KPTとLean Coffeeの組み合わせがふりかえりやすかった

2024/08/16に公開

WED株式会社でバックエンドエンジニアをしているkimurayです。

今年の4月からスクラムチームが発足し、私はスクラムマスターとして動いていました。
その中で毎スプリントごとにふりかえりをどのような形で実施するとチームがふりかえりやすいかを試行錯誤していました。

その中でKPTとLean Coffeeを組み合わせるとふりかえりの進行がやりやすく、チームでの話し合いもしやすくなったので紹介させていただきます。

チーム発足頃のふりかえり

チーム発足頃はスクラムをやり始めての変化をメンバー全員で出し合って、さまざまな気づきがメンバー間で起きれば万歳だと考えていました。
そのため手法やフレームワークには囚われず、テーマ設定して話し合うというところに重きを置いていました。


KMTやGood/Badに取り組んだFigJamボード
※ 内容についてはぼかしを入れています

リモートでのふりかえりなので、ホワイトボードツール(このチームではFigJam)を使ってふりかえりしています。

立ち上がり期は感情面などの共有をすることでチームの結束度が高まることを期待して、感情を出しやすいようなKMTやGood/Bad、事実/気持ちの4象限を使ったふりかえりといった枠組みを試してみていました。

https://speakerdeck.com/chiemitaki/moyamoyawokai-kiauhurifan-riniyotutezu-zhi-nisheng-marerubian-hua-toha-slash-hurikaerikanhuarensu2024

https://t-and-p.hatenablog.com/entry/good-bad-fact-emo

色々試す中で各メンバーの考えていることが少しづつ共有されたりはしてきました。

ただリモートでのふりかえりだったり、自分のファシリテーションスキルの至らなさによって共有されたことを対話や話し合いに繋げることが難しいと感じていました。

Lean Coffee

話し合いを促進する方法を考えていた時に前職でもたまにやっていたLean Coffeeを思い出し、チームで試してみました。

Lean Coffeeとはアジェンダの無いMTGと呼ばれている会議形式で、MTGの中で議題を出し合い、一つの議題を最大10分程度の短い時間で話合う形の会議の方法です。
https://speakerdeck.com/chiemitaki/moyamoyawokai-kiauhurifan-riniyotutezu-zhi-nisheng-marerubian-hua-toha-slash-hurikaerikanhuarensu2024

導入してみたところ話し合いは以前のふりかえりに比べて発生しやすくなり、話の深掘りも進みやすくなりました。
話し合いが深まる中で自然発生的にTryが生まれ、とりあえず試してみましょうという空気感ができたのもよかったです。

仮説としては議題をだして一定時間を一つの議題について話合うというスタイルが話し合いの目的意識を作り出し、意見を考えやすい状態になったのかなと考えています。

Lean Coffeeがチームにフィットしている感じを受けて、次に考えたのは各メンバーの考えなどを共有する場がふりかえりの中で少なくなったという感覚があったので、そこを改善したいと考えました。

KPTと組み合わせる

最終的にKPTと組み合わせると共有と話し合いのバランスがとりやすくなると感じました。
Lean Coffeeを実施して話し合いの中で自然発生的にTryが生まれることが見えていたので、Tryの部分にLean Coffeeを当てるという進め方をしました。

ふりかえりの流れとしては以下のようになります。

  1. スプリントの中で起きたことを出してもらう(思い出し)
  2. Keepを書く-> 共有
  3. Problemを書く -> 共有
  4. Keep, Problemの中からより深掘りしたい話題をLean Coffeeの議題にストック
    • KeepとProblemをグルービングしてから投票してもらって得票が多いものを優先的な議題とする
  5. Lean Coffeeのルールに沿って5分 -> 3分 -> 1分と議論する
    • Tryにできそうなことが出てきたらTryに書き出し


KPT + Lean Coffeeに取り組んだFigJamボード

この流れをでふりかえりをすることで前半パートはメンバーの考え共有、後半パートは話し合いという仕組みになり共有と話し合いのバランスが良くなりました。

もちろん話し合いパートでのファシリテーションは重要でスキルは必要ですが、議論をするという目的がメンバーで擦り合っているのでメンバーそれぞれが話を進めやすい状況を作りやすくなりました。

KPTをベースにした理由としてはメンバー全員がよく知っている、経験しているふりかえり手法なので馴染みやすいかなと思ったのが理由です。
なのでKPTの部分はYWTや他手法などチームによってフィットしやすい手法を当ててもらう形が良いのかなと思います。

まとめ

今回は私が所属しているチームでふりかえりを試行錯誤して話しやすい枠組みを見つけたのでご紹介させていただきました。
ふりかえりが個々人の共有だけで終わってしまうといった状態であれば、ふりかえりの流れの中に話し合うパートを設けるのが効果的というのは良い発見でした。

大前提ですがチームや状況によって話しやすい枠組みなどは変わってくると思うので、一つの参考情報としてみていただけると幸いです。

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