2025年版 JavaScript DataTable パフォーマンス比較
はじめに
大規模データを扱うアプリケーションにおいて「DataGrid(データグリッド)」は欠かせません。
そこで今回は、人気のある JavaScript 製の DataGrid をいくつか選び、パフォーマンスを比較しました。
参加者は以下の4つです:
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Webix Grid
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AG Grid
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Kendo jQuery Data Grid
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Bryntum Grid
各 DataGrid の特徴
Webix Grid
Webix Grid は、大規模データ処理向けに設計された JavaScript Datagrid です。ソート、フィルタ、ページング、ドラッグ&ドロップ、クリップボード対応などの基本機能に加え、エリア選択、グループ化、スパークライン、サブビューといった高度機能も搭載。レスポンシブ対応で複雑なデータセットにも柔軟に対応します。
Kendo jQuery Data Grid
アダプティブレンダリング、列操作、集計、仮想化、キーボード操作など豊富な機能を搭載。エンタープライズ用途で広く利用されています。
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AG Grid
Angular / React / Vue に対応した汎用性の高いグリッド。ソート、フィルタ、編集、カスタマイズ性が高く、ビジネスアプリにも広く使われています。
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Bryntum Grid
Vue、Angular、React、Salesforce と統合可能なグリッド。列固定、カスタムセルレンダリング、グループ化などの機能を持ちますが、性能面で課題もあります。
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テスト条件
公平性のため、以下の条件で比較しました:
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各グリッドはデフォルト設定(列幅のみ統一)
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同一データセットをローカル生成
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performance.now()
による計測 -
Chrome / 16GB RAM の環境で実施
ラウンド1: 行数テスト(Rows Round)
最大100万行までデータを増やし初期化速度を測定しました。
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Webix Grid と Kendo → 安定して高速
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AG Grid → 10万行を超えると遅延
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Bryntum → 早期からラグ発生
ランキング(行の処理性能)
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Webix Grid
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Kendo jQuery Data Grid
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AG Grid
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Bryntum Grid
ラウンド2: 列数テスト(Columns Round)
列数を最大1000列まで増加させ計測。
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Webix Grid → 常に安定した速度
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AG Grid → 非常に良好で Webix に近い
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Kendo → 小規模では良好だが、大規模では差が出る
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Bryntum → 列数増加とともに性能低下
ランキング(列の処理性能)
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Webix Grid
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AG Grid
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Kendo jQuery Data Grid
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Bryntum Grid
Webix Grid が強い理由
Webix Grid (JavaScript Datagrid) が高パフォーマンスを実現している理由は、その独自のレンダリング戦略にあります。
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Lazy Rendering: DOM に描画するのは常に「画面に表示されている要素のみ」
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ブラウザ制限回避: データを分割しスクロールと UI を別処理
これにより、データ量が増えても処理時間が一定で、パフォーマンス低下を防ぎます。
まとめ
今回の検証から以下が明らかになりました:
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中規模まではほぼ全ての DataGrid が良好
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大規模データでは差が顕著に出る
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Webix Grid は常に最速かつ安定
もし「大規模データを効率的に処理したい」なら、Webix Grid が最有力候補です。
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