熱力学的な系の平衡分布をマルコフモデルから求める

2023/07/11に公開

状態Openと状態Closeの二状態をとる熱力学的な系 (例えばイオンチャネル)を考える。この系の振る舞いをマルコフモデルで考えて、Open状態にある分子の総数の分布を求めてみる。

この時間発展は以下のようになる。

初期値 P_0 = 0.5, P_1 = 0.5
反応率 a=4 b=6
とした時のシミュレーション結果

今Open stateにある分子の数がnである確率をP_nとく。分子の総数はN_0とする。
このマスター方程式は

これは一般的に以下のようにかける。

今平衡状態の様子を考えてみる。

Fluxを用いてP_nを表してみる

二項分布っぽい式が得られた。nは2状態をとる確率過程に従うのだから直感的にそんな気がする。
実際、式変形をすると二項分布になる。

定常状態の平均open state 分子量と分布を求めることができた。
状態遷移図から定常状態を求めることもできるが、このアプローチは分布も得られる。
(しかし2状態をとるのだから二項分布っぽいし定常分布での確率も状態遷移図から求まるのでこんなことしなくてもいい気もする。)

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