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「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策 読書ノート
https://www.amazon.co.jp/dp/4296000950
目次
はじめに 認知科学者が教えるコミュニケーションの本質と解決策
第1章「話せばわかる」はもしかしたら「幻想」かもしれない
第2章「話してもわからない」「言っても伝わらない」とき、いったい何が起きているのか?
第3章「言えば→伝わる」「言われれば→理解できる」を実現するには?
第4章「伝わらない」「わかり合えない」を越えるコミュニケーションのとり方
終章 コミュニケーションを通してビジネスの熟達者になるために
おわりに
本編
はじめに 認知科学者が教えるコミュニケーションの本質と解決策
- 間違っているのは「言い方」ではなく心の「読み方」
- 「人は、何をどう聞き逃し、都合よく解釈し、誤解し、忘れるのか」を知ること。そして、その特徴を持つ人間同士が、それでも伝え合えるように考えることが、「いいコミュニケーション」の実現には不可欠
第1章「話せばわかる」はもしかしたら「幻想」かもしれない
- 「人と人は、話せばわかり合える」ものなのか?
- 私たち人間は、相手の話した内容をそのまま脳にインプットするわけではないから
- 同じものを見たり聞いたりしても、誰もが同じような理解をするわけではない
- 「話せばわかる」とはどういうことか?
- 「相手の話がわかる」ということを、段階を踏んで表現すると
- 相手の考えていることが
- 言語によってあなたに伝えられ
- あなたが理解をすること といえる
- 言葉を発している人と、受け取っている人とでは、「知識の枠組みも」違えば「思考の枠組み」も異なるため、仮にすべての情報をもれなく伝えたとしても、頭の中を共有することはできない
- 相手に正しく理解してもらうことは、相手の思い込みの塊と対峙していくこと。そして相手を正しく理解することは、自分が持っている思い込みに気がつくでもある
- 「相手の話がわかる」ということを、段階を踏んで表現すると
- 「話せばわかる」の試練――記憶力の問題
- 言った側と言われた側で、その情報の重要度が違う
- 人の記憶はどこまで「曖昧」なものなのか
- たとえ嘘をつくつもりがなくても、誰かの発言や自分の願望、感情、そして自身のスキーマによって、記憶は影響を受け、あなたにとっての「事実」がいつの間にかつくり上げられてしまうのだ
- 人は「事実に基づいた話ができる」存在ではなく、自供や目撃証言が「つねに正しい」とは限らない
- 嘘をつくつもりがなくても、相手が、そして自分が、事実として正しいことを言っているとは限らない
- 世の中ではこのように、「断言したもの勝ち」「自分の記憶が正しいと信じられた人の勝ち」ということが、日々起こっているのだ
- 「相手にわかってもらえる」を実現する方法を考えよう
- 人間の認知能力というもののあやふやさを理解する
- わかり合えない中でも、少しでもお互いに通じる表現を見つける。そう願って日常の努力を積み重ねるほうが、「すぐにわかる」よりは実はずっと大事なことなのだ
第2章「話してもわからない」「言っても伝わらない」とき、いったい何が起きているのか?
- 「言えば伝わる」「話せばわかる」を裏側から考える
- 言っても伝わらないを生み出すもの①「理解」についての2つの勘違い
- 勘違い
- 「記憶力のいい成績優秀者は、理解力がある」
- 「記憶違いは、理解が足りなくて起こっている」
- ねじ曲げられた記憶に関して話しているときには、真実を述べていないにもかかわらず、本人に嘘をついているという自覚はない。その記憶は本人にとっては「真実」なのだ
- 勘違い
- 言っても伝わらないを生み出すもの②「まんべんなく公平に見渡す」ことはできない、視点の偏り
- 代表性バイアス
- 過剰性一般化
- 言っても伝わらないを生み出すもの③「専門性」が視野を歪ませる
- 偏った視点や考え方を持った者が集まって、仕事は進んでいく。意見を擦り合わせたり、歩み寄ったりすることで、より広い視点を獲得することができるのだ
- 専門家である以上、あるいは、何らかの立場にいる以上、「視点の偏り」は必ず起こる
- 言っても伝わらないを生み出すもの④人間は「記憶マシーン」にはなれない
- 仕事のできる人というのは、「相手も自分も忘れる可能性がある」ということをわかっている。そしてそれを回避する方法をあらかじめ見つけている
- 忘れることはとても重要な能力
- 言っても伝わらないを生み出すもの⑤言葉が、感情が、記憶をどんどん書き換えていく
- 一度記憶しても、ちょっとしたことでその記憶が書き換わってしまう
- その人自身の感情もまた、記憶を書き換える要因の一つ
- 「なぜ?」から始まる推測が記憶を書き換える
- 言っても伝わらないを生み出すもの⑥「認知バイアス」で思考が止まる
- 「神聖な価値観」による物事の単純化
- 「神聖な価値観」とは、「どのように行動するべきかの価値感」・「物事を単純化するためのツール」
- 信念バイアス
- 価値感ではなく、結論に焦点を当てること。そして、結論からさかのぼって考えていくこと
- 「神聖な価値観」による物事の単純化
- 様々な思い込みと認知バイアス
- 「他人の知識=自分の知識」バイアス
- 相談に乗る際の認知科学的な留意点
- 相関を因果と思い込む思考バイアス
- ビジネスシーンでも散見される「小さな世界」バイアス
- 海外の人と仕事をする場合は、自分の感覚としては詳しすぎるぐらいに、あるいはしつこいぐらいに説明をするのでちょうどいい
- 「好ましさ」すらバイアスに支配されている?
- 相対主義の罠
- AかBかのバイアス
- すらすら話される・分かりやすいと信じてしまう認知バイアス
- 流暢性バイアス
第3章「言えば→伝わる」「言われれば→理解できる」を実現するには?
- ビジネスの現場に、日常生活に認知科学をどう落とし込むか
- 私たちの優れた認知能力の特徴が、同時にエラーを引き起こす要因でもある
- 「相手の立場」で考える
- 「相手の立場に立つ」「相手の気持ちになって考える」というのは、単に思いやりを持てということではない
- ビジネスにおいては、相手の置かれている状況を分析し、それに応じた提案をするということ
- ビジネスで「相手の立場に立つ」ための「心の理論」
- 「ある状況に置かれた他者の行動を見て、その考えを推測し、解釈する」という心の動き
- ビジネスで「相手の立場に立つ」ための「メタ認知」
- 「自分自身の意思決定を客観視すること」
- 「自分の思考の過程や、出した答えを振り返る」というのは、自然にできることではないのだ
- ビジネスにおいて、メタ認知をうまく動かせることのできない人は、自身がつくった資料などを見直すことや、指示通りに自分が動けているかを見直すことが苦手
- 「相手の立場」に立てる人のコミュニケーション
- メールは「読む人」の立場で書く
- 言いにくいことでも報告できる環境とは?
- ホウレンソウのない職場は、「なぜそのホウレンソウが必要なのか」を部下が気づいていないことに上司が気づいていない、という二重の問題となっていることも多いものだ
- 「感情」に気を配る
- 相手の感情だけでなく、自分の感情も含まれる
- 選択や意思決定の多くの場合、人は、最初に感情で。端的に言えば「好きか嫌いか」で物事を判断し、その後、「論理的な理由」を後づけしているに過ぎないことを示すデータが、非常に多くの認知心理学や脳神経学の研究で報告されている
- 理由を添えるだけで、相手の納得を得られやすくなるということ
- 「丁寧に説明する」というのは、聞き手の納得できる理由とその根拠をきちんと示すということ。感情への配慮も欠かせないのだ
- 感情を味方につけるコミュニケーションのコツ
- 理由を伝える
- 相手の立場が不可欠
- 相手の感情に寄り添う
- 悩みを共有する
- 感情をぶつけても、問題は解決しない
- 理由を伝える
- 「勘違い」「伝達ミス」を防ぐ
- 「具体と抽象を行き来している」
- 具体にすれば、分かりやすくなる
- 抽象にすれば、全体を捉えることができる
- 具体と抽象のよくあるエラー
- 特徴的な代表例を全体だと思い込む
- 具体と抽象の紐づけは、文化により、慣習により、変わることが多い
- 本当は別のグループに入るものを、同じグループだと思い込む
- 具体と抽象がそもそも紐づかない
- 特徴的な代表例を全体だと思い込む
- 抽象化が記憶を助ける
- 抽象化が理解を助ける
- 具体・抽象の使い分けにはトレーニングが必要
- 「伝わる説明」を、具体と抽象から考える
- OJTで、具体と抽象の間を埋める
- 受け身では一流になれない
- OJTで、具体と抽象の間を埋める
- 「意図」を読む
- 「結論を先に言え!」は常套句、でも雑談もできる理由
- 意図を読むとはどういうことか
- 「相手がどういう視点で、どういうスキーマを持って状況を捉え、状況に対してどういう感情を持っているのかを推論すること」
- 私たちの日常を支える推測・推論の力
第4章「伝わらない」「わかり合えない」を越えるコミュニケーションのとり方
- 「いいコミュニケーション」とは何か?
- 「コミュニケーションの達人」の特徴① 達人は失敗を成長の糧(かて)にしている
- 「失敗・分析・修正」をセットでできる人だけが、「失敗は貴重な機会だ」と言うことができるのだ
- 性格だけの問題とは限らない
- 有効な反省にもメタ認知が必要
- 「コミュニケーションの達人」の特徴② 説明の手間を惜しまない
- フィルターを同じにすること
- フィルターが違っても伝わるように伝えること
- フィルターの違いを受け入れること
- 人は誰も異なるフィルター、つまりスキーマを(無自覚に)持っており、それをベースにしてしかコミュニケーションは取れない、という事実を理解するが重要なのだ
- 「コミュニケーションの達人」の特徴③ コントロールしようと思わない
- コントロールせず相手を動かすポイント
- 関係性
- 相手の成長を意識する
- コントロールせず相手を動かすポイント
- 「コミュニケーションの達人」の特徴④ 「聞く耳」をいつも持つ
- プラスのフィードバックで、不測の事態を防ぐ
- イヤな報告を受けたときこそ、相手を褒める・感謝する
終章 コミュニケーションを通してビジネスの熟達者になるために
- ビジネスの熟達者とコミュニケーション
- ビジネスの熟達者になるための「直観」
おわりに
- 自分の認知のバイアスに埋没し、心地よいところだけで生きるのは、とてもラクな生き方でもあるのだ
- その道を選ばなかった皆さんは、これからの日々も探究しながら生きていくことになるでしょうか
- 自分とは相容れない相手に対しても、「許せない」と切り捨てたり、「人それぞれ」と突き放したりするのではなく、「そういう考え方もあるのか」「そういう捉え方もできるかもしれない」と建設的にすり合わせをしていくことでしょう
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