Ubuntu-22.04のウィンドウマネージャ
その昔、GnomeやKDEといったデスクトップ環境が定着する前の時代、Unix系OS (FreeBSD, Linux, Solarisなど) にはさまざなウィンドウマネージャがあり、ユーザが好きなものをインストールして使っていた。
最近はOSデフォルトの環境(例えばUbuntuならGnome)をそのまま使う人が多いだろうが、今でもサポートされているウィンドウマネージャもある。そのいくつかを久しぶりに試してみた。
試したもの
Ubuntu-22.04 on VMwareの環境で以下を試してみた。
- twm
- fvwm
- Afterstep
- Window Maker
- BlackBox
- enlightenment
特に記載がない限り、スクリーンショットはUbuntu-22.04で撮ったもの。
選択方法
ウィンドウマネージャをインストールするとログイン画面の右下で選択できるようになる。
twm
X Windows Systemのデフォルトのようなもの。懐かしい画面が現れる、かと思ったら背景が真っ黒な画面が出てきた。タイトルバーやメニューは昔のとおりだけど。
記憶に残っているtwmの画面はWikipediaにあるようなグレーの背景
自分が最初にUnix系OSに触れたのは90年代後半だったので、この時点でもすでに古臭さは拭えず、常用したことはない。それでもこの画面は何度も目にしている。というのは、昔のOSではGUI環境の設定は自動ではなく、自分で設定ファイルを作る必要があり、最初に動かすのがtwmだったからだ。twmの動作が確認できればXの設定自体はできているので、後はもっと便利なウィンドウマネージャをインストールしていた。
fvwm
軽量かつ仮想デスクトップのような機能も備えていて、スペックの低いマシンではfvwm (正確にはfvwm2だったかも) を使っていた。試しに起動したらこれまた昔とは随分違った画面が出てきた。このスクリーンショットでは分からないが、背景画像の描画に問題があるようで、動作が少し不安定。
Afterstep
このあたりまで来ると見た目が良くなってくる。メニューの一部が文字化けしており、多分日本語になっているところだろう。これは多分Afterstep自体が日本語に対応していないのではなく、使っているフォントに平仮名・片仮名がないためだろう。
Afterstepは一時期常用していたが、1.xから2.xになったあたりで見た目が大きく変わり、動作も重くなったので他に移行したように思う。
Window Maker
Window Makerは個人的にかなりお世話になったウィンドウマネージャだ。設定ファイルでのカスタマイズが簡単、動作が軽い、かつDockと呼ばれるミニアプリなどの便利機能もあり、Gnomeなどの近代的なデスクトップ環境に移る前では一番長く使ったと思う。
メニューの日本語もちゃんと表示されており、その気になれば今でも使えると思う。
なおWindow Maker自体のデフォルトは以下のような紫の背景だったが、UbuntuではDebianのロゴの壁紙になっている。
BlackBox
自分はあまり使っていなかったが周りでは結構人気があったウィンドウマネージャ。デフォルト状態はこんな感じ。メニューの日本語は化けてしまう。
BlackBoxという名前のとおり、デフォルトではほとんど壁紙、メニューなどほとんど真っ黒だった記憶があるのだが...。
FluxBox
BlackBoxの派生。これも周りで使っている人がいたが、自分はWindow Makerばっかりだったのであまり使っていない。真っ黒にUbuntuロゴという壁紙。メニューの文字化けもあり、今これを使おうという気分にはならない。
Enlightenment
Afterstep, Window Makerあたりよりもさらに高機能。ただし重量級でかなり重かった気がする。当時は見た目がサイバーな感じだった記憶があるが、Ubuntuのデフォルトはそうでもない。
ただ動作にいくつか難あり。上のスクリーンショットのとおり、VMwareのウィンドウにスクロールバーが出ている。つまりVMwareのウィンドウと中の画面のサイズが合っていない。他のウィンドウマネージャだと自動で合わせてくれていたが、Enlightenmentだけうまく動かない。あと、マウスクリックした位置が少しずれている感じがあった。
まとめ
最新のUbuntuでも昔のウィンドウマネージャがそれなりサポートされている。ただし日本語の文字化けなどいくつか問題はあるようなので、常用するのは難しいかもしれない。
それでも開発環境を変えると結構気分転換になったりするので、気が向いたときに試してみるのも良いかもしれない。
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