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おっさんのお小遣いで作るホームラボ 〜10万円で作るHCI〜 ③HCIプラットフォームを検討する
前回ようやくネットワークの初期構成を組めたのでHCIの本体をすすめていこうと思う。
今回はちょっと短め。
HCIプラットホームを選ぶ
有名どころだとVMware、Nutanix、Xenあたりだけど、少し調べてみると割といろいろある模様。
ということで、Copilotに聞いてみた。
🧠 HCIソフトプラットフォーム一覧(OSS含む)
No. | プラットフォーム名 | OSSか? | 無償利用(個人/非商用) |
---|---|---|---|
1 | Proxmox VE | ✅ OSS | ✅ 無償 |
2 | Harvester | ✅ OSS | ✅ 無償 |
3 | SmartX HCI Kit Community Edition | ❌(一部OSS) | ✅ 無償 |
4 | OpenStack + Ceph | ✅ OSS | ✅ 無償 |
5 | oVirt | ✅ OSS | ✅ 無償 |
6 | XCP-ng | ✅ OSS | ✅ 無償 |
7 | Virtuozzo Infrastructure Platform | ❌ | ❌ 有償 |
8 | Nutanix Community Edition | ❌ | ✅ 無償(制限あり) |
9 | VMware vSAN + vSphere | ❌ | ❌ 有償 |
10 | Red Hat Hyperconverged Infrastructure | ❌ | ❌ 有償 |
11 | Scale Computing HC3 | ❌ | ❌ 有償 |
12 | Microsoft Azure Stack HCI | ❌ | ❌ 有償 |
13 | OpenNebula | ✅ OSS | ✅ 無償 |
14 | KubeVirt + Longhorn | ✅ OSS | ✅ 無償 |
15 | SmartOS | ✅ OSS | ✅ 無償 |
16 | Xen Project | ✅ OSS | ✅ 無償 |
17 | KVM + libvirt | ✅ OSS | ✅ 無償 |
18 | Apache CloudStack | ✅ OSS | ✅ 無償 |
19 | OpenShift Virtualization | ❌(一部OSS) | ❌ 有償 |
20 | Syneto OS | ❌ | ❌ 有償 |
🏷️ OSSかつ無償で使えるおすすめ
以下は特に人気があり、個人や非商用利用に適したOSSベースのHCIです:
- Proxmox VE:KVMとLXCを統合したGUI付きの強力なHCI。日本語情報も豊富。
- Harvester:Kubernetesベースの次世代HCI。Rancherと統合可能。
- OpenStack + Ceph:大規模環境向け。学習用途にも最適。
- oVirt:Red Hat系の仮想化管理プラットフォーム。
- XCP-ng:XenServerベースのOSS版。GUI管理ツールもあり。
- SmartOS:ZFSとKVMを統合した高信頼性HCI。
うむ、いろいろある。
まあ、おっさんはお金がないので無償利用可能なものを選ぶしかないのだけども。
Nutanix CEは動かすためのハードの要求が高すぎる&AHV/ESXi両方作ったことがあるのでので今回は除外。ESXiで動かすにはホスト側で10コア使用するとかバケモンだわ。メモリも20GB持ってかれるし。
ただUIはだいぶ使いやすい。
ざっくりHCIソフトプラットフォームを比較してみる
1. Proxmox VE
特徴
- KVM(完全仮想化)とLXC(軽量コンテナ)を単一環境で統合
- WebベースGUIによる直感的な管理インターフェース
- ZFS、Ceph、LVM、NFSなど多彩なストレージバックエンドをサポート
- スナップショット/ライブマイグレーション/バックアップ機能を標準搭載
- ネイティブでクラスタリング機能を持ち、複数ノードを一括管理可能
詳細
要求構成
- CPU:64bit Intel/AMD(Intel VT-x/AMD-V対応)
- メモリ:最小2 GB + ゲスト用。Ceph/ZFS利用時は1 TBあたり約1 GB追加推奨
- ストレージ:最小46 GB(テスト用)、運用は70 GB以上のSSD推奨
- ネットワーク:冗長1 GbE NIC×2以上。10 GbE対応
ベースのソフト
- Debian GNU/Linux
- 仮想化:KVM(完全仮想化)+LXC(コンテナ)
- ストレージ:ZFS、LVM、Ceph、NFSなど多彩
分散ストレージ技術
- Ceph RBD(ブロックストレージ)
GUI
- Webベース管理コンソール「pve-manager」
2. Harvester
特徴
- Kubernetes上に構築されたクラウドネイティブHCIソリューション
- KubeVirtでVMを、Longhornで分散ブロックストレージを提供
- Rancherとの連携でマルチクラスタ/GUI管理がシームレス
- VMのライブマイグレーション、スナップショット、バックアップ機能
- デフォルト3ノードでHAクラスタを構成可能
詳細
要求構成
- CPU:x86_64(VT-x/AMD-V対応)。開発・テストは8コア以上、本番は16コア以上推奨
- メモリ:開発・テスト32 GB、本番64 GB以上推奨
- ストレージ:開発・テスト250 GB(SSD/NVMe、5 000 IOPS以上)、本番500 GB以上推奨
- ネットワーク:管理用NIC 1 GbE×1(10 GbE×2推奨)、VM用NIC 1 GbE×2推奨
ベースのソフト
- SUSE Linux Enterprise Micro(Elemental Toolkit)
- Kubernetes(RKE2ベース)、KubeVirt、Longhorn
分散ストレージ技術
- Longhorn(分散ブロックストレージ)
GUI
- Harvester Console(Web UI)
- Rancher 連携可
3. OpenStack + Ceph
特徴
- Nova(計算)、Neutron(ネットワーク)、Cinder(ブロック)など豊富なコンポーネントで大規模クラウドを構築
- Cephによるオブジェクト・ブロック・ファイルの分散ストレージを統合
- プライベート/ハイブリッドクラウド対応、高い拡張性と可用性
- 教育・研究用途にも最適。ドキュメント・チュートリアルが豊富
詳細
要求構成
- コントローラノード:CPUクアッドコア以上、メモリ8 GB以上
- Cephストレージノード:最低5台(3ウェイレプリケーション)、OSDあたりCPUコア×1、メモリOSDあたり5 GB、10 GbE推奨
- ネットワーク:管理/ゲスト/Cephクラスタ専用にそれぞれ10 GbE推奨
ベースのソフト
- OpenStack各コンポーネント(Nova, Neutron, Cinder, Glance, Keystone…)
- Ceph(RADOSオブジェクト/ブロック/ファイルストレージ)
- Linux(RHEL/CentOS/Ubuntuなど)
分散ストレージ技術
- Ceph(オブジェクト・ブロック・ファイル統合ストレージ)
GUI
- OpenStackダッシュボード「Horizon」
- Ceph Dashboard
4. oVirt
特徴
- Red Hat Virtualization(RHV)由来のコミュニティOSS版
- KVMベースのVM管理、Web GUI(oVirt Engine)による集中管理
- NFS、iSCSI、GlusterFSなどストレージ多彩
- VMのライブマイグレーション、HA機能、スナップショット対応
- 企業利用にも耐える成熟度と安定性
詳細
要求構成
- Engineノード:CPUクアッドコア、メモリ4~16 GB、ディスク25~50 GB、1 GbE以上
- ホストノード:VT-x/AMD-V対応CPU、メモリ≥4 GB、共有ストレージ対応
- ネットワーク:管理用NIC×1、仮想マシン用やライブマイグレーション用に追加NIC推奨
ベースのソフト
- Enterprise Linux 9(oVirt Engine)
- 仮想化:KVM+VDSMエージェント
- ミドルウェア:PostgreSQL、WildFly
分散ストレージ技術
- GlusterFS(分散ファイルシステム)
GUI
- oVirt Engine Web UI
- Admin Portal(管理者向け)
- User Portal(ユーザ向け)
5. XCP-ng
特徴
- XenServerのOSSフォーク、Xenハイパーバイザ+XAPIを統合
- Xen OrchestraによるWeb管理、ライブマイグレーション対応
- LVM/NFS/各種SAN対応の柔軟なストレージ管理
- 最大6 TBメモリ、16枚NICサポートなど大規模環境にも拡張可能
- GPUパススルー、ハードウェア仮想化技術にも対応
詳細
要求構成
- CPU:64bit x86、1.5 GHz以上(仮想化対応推奨)
- メモリ:最小2 GB、運用は4 GB以上推奨
- ストレージ:最小46 GB、運用は70 GB以上のSSD推奨
- ネットワーク:最低100 MbE NIC、運用はGbE/10 GbE複数枚推奨
ベースのソフト
- Xenハイパーバイザ+Linux dom0(CentOSベース)
- Xen API(XAPI)
分散ストレージ技術
- XOSTOR(XCP-ng独自の分散ストレージ)
- Ceph RBD や外部 iSCSI/NFS 連携も可
GUI
- Xen Orchestra(Web UI)
- XCP-ng Center(Windowsクライアント)
6. SmartOS
特徴
- illumos(OpenSolaris系)ベースのメモリ起動型ハイパーバイザ
- OSレベルのZonesとKVM/bhyveによるハードウェア仮想化を両立
- ZFS、DTrace、Crossbow(SDN)、SMF、RBACなどSolaris由来技術統合
- 全システムをメモリ上で動作させ、ローカルディスクをVMストレージ専用化
- Docker互換コンテナ、Linux/BSDゲストサポート。PXE/USB/ISOブート対応
詳細
要求構成
- CPU:64bit Intel/AMD(KVM用途はVT-x/EPT必須)
- メモリ:最小512 MB、1 GB以上推奨
- ストレージ:ZFSプール用ディスク
- ネットワーク:サポート済みNIC×1以上
ベースのソフト
- illumosカーネルベース
- Zones(コンテナ)+KVM/bhyve
- ZFS、DTrace、Crossbow、SMF、RBAC
分散ストレージ技術
- ZFS(RAID-Z、スナップショット、レプリケーション)
GUI
- SmartOS Web UI(オプション)
- Triton Compute(商用オプション)
OSSの場合は大体裏で動いてるソフトは似通ってる(基盤技術が同じだから当たり前だけど)なので、あとは好みに合うか、動くものって感じか。
そうなると、最近知名度が上がったProxmox、SUSE開発のHarvester、XenベースのXCP-ngのいずれか。
SmartOSは分散ストレージに対応してないからナシかなあ。
N100マシンで動かせるとなると軽量なProxmox以外は選択肢から外れてしまう。
ということで基盤はProxmoxで作りますか。KVMとコンテナ混在での搭載も行けるようなので、ちょっと面白そう。
もっとも検証環境だからほかのHCIプラットフォームを別途入れてみる可能性も十分にあるけど。
要求高いものに関してはNVMe搭載の中古サーバーが安く出回るようになってくれれば…
さて、次回から実際に組んでいこう。
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