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スマホだけでClaude Code開発!GCP + Tailscale + tmuxで作る最強モバイル環境

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はじめに

最近はめっきりClaude Codeにハマっています。今までアイデアレベルだったものをガンガン作っていってくれる様は、見ていてかなり気持ちが良いものです。

ですので、可能な限り「指示⇔実行⇔確認」の反復を回したいと思っているのですが、現実問題として移動時間などはどうしてもmacを開けず、かつ通信の確保についてもテザリングなどで面倒です。

一方で、自宅マシンにssh接続をして実行するにしても、常時起動/メンテナンスをすることの面倒さがあり、サクッとクラウドソリューションを使ってこの環境を作ることができないかと考えました。

Claudeと会話した結果、Akamai傘下のLinodeが良さそうだったんですが、3ヶ月ぐらいだけ使うとするとGCPの無料枠で十分だなと思ったので、実際に構築をしてみます(予定)

ClaudeCodeのロードマップに、WebUI+AgenticCodingみたいなものを見つけたので、3ヶ月ぐらいでたぶん同じようなものは公式から出そうだなとは思ってます。

改めて自分がやりたかったこと

  • 📱 モバイルからClaude Codeを実行したい
  • 💻 スマホ・PC間でシームレスに作業を引き継ぎたい
  • 🌐 構築が手軽なクラウドソリューションを使いたい
  • 💰️ コストパフォーマンスは考慮したい(あくまでも個人開発なので)
  • 🔐 セキュリティ面はちゃんと担保したい

なぜGCPを選んだのか

Claude Code推奨環境

Claude Codeを快適に動かすには、以下のスペックが必要です(Claude氏いわく):

  • CPU: 1コア以上
  • RAM: 2GB以上(推奨)
  • Storage: SSD推奨
  • 低遅延なネットワーク接続(つまりJPリージョン)

各VPSサービスの比較

当初検討したVPSサービスを比較した結果:

サービス 無料内容 期間 スペック 実質コスト
GCP $300クレジット 90日間 自由に選択可能 3ヶ月無料 → 永久無料も可
Linode $100クレジット 60日間 2GB RAM月$10 2ヶ月のみ → 月$10
Oracle Cloud Always Free 永久 4 OCPU, 24GB RAM 取得がほぼ不可能
AWS Lightsail 3ヶ月無料 90日間 最小プランのみ 月$3.50〜

決め手:

  1. GCPは最初の3ヶ月、8GB RAMのマシンを無料で使える
  2. その後もe2-microなら永久無料
  3. 段階的にスペックを調整できる柔軟性

アーキテクチャ

スマートフォン(Termux/Termius)
    ↓
Tailscale VPN(セキュア接続)
    ↓
GCP e2インスタンス
    ├── tmux(セッション永続化)
    └── Claude Code

セットアップ手順

1. GCPアカウント作成とインスタンス作成(10分)

# 設定内容
プロジェクト: 新規作成
リージョン: asia-northeast1(東京)
マシンタイプ: e2-standard-2(8GB RAM)※最初の3ヶ月無料
OS: Ubuntu 22.04 LTS
ディスク: 30GB SSD

$300クレジットが自動付与されるので、最初の3ヶ月は高スペックマシンを無料で使えます。

2. 初期設定(15分)

SSHでログイン後:

# システム更新
sudo apt update && sudo apt upgrade -y

# 基本パッケージインストール
sudo apt install -y \
    curl wget git tmux \
    build-essential python3-pip \
    nodejs npm

# タイムゾーン設定
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo

# 一般ユーザー作成
sudo adduser developer
sudo usermod -aG sudo developer

# SSH設定
sudo sed -i 's/PermitRootLogin yes/PermitRootLogin no/' /etc/ssh/sshd_config
sudo systemctl restart sshd

3. Tailscale設定(5分)

# developerユーザーでログイン
su - developer

# Tailscaleインストール
curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh

# Tailscale起動
sudo tailscale up

# 表示されるURLで認証
# Tailscale IPアドレスをメモ(100.x.x.x形式)
tailscale ip -4

4. tmux設定(3分)

# tmux設定ファイル作成
cat > ~/.tmux.conf << 'EOF'
# マウス操作を有効化
set -g mouse on

# プレフィックスキーをCtrl-aに変更
unbind C-b
set-option -g prefix C-a

# 256色対応
set -g default-terminal "screen-256color"

# ステータスバー
set -g status-bg black
set -g status-fg white
EOF

# 便利なエイリアス設定
echo 'alias tm="tmux attach -t main || tmux new -s main"' >> ~/.bashrc
echo 'alias cc="claude-code"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

5. Claude Codeインストール

# Node.js 18以上が必要
curl -fsSL https://deb.nodesource.com/setup_18.x | sudo -E bash -
sudo apt-get install -y nodejs

# Claude Codeインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code

# 初回起動と認証
claude-code

6. スマートフォン設定

Android(Termux)の場合

# Termuxインストール後
pkg update && pkg upgrade
pkg install openssh

# Tailscaleインストール
pkg install root-repo
pkg install tailscale
tailscale up

# サーバーに接続
ssh developer@100.x.x.x
tm  # tmuxセッション開始

iOSの場合

  1. Termius(無料版でOK)をインストール
  2. Tailscaleアプリをインストール
  3. 両方で認証後、接続設定

使い方

基本的なワークフロー

# 1. スマホから接続
ssh developer@100.x.x.x
tm  # tmuxセッション接続

# 2. Claude Codeで開発
claude-code "ReactでTodoアプリを作って"

# 3. 接続が切れても大丈夫(電車でトンネルなど)
# Ctrl+a, d でデタッチ

# 4. PCから作業継続
ssh developer@100.x.x.x
tm  # さっきの画面が復活!

プレビュー環境の構築

開発したアプリをスマホで確認するため:

# 簡易Webサーバー
python3 -m http.server 8080 --bind 0.0.0.0

# またはNode.js開発サーバー
npm run dev -- --host 0.0.0.0

# スマホブラウザでアクセス
# http://100.x.x.x:8080

コスト最適化戦略

3ヶ月後の選択肢

GCPの$300クレジットが切れた後:

A) 軽い用途の場合

# e2-microに変更(永久無料)
- 1GB RAM
- 軽いスクリプト実行は可能
- コスト: $0

B) 本格利用の場合

# Linode 2GBに移行
- 2GB RAM
- 快適な開発環境
- コスト: 月$10(約1,500円)

C) 自宅サーバー構築

# 初期投資: 2万円程度
# 月額: 電気代400円
# メリット: 完全なコントロール

セキュリティ考慮事項

  • Tailscale VPNによる暗号化通信
  • ポート開放不要(Tailscale経由のみ)
  • SSH鍵認証のみ許可
  • 定期的なセキュリティアップデート

まとめ

この構成により、以下が実現できました:

  • ✅ スマホからClaude Codeが快適に使える
  • ✅ 接続が切れてもセッションは維持される
  • ✅ 最初の3ヶ月は無料で高スペック環境
  • ✅ その後も永久無料または月1,500円で継続可能

特にGCPの$300クレジットを活用することで、じっくりと自分に合った環境を見極められるのが大きなメリットです。

Claude Codeでのモバイル開発、ぜひ試してみてください!

参考リンク

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